CCレモンに含まれるビタミンCの量が6年ぶりに変わった理由

4月中旬、東京都心で今年初の夏日を観測した日の夜、私は外を散歩していた。

家からただ遠くへ進むように歩き、そろそろ折り返そうかと思ったところにスーパーがあったため飲み物を買うことにした。

500mlペットボトルのCCレモンを買った。もうこんな爽やかな飲み物が飲みたくなる季節になっている。

やがて来る猛暑の気配に思いを馳せると同時に、ある表記を見て私は驚いた。

「レモン30個分のビタミンC」

CCレモンは、その名のとおりレモンの酸っぱさを味わいながらビタミンCを補給できる炭酸飲料である。

そんな最大の特徴であるビタミンCの含有量については、30年を超える歴史の中で度々のリニューアルが行われてきた。

350ml缶で登場した1994年発売当時は500mlに換算してレモン70個分のビタミンCが入っていた。そこから2013年のリニューアルでレモン50個分になり、2020年にレモン40個分となったのがこれまでの経緯であった。(いずれも500mlを基準とした数字。私は2020年の切り替わりのタイミングで注目した経験がある)

そんな歴史を経て、2026年最新のCCレモンに書かれていたのは「レモン30個分のビタミンC」。

「6年ぶりに変わった」、そして「また減った」と思った。

まずCCレモンの立場を守るために言っておきたいが、レモン30個分のビタミンCが摂れるだけでも十分多いしありがたい。実際にレモンを30個も食べようものなら、酸で歯や粘膜がやられてしまう。

そのうえで、ビタミンCの含有量変更を世代交代と表現するならば、これまで三世代連続で減っていることになる。

ごく単純な疑問だが、なぜ減るのだろうか?

そもそも我々は食品のあれこれが減ることに慣れすぎている。馴染みの商品が減ったり小さくなったり薄くなったりしても、今やその経済的な背景が誰にも想像できてしまうという悲しい事情もある。

今回のビタミンC減少についても「物価高」「コスト削減」という観点は容易に挙げられる。しかしビタミンCの使用量を削ったところでどれほどのコストカット効果があるかは不明だし、何より商品名にも関わる最大のアイデンティティが減り続けるというのは不自然ではないか?

皮肉っぽくなってしまうが、リニューアル=改善と捉えたうえでこれまでの事実をそのまま受け取ると、「ビタミンCは少なくした方が良いの?」とまで思えてしまう。それほど、まるで積極的な目標をもって減らしているような印象だ。

前回のリニューアルがあった2020年当時、私はビタミンC含有量の変更に関してサントリーへ問い合わせていた。

その際にいただいた回答には「ビタミンCの量を調整することで『後口のすっきりさ』を実現し、レモンの酸味を際立たせ、後切れのよい香味設計にした」という言葉があった。そのとき私はたしかに新しいCCレモンのほうがうまいと感じており、わずかなビタミンCの調整が味に影響を及ぼすことに驚いた記憶がある。つまり「ビタミンCを減らして良かった」ということだ。

このようにコスト削減ではなく味の向上のためにビタミンCを減らしたという実績と成果はある。

しかし今回は、ビタミンCが減った理由を考えにくくさせるもう一つの大きな変化があった。

「栄養機能食品」の表示が追加されていることである。これは今までのCCレモンにはなかった。

「(ビタミンC)」とあるから、ビタミンCの含有量が一定の基準に達している飲料としてアピールしているのだろう。

しかし、なぜ今なのか?

わざわざビタミンCを減らしたタイミングでこの表記が追加されることに違和感がある。性格の悪い見方をすれば「隠れ蓑」という言葉も浮かんだが、そうだとしても、これまで表記していなかった理由が分からない。

「栄養機能食品」というカテゴリは決して最近生まれたわけではない。いつからか出てきた「機能性表示食品」よりは先に存在していたと記憶している。CCレモンはビタミンCを減らしてもなお栄養機能食品を名乗ることができるなら、もっと前から名乗っていてもいいのに……。

そんな栄養機能食品の根拠たるビタミンCの含有量を見てみよう。

500mlあたり600〜1000mgとある。

ビタミンCとレモンの換算においては、ビタミンC 20mg=レモン1個分とするルールが適用されている。

つまり下限の600mgがレモン30個分ということになる。ラベルに分かりやすく書かれていた情報だ。

しかし上限を見れば1000mgであり、こうなればレモン50個分のビタミンCが入っていることになる。

……そうなの?

