新沢かれん容疑者「大手金融内定」は取り消しか 被害女性が9000円明細公開

アルバイト先のスポーツ施設で利用客のクレジットカードを盗み、不正利用した疑いで逮捕された慶應義塾大学4年の新沢かれん容疑者(22)に、大手金融機関の内定が出ていたと報じられた。8月21日には、自身も被害に遭ったと訴える女性が約9000円分の利用明細を公開した。

女性自身は8月20日、新沢容疑者の知人の話として、2027年春から大手金融機関で勤務する予定で、すでに内定を得ていたと報じた。ただし、同記事にある「今回の逮捕で間違いなく内定取り消しでしょう」との見方も知人の発言であり、内定先の企業や労働問題の専門家が示した判断ではない。

内定の事実そのものも、本人や企業による公表ではなく、匿名の知人証言に基づく。8月21日時点で企業名は明らかにされておらず、企業が内定を取り消したとの公式発表も確認されていない。

新沢容疑者は8月16日、窃盗と詐欺の疑いで逮捕された。FNNプライムオンラインによると、新沢容疑者は4月、東京都渋谷区のスポーツ施設で受付に保管されていたマスターキーを持ち出し、50代の女性客のロッカーからクレジットカードを盗んだとみられている。そのカードで化粧品2点、約1万4000円相当を購入した疑いもある。

新沢容疑者はカードについて「更衣室で拾った」と窃盗容疑を一部否認し、不正利用については「商品が欲しいと思って衝動的にカードを使った」と話しているという。施設のほかの利用客からも総額約100万円の被害が確認されており、警視庁は新沢容疑者との関連を調べている。

さらに週刊女性PRIMEは8月21日、ゴルフインフルエンサーのかおるこさんが「3月にクレジットカードを盗まれ、不正利用された」とSNSで明かしたと報じた。公開された明細には、無印良品の5948円と、東京・田園調布のパン店「ジャン・フランソワ」の3052円が記され、合計は9000円だった。かおるこさんは盗難の翌日にカードを止めたとしている。この申告は4月の逮捕容疑とは別の被害で、新沢容疑者との関連を捜査当局が確認したとの発表は出ていない。

同誌の取材に対し、勤務先だった施設は「警察の発表がすべて」とし、新沢容疑者の人物像や今後の対応について回答を控えた。

厚生労働省は、採用内定には法律上の一律の定義がなく、実態もさまざまだと説明している。内定通知後に労働契約を結ぶための別の意思表示が予定されていない場合などは、就労開始時期と取消事由を定めた労働契約が成立したと認められることが多い。

労働契約が成立していれば、企業による内定取消しは解雇にあたる。労働契約法16条により、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効となる。

最高裁は1979年7月20日の大日本印刷事件判決で、内定当時に企業が知ることができず、知ることも期待できなかった事実を理由とし、解約権を留保した目的に照らして客観的に合理的で、社会通念上相当と認められる場合に限って取消しを認める基準を示した。

厚生労働省が紹介する日本電信電話公社事件では、現行犯逮捕後に起訴猶予となった内定者について、行為の内容から職場秩序を乱し業務を妨げる具体的な危険があるとして、内定取消しが認められた。判断材料となったのは逮捕の事実だけではなく、行為の内容と業務への適格性との関係だった。

関連記事: