話題株ピックアップ【夕刊】(1):シンプレクス、ビプロジー、日本M&A

シンプレクス <日足> 「株探」多機能チャートより
■シンプレクス <4373>  3,610円  +595 円 (+19.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位  シンプレクス・ホールディングス<4373>が急騰、一時21%を超える上昇で3600円台まで駆け上がり、プライム市場の値上がり率断トツに躍り出る人気となった。21年11月につけた上場来高値3370円を大きく上回り、戻り売り圧力のない青空圏に突入した。同社は金融システム構築を主力に手掛けており、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)コンサルティング事業で新規案件獲得による収益拡大が顕著となっている。4月30日取引終了後に発表した25年3月期の営業利益は前の期比22%増の108億400万円と過去最高利益更新基調を継続、26年3月期についても前期比18%増の127億円と2ケタ成長が続く見通しにある。また、好業績を背景に株主還元にも抜かりなく、25年3月期年間配当は前の期比8円増配となる50円を実施し、更に26年3月期については前期比15円の大幅増配で65円を計画している。

■ストライク <6196>  3,435円  +504 円 (+17.2%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位

 ストライク<6196>はストップ高。4月30日取引終了後に配当方針の変更を発表し、配当性向の概ねの目安を35%から50%に引き上げるとした。あわせて今25年9月期を含む今後3年間の配当を1株当たり年180円にすることを明らかにした。今期の従来予想は年102円だっただけに大幅増配となる見通し。これを好感した買いが膨らんだ。各期の配当性向が50%を下回る場合には180円から更に増額するという。なお、同時に発表した上期単独決算は売上高が前年同期比3.0%減の89億5100万円、営業利益が同34.2%減の24億3900万円だった。M&Aの実行が第3四半期となり、売り上げ計上に至らなかった大型案件が複数あったことが影響した。通期の増収増益見通しは据え置いた。

■BIPROGY <8056>  5,373円  +700 円 (+15.0%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率4位

 BIPROGY<8056>はストップ高、年初来高値を更新した。4月30日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比4.0%増の4200億円、営業利益を同9.0%増の426億円と発表。配当予想も前期比10円増の120円とした。これを好感した買いが入った。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比9.2%増の4040億1000万円、営業利益が同17.4%増の390億6600万円だった。IT投資に対する旺盛な需要を背景にサービス、製品販売とも好調だった。あわせて、27年3月期を最終年度とするグループ経営方針の業績目標を修正すると発表した。売上高を4200億円から4400億円へ、ROEを「15.0%目途」から「17.0%以上」に引き上げた。

■北海道電力 <9509>  777円  +100 円 (+14.8%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率5位

 北海道電力<9509>がストップ高の水準となる前営業日比100円高の777円に買われた。4月30日の取引終了後に25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示。今期の売上高は前期比0.4%減の8980億円、最終利益は同59.5%減の260億円を見込む。減収減益予想ながら泊原発3号機に関しては原子力規制委員会の安全審査に事実上合格する形となり、将来的な収益面でのポジティブな効果に向け期待を持たせる結果となった。今期の年間配当予想は同10円増配の30円としたことも買い安心感をもたらし、投資マネーが流入。株高に弾みをつけたようだ。

■日本電設工業 <1950>  2,457円  +284 円 (+13.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位

 日本電設工業<1950>が大幅高で4連騰。2020年6月以来の高値圏に浮上した。4月30日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、配当方針を変更すると発表した。配当性向40%を目安とする新たな方針を示したうえで、3月31日を基準日とする前期の期末配当については従来の予想から26円増額して90円で決定。加えて、26年3月期の年間配当予想は前期比2円増配の92円とした。株主還元姿勢を評価した買いが集まったようだ。25年3月期の売上高は前の期比11.8%増の2169億2200万円、最終利益は同31.4%増の131億9200万円だった。鉄道電気工事部門が堅調に推移したほか、大阪・関西万博のパビリオン関連の工事も寄与した。26年3月期は鉄道向けの受注の確保とともに、データセンターなど需要が増加している分野での受注拡大などを目指す方針。売上高予想は前の期比6.2%増の2304億8000万円、最終利益は同1.4%増の133億8000万円とした。