最新世代はレモン50個分のときもあるのか? だとしたら一世代前はレモン40個分だったから、むしろ場合によっては増えていることになるぞ。

なぜこのように戸惑っているかというと、これまでCCレモンの栄養成分表示においてビタミンC含有量が幅をもって表記されることはなかったからだ。

これは私が過去にあれこれ調べたときにデータを保存していた一世代前のCCレモンの成分表示だ。この時点でビタミンCは「160mg」(100mlあたり)という単一の数値で表記されていた。それが今回のリニューアルから幅をもって表記されるように変わったことになる。

この変化について「最新のリニューアル以降、含まれるビタミンCの量にブレが生じるようになった」と捉えることもできるが、600mg〜1000mgという値はただのブレとするには違和感を覚えるほどの幅だし、製造工程に相応の変化があったとは考えにくい。「果汁1%」であることも以前から変わらない。

つまり「ブレはもともとあったけど、表記の方法が変わった」と考える方が自然だ。そうなると栄養機能食品としてのルールも関わってくる問題かもしれない。

想像だけで真相にたどり着くには限界がある。

なぜビタミンCは減ったのか。

なぜビタミンCが減ったタイミングで栄養機能食品を名乗るようになったのか。

この答えを知るためにリサーチを始める。

サントリーによるニュースリリース

まず、今回の変更についてサントリーがニュースリリースを出しているかを確認する。

これまでのCCレモンのリニューアルではリリースが出ないこともあったのだが、今回は出ていた。

ロングセラーブランドの「C.C.レモン」が栄養機能食品にリニューアル 「デカビタC ゴッドチャージ」が機能性表示食品に!

3月17日(火)より「C.C.レモン」を栄養機能食品としてリニューアル発売

今回、「C.C.レモン」が発売以来変わらず大切にしてきた、“ビタミンCを美味しくたっぷり補給できる”という価値を持ちながら、栄養機能食品としてリニューアルします。 中味は、栄養機能食品の基準を満たすビタミンC量を配合し、満足感のある甘みはそのままに、レモン感の広がりを強化。すっきりとした後味でごくごく飲んでリフレッシュできる中味に進化しました。また、パッケージ上部に「栄養機能食品(ビタミンC)」と記載することで、機能が一目で分かるように工夫しました。

リリースでは、CCレモンが新たに栄養機能食品として販売されることが強調されている。

「栄養機能食品の基準を満たすビタミンC量を配合し」との記述はあるが、レモン40個分から30個分に減ったことについては言及されていない。まあ新情報をアピールする場面でわざわざスケールダウンを感じさせる書き方はしないから妥当だ。

リリース内容からは、ビタミンCが減った理由や今このタイミングで栄養機能食品になった背景を察せなかった。

では、今回のリニューアルのメイントピックとされている「栄養機能食品」について調べてみよう。

栄養機能食品とは何か

以下、消費者庁HPに掲載されるリーフレットより引用する。

栄養機能⾷品は、1⽇に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不⾜しがちな場合、その補給のために利⽤できる⾷品です。

国による個別の審査を受ける必要はなく、既に科学的根拠が確認された栄養成分を⼀定の基準量含んでいれば、栄養成分の機能を表⽰することができることとなっています。

栄養機能食品とは、「特定保健用食品」「機能性表示食品」と同じく国によって定められた表示制度の一つで、ざっくり言うなら日常の食事で十分に摂取できない栄養を狙って補給するための食品とのことだ。

届け出や審査は不要で、基準を満たしていれば独自に表示できるらしい。あくまで特定の栄養成分が含まれることを示す制度であり、商品固有の機能を謳うわけではないから比較的カジュアルなのだろう。

ただ独自に表示できるとはいえ、表示内容のルールはある。

消費者庁による内閣府令『食品表示基準』に表示すべき項目の一覧があった。

▼第二章 第一節 第一款 第七条より(タップで開く)

1 栄養機能食品にあっては、次に掲げる事項を表示する。 一 栄養機能食品である旨及び当該栄養成分の名称 二 栄養成分の機能 三 一日当たりの摂取目安量 四 摂取の方法 五 摂取をする上での注意事項 六 バランスのとれた食生活の普及啓発を図る文言 七 消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨 八 一日当たりの摂取目安量に含まれる機能に関する表示を行っている栄養成分の量が栄養素等表示基準値に占める割合 九 栄養素等表示基準値の対象年齢及び基準熱量に関する文言 十 調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては、当該注意事項

十一 特定の対象者に対し注意を必要とするものにあっては、当該注意事項

なにやら細かく書かれているが、これは何かというと……

ラベルのここである。要するに「どんな機能を持つどんな成分がどれぐらい入っていて、どれぐらい摂取すべきなのか」という情報だ。

私がいま調べていることに関連しそうなのは「八 一日当たりの摂取目安量に含まれる機能に関する表示を行っている栄養成分の量が栄養素等表示基準値に占める割合」だろうか。

成人は1日に100mgのビタミンCを摂取することが望ましいとされているから、600mg〜1000mgを含むCCレモン1本では一日目安量の600%〜1000%が摂取できると書かれている。

ここまでCCレモン史におけるビタミンCの減少にフォーカスしてきたから、「今のCCレモンってビタミンC少ないのか」といった印象を抱いてしまう方もいるかもしれないが、それは誤解だ。相対的に減少しているだけで、絶対量としては決して少なくない。

最新のCCレモンですら「一日に摂りたいビタミンCの6倍〜10倍を含んでいる」ということを改めて認識しておきたい。

ちなみに、栄養成分表示が「100mlあたり」から「500mlあたり」に変更されていることもこれに関連するだろう。要するに「ペットボトル1本分を飲んだときのビタミンC摂取量」がひと目で分かるようになったわけだ。

従来の表記(100mlあたり)のメリットとしてはどのサイズの商品でも表記を統一できるという点があるから、いずれの選択も納得できる。

ビタミンCの基準量は?

