巨大ハリケーンが迫る中、「盲目の小猫」を救い出した人々...「命がけの行動」に世界中から称賛の声(ニューズウィーク日本版)
ジャマイカのオーチョ・リオスに滞在していた観光客が、ハリケーン・メリッサの上陸中に盲目の子猫を救出しようとする様子を捉えた動画がSNSで拡散されている。 【動画】ハリケーンが迫る中、盲目の猫を助け出す観光客 フロリダ州ペンサコーラ出身のアドリエンヌ・ブリンテソンは、ジャマイカ北岸のカップル向けリゾートから、カテゴリー5のハリケーンが島を襲う中での出来事をSNSで報告した。彼女が子猫を発見する様子を収めた動画は13万件以上の「いいね」と20万回以上の再生数を記録している。 「10月27日、盲目の猫を見つけた時、その猫はリゾート内の低い場所にいた。スタッフに必死に頼み込んで、やっと屋内に移すことができた」とアドリエンヌは本誌に語った。 「最初は(猫を)捕まえることにスタッフが難色を示していたが、最終的には許可してくれて、施設内の会議室に移すのを手伝ってくれた。これでハリケーンを生き延びられる可能性が少しは高まったと思う」 アドリエンヌはパートナーと共に、10月22日ジャマイカのオーチョ・リオスに到着したという。ハリケーンが接近し状況が悪化するにつれ、リゾート内のアクティビティやサービスはすべて中止された。 「なんとか楽しく過ごそうとしている。皆が無事であることを願っている。ジャマイカは本当に恐ろしい状況にある」
ハリケーン・メリッサはジャマイカを襲った記録上最強のハリケーンであり、現在、ジャマイカはその甚大な被害から立ち直ろうとしている。 10月28日、米国務省はジャマイカへの渡航勧告を「レベル3(渡航の再考を推奨)」に更新。「自然災害」というリスク指標も追加した。 この勧告では、アメリカ政府職員の家族や緊急でない職員の国外退避を認めている他、旅行者に対しては米国国務省が提供する海外旅行および海外在住時の安全・連絡手段である「Smart Traveler Enrollment Program(STEP)」に登録するよう呼びかけている。 ハリケーン・メリッサが接近していた10月22日時点で、在ジャマイカ米国大使館が気象警報を発出していた。 普段からハリケーンの被害を受ける地域に住んでいるアドリエンヌでさえ、今回のハリケーンの接近を知らなかったという。 彼女は「ハリケーンが来るとわかっていたら、絶対に(ジャマイカに)来なかった。私はハリケーンの被害を受ける場所に住んでいるので、わざわざハリケーンに突っ込んだりしない」と語った。