携帯性に全振りした12インチMacBookから、MacBook Neoに乗り換えた結果とは
2015年から2017年にかけて発売されていた、12インチのMacBookをご存知でしょうか。スペックは控えめで、画面もちょっぴり小さい。でも、その分フットワークを優先させた、1kgを切る軽量さとコンパクトさが最大の魅力でした。
Apple(アップル)の公式サポートが終了した現在でも使い続けている根強いファンが多く、ぼくもその1人。動画編集は厳しいまでも、その圧倒的な機動力を活かして、外出先で記事を執筆したりブラウジングをしたりする「文字打ちデバイス」としてフル活用していたんです。
しかし、10年近くも愛用すればバッテリーの物理的な劣化には逆らえません。もともとIntel CPUということもあってバッテリー持ちが優秀な機種ではありませんでしたが、最近では、満充電して持ち出しても2時間程度しか持たない状態に。いよいよバッテリー交換しようかな…と悩んでいた矢先、飛び込んできたのがMacBook Neoの発表でした。
スペックは、MacBook AirやProと比較すると控えめとのこと。でも、自宅にはM4 Pro搭載のMac miniが鎮座していますし、もともと外出先でハードな作業はしません。バッテリー持ちがよくて、今よりちょっとサクサク動いてくれれば御の字なわけです。よし、これだ!ということで、発売日にTouch ID付きのモデルを即ポチしました。
そこで今回は、ぼくと同じように12インチMacBookからMacBook Neoへのリプレイスを検討している方に向けて、約1カ月間じっくり使って見えてきた「12インチMacBook(2017年モデル・Core i5・メモリ8GB)」とのリアルな比較をお届けしたいと思います。
処理性能は別次元、比較すら野暮
Photo: SUMA-KIYOまず処理性能ですが、もうね、これは比べ物にならないほど進化しているので具体的なベンチマーク比較なんてナンセンスです。
ざっくり言えば、12インチでは軽い動画編集すら息絶え絶えだったのが、Neoなら4書き出しスピードこそ少し遅いものの、編集なら4Kでもそこそこ快適にこなせてしまいます。ブラウジングやメールなどの日常操作に至っては、比較にならないほど爆速! 自宅のM4 Pro Mac mini(メモリ24GB)と体感的にほとんど変わらないんじゃないか?ってくらいキビキビ動いてくれます。
Photo: SUMA-KIYOまた、12インチでは自宅のMacを遠隔操作するのもカクついて厳しかったのですが、Neoならネット回線さえ速ければサクサク動かせました。動画のレンダリングや書き出しといった重い作業だけ、遠隔操作で自宅の母艦に投げちゃう、なんて使い方もアリですね。
バッテリーの持ちも、言わずもがな最高です。100%の状態で持ち出せば、1日ハードに使い倒しても帰宅時にまだ40から50%は残っているという安心感。一泊二日の出張くらいなら充電器は家に置いていけます。
ただ、動画の書き出しなどパワーのいる処理をするとさすがに減りが早くなるので、重い作業が多い人はお守り代わりに充電器を持っておいたほうがいいかもしれません。
画面サイズとキーボード
Photo: SUMA-KIYO左:MacBook Neo 右:MacBook 2017(12インチ)画面サイズに関しては、12インチと13インチでそこまで劇的な差は感じませんでした。というか、正直「どっちも狭い」というのが本音です。
広い作業領域を求めるなら、素直に15インチ以上のモデルを選ぶべきでしょうね。
Photo: SUMA-KIYO上:MacBook 2017(12インチ) 下:MacBook Neo(Touch ID搭載モデル)さて、気になるキーボードです。12インチは悪名高きバタフライキーボードを採用していました。初期モデルは故障報告の嵐でしたが、ぼくの愛機は最終型ということもあって一度も故障せず、あのペチペチとした極薄のキーストロークも実はそんなに嫌いじゃないんですよね。
一方、Neoのキーボードは、Apple純正の外付けキーボード「Magic Keyboard」と見た目も打鍵感もそっくりそのまま。比較的浅めのキーストロークは好みが分かれるところですが、ぼくは自宅のメイン機でもMagic Keyboardを愛用しているので、全く同じタイピング感を外でも共有できるのはめちゃくちゃうれしいポイントでした。
Photo: SUMA-KIYOTouch IDはかなり快適バックライトは非搭載ですが、キートップが明るい色なので液晶画面の明るささえあれば、多少暗いシーンでも全く問題なく打ててしまいます。そもそも12インチ時代からバッテリー温存のためにバックライトは常にOFFに設定していましたし、あればうれしいけれど、なくても別にいいかな…というのが正直なところです。
トラックパッドについては、クリック感に少し違いはあるものの、サイズはほぼ同じ。可もなく不可もなく、といった具合でスムーズに移行できました。
音質の向上と待望の2ポート
Photo: SUMA-KIYOMacBook Neoスピーカーの進化も驚きでした。12インチはキーボードとモニターの間にスピーカーがあってモノラル仕様。音質もシャカシャカと軽く、お世辞にも良い音とは言えません。ところがNeoは左右の側面にスピーカーが配置されていて、音の広がりをしっかり感じることができます。ボリュームを上げても音が破綻して割れることもありません。
外部端子も進化しています。12インチがUSB-C(USB 3.1 Gen 1)たった1つというストイックな仕様だったのに対し、NeoはUSB-Cが2つ(3.0と2.0)に増量。ハブを使わずに、充電しながらもう1つのポートで周辺機器を繋げる。この当たり前の幸せが身に沁みました。
軽さ重視の12インチ信者がNeoを許したワケ
Photo: SUMA-KIYOMacBook Neo(高さ1.27cm、幅29.75cm、奥行き20.64cm)MacBook 12インチ(高さ0.35〜1.31cm、幅28.05cm、奥行き19.65cm)続いて、ルックスと重量についても整理しておきましょう。2台を重ねてみると、13インチのNeoは当然ながら一回り大きくなっています。
厚みは一番太い部分でほぼ同じですが、12インチは手前に向かって薄くなるウェッジシェイプなので、視覚的には12インチのほうが圧倒的に薄く見えます。
Photo: SUMA-KIYOそして重量。1,230gと920gでは、持った感覚がまるで違います。正直なところ、Neoはかなりずっしり感じます。ぶっちゃけ、ここが一番残念なポイントでした。
せめて1kg程度に収めてほしかった…! ぼくのように今でも12インチを愛用している人の多くは、メイン機を別に持っていて、携帯性特化のサブ機として12インチを選んでいるはずです。もしNeoが1kgを切る12インチサイズで出ていたら、それこそ泥酔していなくてもノールックでポチっていたでしょう。
とはいえ、バッテリー持ちが桁違いに向上したおかげで、これまで必須装備だった充電器やモバイルバッテリー、ケーブル、ハブ類を持ち歩く必要がなくなりました。カバンの中身の総重量で考えれば、以前とあまりかわっていない気もします。
Photo: SUMA-KIYOMacBook Neo「だったらさっさと重量の近いAirにでも買い換えればよかったのに」という声も聞こえてきそうですが、なんといってもNeoは10万円(9万9800円)を切る価格ですからね(Touch ID付きでも11万4800円)。この圧倒的なコストパフォーマンスを前にすれば、多少の重さも「まぁいいか」と思えてしまうから不思議です。
12インチMacBookを外に持ち出すことは今後おそらくないと思いますが、Apple歴代最軽量にして、最も洗練されたデザインのMacBookとして、ぼくのデスクの隅に誇らしく飾っておこうと思います。
長い間、本当にお疲れさま。そしてありがとう。
これからよろしく、MacBook Neo。