さて、栄養機能食品のルールは「栄養成分を⼀定の基準量含んでいれば栄養機能食品として販売できる」というものだった。

これに関してビタミンCの基準量を見てみる。先ほど参照したリーフレットに詳しい数値が載っていた。

ビタミンC  下限値30mg

下限値30mgということで、600mgのビタミンCを含むCCレモンは十分に基準を満たしていることが分かる。

ただ、それ以上に注目すべき情報があった。

ビタミンC  上限値1000mg

なんと上限値があるのだ! 下限値を超えていればOKなのかと思いきや、超えてはいけないラインも設定されていた。

最新のCCレモンに含まれるビタミンCは600mg〜1000mgだから、上限値ギリギリで条件を満たしていることになる。

「今回ビタミンCを減らして上限値ギリギリということはつまり……」などと考えもしたが、一世代前のCCレモンでも800mgだから基準の範囲内なのである。さらにもう一つ前の世代まで遡っても1000mgだから上限ぴったりで範囲内だ。

うーん。謎の尻尾は掴めそうで掴めない。

ビタミンC含有量の表示方法

そういえば、最新CCレモンの「ビタミンC含有量が幅をもって表示されるようになったこと」に関してまだ具体的な情報を見つけられていなかった。

先ほどの内閣府令『食品表示基準』を探ってみたところ、次のような記述を見つけた。

▼第二章 第一節 第一款 第七条より(タップで開く)

(下記引用範囲では「たんぱく質、脂質、炭水化物」を対象として説明されているが、ビタミンCについてもこの条文を参照するよう記述されている)

1 栄養成分の量及び熱量は、次に定める方法により、当該食品の百グラム若しくは百ミリリットル又は一食分、一包装その他の一単位(以下この項において「食品単位」という。)当たりの量を表示する(特定保健用食品及び機能性表示食品について表示する場合を除く。)。この場合において、当該食品単位が一食分である場合にあっては、当該一食分の量を併記する。 一 たんぱく質、脂質、炭水化物の量及び熱量にあっては当該栄養成分又は熱量である旨の文字を冠した一定の値又は下限値及び上限値により、ナトリウムの量にあっては食塩相当量(ナトリウムの量に二・五四を乗じたものをいう。以下同じ。)の文字を冠した一定の値又は下限値及び上限値により表示する。 二 一の一定の値又は下限値及び上限値は、別表第九の第一欄の区分に応じ、同表の第二欄に掲げる単位(食塩相当量にあってはグラム)を明記して表示する。

三 一の一定の値又は下限値及び上限値は、当該一定の値にあっては、別表第九の第一欄の区分に応じ、同表の第三欄に掲げる方法によって得られた値が当該一定の値を基準とした同表の第四欄に掲げる許容差の範囲内にある値、当該下限値及び上限値にあっては、同表の第一欄の区分に応じ、同表の第三欄に掲げる方法によって得られた値が当該下限値及び上限値の範囲内でなければならない。ただし、当該一定の値にあっては、同表の第一欄の区分に応じ、同表の第三欄に掲げる方法によって得られた当該食品百グラム当たりの当該栄養成分の量又は熱量(清涼飲料水その他の一般に飲用に供する液状の食品にあっては、当該食品百ミリリットル当たりの当該栄養成分の量又は熱量)が同表の第五欄に掲げる量に満たない場合は、〇と表示することができる。

ここで注目したい点を要約する。

・成分量は「一定の値」または「下限値及び上限値」で表示する。(=幅を持たせてもいいし、持たせなくてもいい

・幅を持たせる場合は、その表示範囲内にある値でなければならない。

幅を持たせない場合は、成分ごとに定められた許容差の範囲内にある値でなければならない。

まず、成分量は幅を持たせても持たせなくてもいいと分かった。これは栄養機能食品であるかどうかに関係ない。つまり新しいCCレモンにおいては、栄養機能食品としての義務でそうしたわけではなく、幅を持たせる表示へ変更することをサントリーが選択したということだ。その理由は分からない。

一方で、幅を持たせず一つの数値で表示する場合には「ブレもあるだろうけどこの程度に収めなさいよ」という許容範囲が設定されていることが分かった。つまり一つの数値で表示されていた従来のCCレモンにおいても、許容範囲内での実質的なブレが存在していたと考えられる。

では、その許容差が記載されているという同資料内の表を確認しよう。

ビタミンC プラス八十パーセント、マイナス二十パーセント

ビタミンCの許容差は「+80%」「-20%」とのことだ。

つまり、実際に含まれているビタミンCは表示上の数値より80%多くてもよく、20%少なくてもよい。

どうだろうか。私は一つ思ったことがある。

+80%ってかなり大きくないか?