■日本M&A <2127>  654.7円  +71.7 円 (+12.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位

 日本M&Aセンターホールディングス<2127>が急反発。4月30日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の連結業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比5.0%増の463億円、最終利益予想は同0.4%増の110億円とした。年間配当予想は前期と横ばいの29円とする。最終利益は微増益予想ながら、営業利益と経常利益は前期に続き過去最高益を更新する計画となっている。中小企業向けのM&A仲介に関しては、過大な仲介手数料を抑制するために経済産業省が手数料基準の開示を求めるなどの指針改定に動いたことを受けて、関連企業の業績面への悪影響が懸念されていた。市場の健全化に向けた取り組みが進むなかで、同社は増収増益予想とともにコンサルタントのレベルアップと持続的な成長サイクルを構築する方針を示しており、見直し買いを集めたようだ。

■JR東海 <9022>  3,217円  +286 円 (+9.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位

 JR東海<9022>は大幅高。4月30日取引終了後に26年3月期の見通しを発表し、配当予想を前期比1円増の32円に増配する方針を示した。あわせて取得上限4500万株(自己株式を除く発行済み株数の4.57%)、または1000億円とする自社株買いの実施を発表。株主還元に積極的な姿勢を評価した買いが入った。今期の売上高は前期比1.8%増の1兆8650億円、営業利益は同5.1%減の6670億円と予想。会社側は大阪・関西万博の効果について、各種試算・アンケートに基づき東海道新幹線の新規増収分が200億円になると推定した。なお、同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比7.1%増の1兆8318億円、営業利益が同15.7%増の7027億9400万円だった。

■SCSK <9719>  4,100円  +357 円 (+9.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位

 SCSK<9719>が大幅高で4日続伸。4月30日の取引終了後に発表した26年3月期連結業績予想で、売上高7900億円(前期比32.5%増)、営業利益850億円(同28.6%増)、純利益576億円(同27.9%増)と大幅増収増益を見込み、年間配当予想を前期比23円増の94円を予定していることが好感された。顧客の旺盛なIT投資需要への対応を継続・強化することで成長加速を狙うほか、昨年12月に買収したネットワンシステムズがフル寄与する。なお、25年3月期決算は、売上高5960億6500万円(前の期比24.1%増)、営業利益661億2100万円(同16.0%増)、純利益450億3500万円(同11.3%増)だった。

■新日本科学 <2395>  1,565円  +132 円 (+9.2%)  本日終値

 新日本科学<2395>が急伸し7連騰。午前9時ごろ、急性期偏頭痛治療薬 「Atzumi」(開発コードSTS101)に関して、米国食品医薬品局(FDA)から販売承認を取得したと発表しており、好材料視された。同社は、粘膜と親和性の高い担体をベースとした粉体製剤技術と簡易で精度の高い投与が可能なデバイス(医療用具)を組み合わせた経鼻製剤投与基盤技術を独自に開発しており、「Atzumi」は同技術を用いて開発された経鼻薬の承認第1号となる。なお、同件による業績への影響は精査中としている。

■日本特殊陶業 <5334>  4,774円  +332 円 (+7.5%)  本日終値

 日本特殊陶業<5334>が大幅高。同社は4月30日取引終了後、25年3月期通期の連結決算を発表。主力の自動車関連事業が堅調だったことなどから、営業利益は前の期比20.5%増の1296億6000万円で着地した。また、期末配当を従来計画比1円増額の90円にすることも発表。これにより、中間配当88円をあわせた年間配当は178円(前の期は164円)となる。26年3月期通期の連結業績予想については、営業利益が前期比0.3%増の1300億円となる見通し。自動車関連事業における環境規制強化に対応した高付加価値製品の拡販と半導体関連事業でのAI向け半導体の需要拡大や高積層メモリーなどの技術進化に伴う先端投資拡大を見込んでいる。年間配当は前期比4円増配の182円(中間配当91円、期末配当91円)を計画している。 株探ニュース

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