「お兄ちゃんが撃たれた!!」 夢を追い留学したアメリカで殺害された兄 弟が語る“消化できない”苦しみ 前編
兄がアメリカでカージャックに遭い殺された男性が、先月 犯罪被害者支援公開講座で、自身の経験と被害者支援への思いを語りました。 【写真を見る】「お兄ちゃんが撃たれた!!」 夢を追い留学したアメリカで殺害された兄 弟が語る“消化できない”苦しみ 前編 講演したのは弁護士の伊東秀彦さんです。 伊東さんは、1994年、アメリカ・カリフォルニア州へ留学中だった兄・拓磨さん(当時19歳)が、カージャックに遭い、殺害されるという事件に見舞われた被害者遺族です。 当時、伊東さんは中学生でした。 伊東さんの家族は、父、母、兄、伊東さんの4人家族で、いわゆる「平凡な一家」だったといいます。 6歳年上の拓磨さんは、幼い頃から喘息やアトピー性皮膚炎に苦しみ、夜中に病院へ駆け込むこともしばしばありました。伊東さん自身も幼心に、拓磨さんがゼイゼイと息苦しそうな様子を何度も見ていたのを覚えていると言います。 さらに、いじめも受けており、そうした苦しみの中で拓磨さんにとって救いになったのが【映画】でした。 高校を卒業した1993年8月、拓磨さんはアメリカで「映画制作を学びたい」と留学しました。現地での生活は充実していたようで、拓磨さんは「本当にアメリカに来て良かった」と話し、両親も「これまでの本人の苦労が報われた」と感じていたんだそうです。 しかし、その日常は突然、破壊されます。 1994年3月、2人組の犯人がスーパーマーケットの駐車場で、車から出た拓磨さんをいきなり押し倒しました。 そして財布を取り上げ、頭に銃を突きつけます。 拓磨さんは「撃たないで」と懇願したものの、後頭部の至近距離から発砲されたのです。 事件の一報は、日曜日の朝に外務省から届きました。 母は「お兄ちゃんが撃たれた!!」と叫び、その直後にはマスコミが玄関に殺到していて、一家は裏庭から成田空港へ向かい、マスコミに囲まれながら出国したといいます。 現地の病室で拓磨さんと対面したとき、父は「親不孝ものが!」と叫び、母は「たっくん、たっくん」と呼び続けました。 伊東さんはただ呆然としていたといいます。