製造の都合で基準ぴったりに入れることが難しいのは分かる。そして栄養を求める人に対して表示より少なく嘘をついてしまうのはいけないから、多い側に余裕を持たせたいことも分かる。

しかし本当に+80%も余裕が必要なのか? マイナス側は20%なのに? 現代の食品・飲料メーカーの技術をもってそこまでの誤差をコントロールできないとは考えがたい。

あるいはこの80%という数字はルールとして一応存在しているだけで、製造現場としては意味を成していない過剰なバッファだったりするのか?

ここでビタミンC以外の成分についても見てみると、その許容差には違いがあった。

たんぱく質 プラス・マイナス二十パーセント

たんぱく質はプラマイ20%だ。そのほかにも脂質、炭水化物、糖質、糖類、食物繊維、ナトリウム(食塩相当量)、熱量(カロリー)など馴染みの栄養成分が同じく±20%で許容されていた。

これだけの種類のものが20%の誤差で調整できるなら、ビタミンCだって無理はないんじゃなかろうか? 改めて80%という数字の異質さが際立つ。

ただ、たんぱく質などについては製造上のブレを許容するというより、むしろ20%以上のブレを許さないという意味のほうが強く感じる。例えば塩分が表示量のプラス80%で含まれていたとしたら、摂取を抑えたい消費者が困ってしまうだろう。

見方を変えれば「ビタミンCはそこそこ多めに摂取しても問題ない」と捉えられるわけだ。そもそも栄養機能食品としての上限値も一日あたりの摂取目安量の10倍に設定されているわけだし。

とはいえ、これほど大きな許容差が設定されていることへの疑問は消えない。

何がそんなにビタミンCの許容差を大きくさせるのか。

何がそんなにビタミンCのコントロールを難しくさせるのか。

より具体的に考えるなら、製造工程でビタミンCの量を制御しきれない要因は何かということだ。

そうは言っても工場の仕組みとか全然知らないしな……

一体何なんだ、製造時にコントロールできない要因って……

……ん?

「製造時に」コントロールできない……?

…………

もしかして……

商品が完成してから、ビタミンCの量が変わる……?

商品製造後のビタミンC量の変化

『事業者向け食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 第5版』という資料を見つけた。

消費期限又は賞味期限内でどの商品をとっても、一定の値の場合は許容差の範囲内(下限値及び上限値の場合はその範囲内)にある必要があります。例えば、以下例のように、栄養成分が変化したりバラツキがある場合は、注意が必要です。

【例】 賞味期限内で栄養成分の量が減る

このように、事業者向けのガイドラインでは、製造後の商品における栄養成分の減少が示唆されていた。

さらに以下の資料。これは内閣府に設置されている消費者委員会で開かれた「栄養表示に関する調査会」における内容だ。

ビタミンCの場合、誤差の許容範囲はプラス80%・マイナス20%となっているが、これは食品事業者がビタミンCは食品製造後、光や酸素の影響を受けて継時的に減衰することを考慮し、その賞味期間の間、表示値の80%を下回らないよう、ビタミンCの配合量を多くすることがあり、そのためにコンプライアンス分析で得られた分析値が表示値のプラス80%に及ぶ場合があることのためであろう。エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物およびナトリウムに関しては、経時的な減衰はないため、プラス・マイナスが20%になっていると考えられる。

光や酸素の影響によって、ビタミンCはほかの栄養素よりも減衰しやすいことが書かれている。「直射日光を避けて保存してください」という表記はその影響を防ぐ意味もあるのだろう。

これではっきりした。

製品に含まれる

ビタミンCは

時間とともに

減るのだ!

そして上記資料では、減っても基準値内に収まり続けるように製造段階でビタミンCを多めに入れることがあることや、そのために+80%という許容差が妥当である旨も書かれている。

調べると、製造後の減衰を見込んであらかじめ多めに成分を入れることを「過量仕込み(増し仕込み)」というらしい。きっとCCレモンでも例に漏れず過量仕込みが行われているはずだ。

つまり「600〜1000mg」という幅を持った表示は、「ものによって600mgだったり1000mgだったりしますよ」という意味ではなく、「製造時点でこの商品には最大1000mgのビタミンCが入っていますが、光や酸素の影響などによって600mgまで減る可能性がありますよ」という意味として捉えたほうがいいということだ。

これによって、今回のテーマである「なぜCCレモンのビタミンC含有量が減ったのか」「なぜこのタイミングで栄養機能食品になったのか」という謎の答えにつながる情報が揃った。

情報の整理と結論

これまでの情報を整理しよう。

栄養機能食品の基準値には上限がある。ビタミンCの場合は1000mgだった。

新たに栄養機能食品となった最新のCCレモン(500ml)に含まれるビタミンCは600〜1000mgで、基準の上限いっぱい入っている。

対して従来のCCレモンに含まれるビタミンCは160mg/100ml、つまり800mg/500mlとなり、これでも基準値内だった。

しかし従来のCCレモンはこのとおり幅を持たない単一の数値による表示だった。

単一の数値による表示の場合、実際に含まれるビタミンCの量には許容範囲がある。それはビタミンCの場合「-20%〜+80%」である。

許容範囲がプラス側に多く取られている理由は、商品製造後にビタミンCが光や酸素の影響で減衰しやすいためである。

その許容範囲にしたがって、メーカーは製造時に多めにビタミンCを入れることがある。

つまり800mg/500mlのビタミンCを含むと表示される従来のCCレモンでも、実際はもっと多くのビタミンCが入っていたと考えられる。

その実質的な数値を推測してみる。

【考え方1】

最新のCCレモンには600mg〜1000mgのビタミンCが入っており、その下限である600mgに対応して「レモン30個分のビタミンC」と表示されている。

ビタミンC含有量は1000-600で400mgの上下幅がとられている。この上下幅を「製造後の減衰を見込んだ過量仕込みの量」と仮定する。

一世代前の「レモン40個分のビタミンC」に対応する800mgという数値を実質的に変化するビタミンC量の下限と想定し、これに対して最新のものと同じく400mgの上下幅を当てはめると、1200mgとなる。

すると、一世代前の実質的なビタミンC含有量は800〜1200mgと推測される。

【考え方2】

最新のCCレモンには600mg〜1000mgのビタミンCが入っており、その下限である600mgに対応して「レモン30個分のビタミンC」と表示されている。

600mgを基準(±0%)とした場合、上限1000mgは+67%の数値になる。この比率を「製造後の減衰を見込んだ過量仕込みの割合」と仮定する。

一世代前の「レモン40個分のビタミンC」に対応する800mgという数値を基準(±0%)とし、これに対して+67%を当てはめると、1336mgとなる。

すると、一世代前の実質的なビタミンC含有量は800〜1336mgと推測される。

このように推測された数値を参考にすれば、いずれの場合でも栄養機能食品としての上限値1000mgを超えることになる。

したがって、「今回ビタミンCが減った理由」「いま栄養機能食品になった理由」に対する答えは……

「リニューアル以前のCCレモンは栄養機能食品として売るにはビタミンCの量が多すぎたため、減らした」

これが私の結論であり仮説だ。

「ビタミンC含有量が減った」「栄養機能食品になった」がそれぞれ独立の項目として同じタイミングで起こったのではなく、「栄養機能食品にするためにビタミンC含有量を減らした」というのが真相なのではないかと考える。

……と、ここまで自由に書いてきたがいずれも私の憶測に過ぎない。

CCレモンの正しい真実を知るため、製造元のサントリーに問い合わせて事実を確認しようと思う。

問い合わせる

記事として公開することを前提に取材を申し込む。

▼質問内容とその意図内容は後にも記述するため今読まなくても大丈夫)

栄養機能食品としてリニューアルしたCCレモンについてのご質問です。(数値は500ml製品を基準とします)

【Q1】新しいCCレモンではビタミンC含有量の表示方法が変更されています。特に「レモン◯個分」の個数は40個分から30個分に減少していますが、実際のビタミンC含有量も同じく調整されていますでしょうか?あるいは、表示方法・表示内容のみの変更でしょうか?(以下、実際に調整があったものとしての質問です)


【Q2】その調整は、新たにCCレモンを栄養機能食品として販売するにあたり、製品におけるビタミンC含有量の上限値を、制度の基準量の上限値に合わせて調整した結果でしょうか?


【Q3】従来のCCレモンでは、製造後のビタミンCの減衰を見込んだ工程により、栄養機能食品の基準としては上限値を超えるビタミンCが含まれることもありましたか?


【Q4】ビタミンC含有量の表示について、これまでは一定の値で表示されていましたが、現行品では下限値および上限値で表示されています。この変更にはどのような意図がありますでしょうか?

【Q5】30年以上販売されてきたCCレモンを栄養機能食品としてリニューアルするに至った背景や、このタイミングでリニューアルした理由などありましたらお聞かせいただきたいです。また、ほぼ同時期に「ギルティ炭酸NOPE」が発売されましたが、こちらとの兼ね合いや棲み分けの狙いなどはありますでしょうか?

【Q1の意図】成分表示欄におけるビタミンC含有量が幅を持った表示(600〜1000mg)に変更されており、従来のビタミンC含有量(800mg)もその範囲内に含まれている。つまり、「レモン◯個分の表記は変わったが実際のビタミンC含有量は変わっていない」という可能性もありえるため、それを確認する。

【Q2の意図】「栄養機能食品として販売するためにビタミンCを減らしましたか?」

【Q3の意図】「従来のCCレモンでは(表示上は800mgでしたが)過量仕込みを伴う製造によって実際は1000mgを超えるようなビタミンC量を含んでいましたか?」

【Q4の意図】「どうしてビタミンCの成分表示が幅を持つようになったのですか?」

【Q5の意図】「なぜ今この時代にCCレモンを栄養機能食品としてリニューアルしたのですか? NOPEの登場は影響していますか?」

上記5つの質問を添えて、メールを送信した。

サントリーからの回答

メールを送って数日。

3世代のCCレモンの缶を並べて眺める遊びをしていたら、質問への回答が届いた。

では、それぞれの質問と回答を一つずつ紹介しよう。

Q1.新しいCCレモンではビタミンC含有量の表示方法が変更されています。特に「レモン◯個分」の個数は40個分から30個分に減少していますが、実際のビタミンC含有量も同じく調整されていますでしょうか?あるいは、表示方法・表示内容のみの変更でしょうか?(以下、実際に調整があったものとしての質問です)


A.ビタミンC量も調整しています。

ここまで私は言及していなかったが、実はこれまでに見えていた情報だけだと「最新のリニューアル後も実際のビタミンC量は変わっていない」という可能性があったのだ。(表示上、リニューアル前の800mgは現在の600〜1000mgに含まれるため)

この回答によって実際にビタミンCの量も減っていると確認できた。

その前提でここまで色々と考えていたので問題なく先に進める。

Q2.その調整は、新たにCCレモンを栄養機能食品として販売するにあたり、製品におけるビタミンC含有量の上限値を、制度の基準量の上限値に合わせて調整した結果でしょうか?


A.今回栄養機能食品の制度基準に準じて設計しております。

「ビタミンCが減った理由は、栄養機能食品の基準値の上限に合わせたからですか?」という質問。私の仮説に対する直接的な答え合わせだ。

ややぼかされた回答だが、今回のビタミンC量調整にあたっては栄養機能食品の基準が関わっているとのことである。

「制度基準に準じた設計」の結果が「減少」であるならば、「制度に合わせてビタミンCの量を減らした」とも読める。そうなれば私の仮説を支えてくれる情報だ。

しかし「今回の商品設計は制度に適合しています」と言っているだけとも読めるのでなんとも言えない。

Q3.従来のCCレモンでは、製造後のビタミンCの減衰を見込んだ工程により、栄養機能食品の基準としては上限値を超えるビタミンCが含まれることもありましたか?

A.具体的な含有量の数値については、商品設計上の考え方も含まれるため、 公式にはお伝えしておりません。

この質問は「従来のCCレモンでは製造後の減衰を見込んだ工程によって1000mg(栄養機能食品の基準上限値)を超えるようなビタミンC量が含まれていましたか?」という意味で、Q2とほぼ同じ内容だ。少し角度を変えることで仮説の答え合わせを念入りに試みた質問だったが、残念ながら教えてもらえなかった。

しかし回答がないのは当然である。もしここで「はい/いいえ」と答えたならば、もともと表示のなかった1000mgという具体的な数値について「それ以上/以下のビタミンCが含まれていた」という製造上の大きなデータを開示することにもなる。ちなみに従来のCCレモンは栄養機能食品ではないから超えていても一切問題はない。

こういうガードの固さからは大企業としての顔が窺えて嬉しい。

Q4.ビタミンC含有量の表示について、これまでは一定の値で表示されていましたが、現行品では下限値および上限値で表示されています。この変更にはどのような意図がありますでしょうか?

A.今回の商品設計に対して、関連法規を遵守するように表示しております。

今回の注目ポイントのひとつである「どうしてビタミンCの成分表示は単一の数値でなく幅を持つようになったのか?」という質問だったが、「ルールを守っています」というなんだか芯のない回答をされてしまった。

もしかしたら何か言いづらい理由があるのだろうか。あるいはただ言う必要がないと判断されただけか。

しかし目に見える表記方法に変更があったことは事実なのだから、その背景は知りたいものだ……。

どうしても腑に落ちないのでこれについては改めて質問することとする。

Q5-1.30年以上販売されてきたCCレモンを栄養機能食品としてリニューアルするに至った背景や、このタイミングでリニューアルした理由などありましたらお聞かせいただきたいです。

A.近年のビタミンC市場の拡大と、少し疲れた時にビタミンCを求めて「C.C.レモン」を飲用されるお客様の気持ちに寄り添うため、栄養機能食品としてリニューアルを行い、健やかなレモン炭酸として果汁炭酸市場の活性化に貢献したいと考えたからです。

炭酸飲料において、美味しさだけではなく、健康的な価値提案に魅力を感じるお客様も一定数いらっしゃることから、サントリーのロングセラー有糖炭酸飲料として、「デカビタC」の機能性表示食品へのリニューアルタイミングに合わせて、新たに栄養機能食品を訴求したいと考えました。

今このタイミングでCCレモンが栄養機能食品となったことについては、「近年のビタミンC市場の拡大」に合わせた狙いと「果汁炭酸市場の活性化に貢献したい」考えがあるとのことだ。いち消費者としてはいずれも全く認識したことのなかった市場だが、言われてみればそういう市場に位置するような商品は想像できる。

「サントリーのロングセラー有糖炭酸飲料として、デカビタCの機能性表示食品へのリニューアルタイミングに合わせて」という説明もある。冒頭で引用したニュースリリースに併せて記載されていたが、デカビタも今回機能性表示食品としての製品が生まれていたのだった。

歳を重ねた2人が同じタイミングで健康を意識し始めるなんて、まるで中年期を迎えた人間のようだ。

Q5-2.また、ほぼ同時期に「ギルティ炭酸NOPE」が発売されましたが、こちらとの兼ね合いや棲み分けの狙いなどはありますでしょうか?

A.ロングセラーブランドである「C.C.レモン」では、これまで培ってきたおいしさに加え、新たに栄養機能食品を訴求し健康価値との両立をより一層目指しています。

その一方で、「NOPE」は既存の炭酸飲料の枠にとらわれず、新たな価値観やニーズを開拓する商品として位置づけており、普段健康や人間関係を気にして生活しているが、時々あえて欲望に溺れることでストレスを溶解したいというニーズに着目した商品です。

それぞれが異なる役割を担うことで、炭酸飲料市場における選択肢の広がりを提案していきたいと考えています。

2026年3月、CCレモンのリニューアルと同月に発売されたギルティ炭酸NOPEとの関係を問うてみた。

直接的な関係は窺えなかったものの、それぞれの役割が異なるという点では同じ時代に存在する価値があるということだろう。

あと、NOPEが狙っている「ストレスを溶解したいというニーズ」が社会に存在していることを知らなかった。

「ストレスを溶解」。体内に溜まったストレスという溶質をNOPEという溶媒に溶かしたいという意味だろう。そうしてできた尿という溶液を体外に放出できると考えれば、たしかになんだか体によさそうだ。

私が想像していたストレスは大きい塊で、それを解消するにはハンマーのようなもので打ち砕くイメージだったが、化学的・生理的な処理方法もあるんだな。

発売30年を超え健康価値を標榜するようになったCCレモンと、欲望に溺れさせたい若手のNOPE。

そういうカップリングに見えてきた。

さて、送った質問に対して届いた回答は以上だ。いろいろ聞くことはできたが、話をまとめる前に一つだけどうしても確認したいことを改めて質問する。

「ビタミンCの成分表示が単一の数値でなく幅を持つようになった理由」だ。

いただいた回答では「ルールを守っています」といなされてしまったが、こちらの見解も添えて詳細に掘り下げてみる。

Q4につきまして、当方でも事前にリサーチしていたのですが、栄養機能食品における成分表示のルールとしては「一定の値」でも「下限値上限値」でも問題ないと認識しております。

つまり従来の表示方法(一定の値)のままでも栄養機能食品としての販売は可能なのではないかと思いつつ、しかしながら下限値上限値で表示されるようになった理由が気になっている次第です。

図々しいお願いであることを承知の上ではございますが、ぜひ可能な範囲でこちらの変更に関する背景をお聞かせいただけますと幸いです。

わざわざ追加で質問してまで「どうしてビタミンCの成分表示が幅をもつようになったんですか!?」と追いすがる消費者の姿である。

「もっと知りたい、でも嫌われたくない」という気持ちが滲んで見える。恋愛だったら負けムーブだ。

こんな人をいちいち相手にしなきゃいけないんだから広報担当者は大変。ごめんなさい。でも知りたいんです。

そしてまた後日、回答をいただいた。

その理由は実にシンプルで、これまでに調べた情報があれば十分想定できる内容だった。

ビタミンC含有量の表示について、これまでは一定の値で表示されていましたが、現行品では下限値および上限値で表示されています。この変更にはどのような意図がありますでしょうか?

ビタミンCは1点表示を行った場合も含有量が表示の+80%、-20%の幅までは許容されますが、1点表示を行うと栄養機能食品の上限を越えて配合しているように誤認される可能性がございますので今回幅表示としています。

つまり、「600mgとだけ書くこともできるけど、それだと一般的なルールとして600×1.80=1080まで含めることも実質できるわけで、栄養機能食品の基準を逸脱している疑念も持たれかねないから、先んじて最大値も明記しました」ということだ。

私としてはサントリーがルールを破る懸念など一切持っていないのだが、消費者の中には成分表示とかを細かく調べて重箱の隅をつつく奴(私)もいるから、完璧にぬかりない表示方法を選択することになったんだろう。これも大企業らしい堅守の様である。

完全に納得の理由だった。聞けてよかった。

そして、この回答には続きがある。

なお、今回の含有量および表示に関する変更は、あくまでより良い中味づくり・味わいづくりを目指した取り組みが起点となっています。より心地よくリフレッシュしていただけるよう、すっきりとした爽やかさを強化し、レモン感と飲みやすさのバランスが取れた香味設計としています。

この文章を見て、しばらくぼーっとしてしまった。

あくまでより良い中味づくり・味わいづくりを目指した取り組みが起点となっています。

私はこれまで、過去との比較や制度上の数字の事情をあれこれ調べて都合を考えていた。

そういう話じゃない。

結局、「もっとおいしくしようと開発したらそうなった」ということなのだ。

もちろん、メーカーとしての本当の事情を明らかにした回答かは分からない。しかし本音だろうと建前が含まれていようと、「私たちが一番に求めるのは味です」という姿勢が表明されたことに心を打たれた。

それが飲み物を売る会社の矜持ということか。

栄養や成分がどうとかではなく、味なんだな。

記事のタイトルである「CCレモンに含まれるビタミンCの量が6年ぶりに変わった理由」も、これが答えだ。

「もっとおいしくなるように設計したらそうなった」

総括

私の仮説では「栄養機能食品として売ること」のために「ビタミンCの調整を行った」という順番だったが、サントリーとしては「おいしさの追求」を目指したうえで「栄養機能食品として売ること」の選択肢も同時に存在し、それを選んだということだった。

仮説が成立するためには「従来のCCレモンは栄養機能食品の基準値を超えるビタミンCを含んでいた」という点が明らかになる必要があったが、Q3の回答のとおり、これについては根拠を得ることができなかった。ただ、逆に言えば「以前のCCレモンでも基準内だった」という情報はないし、表示される数値に対して+80%まで許されるルールがある以上、仮説が完全に否定されたわけでもない。

私の見える範囲の情報をもとにした考察ではこのように推測することもできる。そういう遊びの終着点としては十分満足できるところまで考えることができた。

なお、今回引用した資料はサントリーのリリースを除き、全て政府機関のドメインで公開されているものである。税金を使ってまとめられた情報を私の好奇心の発散に利用できたと思えば多少は元を取れた気分だ。

そして、栄養機能食品として販売することの意味について。

栄養機能食品の基準を満たしたとて、栄養機能食品を名乗る義務はない。それでもCCレモンは栄養機能食品となった。

似たところの商品を見てみると、オロナミンCやMATCHだってビタミンCの含有量は基準値内だ。それでも栄養機能食品を名乗っていないということは、名乗ることがメリットだらけということでもないのだろう。

栄養機能食品の義務として表示されている内容には「1日当たりの摂取目安量」「1本(500ml)を目安にお召し上がりください」「1日の摂取目安量を守ってください」というものがある。これまでのCCレモンにはこんな制限はなかった。

もうこれからは、1.5リットルのCCレモンを1日で飲み切ることも推奨されないのだ。そんなの、欲望に溺れさせたいNOPEが見たら何と言うだろうか。

1日に2本3本と飲まれていくMATCHやオロナミンCを横目に見ながら「いいんだ、私は。明日また飲んでくれれば……」と拳を握るCCレモンに、NOPEはどんなに甘ったるく囁きかけるのだろうか。

それでも栄養機能食品としてビタミンCの摂りやすさをアピールすることを選んだのがCCレモンだ。ビタミンC市場における1人の買い手として、その決断を賞賛したい。

今後の注目ポイント

最後に、これからもCCレモンという商品と楽しく付き合っていくための注目ポイントをご紹介しよう。

CCレモンには派生商品がたびたび生まれる。

みかん、ゆず、はちみつりんご、ベリーなどのフレーバー系もあれば、クエン酸2700mgを含んだ商品や、なんとビタミンC濃度2倍を掲げる商品が販売されていたこともあった。

このたび栄養機能食品としての道を歩み始め、ビタミンC量の上限値という制限を持つようになったCCレモンだが、亜種としてビタミンC増量バージョンが出る可能性はあるんじゃないかと考える。

さっきは栄養機能食品としての覚悟について大げさに語ったが、むしろ今回のリニューアルをきっかけに変わり種がたくさん出るようになったら嬉しい。

もう一つ、ぜひ街を歩くときに意識してみてほしいのが「自動販売機における缶のCCレモン(350ml)」の存在だ。

私は東京在住で、CCレモンに注目し始めた2020年以降ずっと観察しているが、かつて取り扱われていた自販機内でも徐々に姿を消すようになり、2024年以降だと東京都内では3台しか見かけていない。

しかし同年以降の大阪ではたった3度の訪問で30台以上も観測した。きっと大阪に住んでいる皆さんは、いま自動販売機で缶のCCレモンが販売されていることに対して驚きを抱かないのだろう。なんと東京ではそんな光景はなかなか見られない。

「缶のCCレモンとペットボトルのCCレモンは一つの自販機に同居しない」という原則もある(缶の特別フレーバーなどは同居しうる)のだが、とはいえ「東京の缶」のように大阪でペットボトルのCCレモンに出会いにくいかというとそんなことはなく、単にCCレモンは大阪でより強く支持を集めている印象が強い。

遠出をした際はローカル商品に注目するのも楽しいが、このように全国で販売されている商品の地域差や趨勢に目を向けてみるのもおすすめだ。

ついでに紹介すると、かつては「自販機限定430mlサイズ」というものがあったのだが、現在はなくなり、自販機でも500mlで販売されている。

ペットボトルの形状は自販機バージョン独自のもので、くびれがない。マシンに補充して提供する上での都合じゃないかと思う。

そういえばいつからか自販機限定430mlサイズは姿を見かける機会が減り、昨年ごろから「増量」として500mlで販売されるのを見かけることがあった。思えばあれは今こうして正式に500mlで販売するための布石だったのかもしれないなあ。

ちなみに自販機のショーケースに並ぶ見本は、中身がリニューアルされた後もしばらくは過去のバージョンが残ることが多い。

今回のリニューアルでは「レモン◯個分」の表示内容が変わったため、「見本には34個分と書いてあったけど買って出てきたのは30個分だった!」ということもありうるだろう。

そんなことがあっても、まあ大目に見てやってほしい。

レモン30個分でも一日目安量の6倍のビタミンCが摂れるわけだし、それに実際はきっとさらに多くのビタミンCを含んで製造されているのだから。

その数、なんと最大でレモン50個分。

お手に取ったら新鮮なうちにぜひ。

(終)

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