ECBが金利据え置き、4会合連続 インフレ見通し一部上方修正
[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は18日に開いた理事会で、政策金利を据え置くと決定した。据え置きは4会合連続で、予想通り。同時に発表した景気予測では、成長率とインフレ率の見通しを一部上方修正した。これにより、近い将来の利下げの可能性はなくなった可能性が高い。
ECBは声明で「特に内需のけん引により、経済成長は9月時点の予測よりも力強くなると予想される」とした。
見通しがより明るくなったことで、投資家の間ではすでに、ECBの金融緩和サイクルが終了したとの見方が広がっている。
次回の金利変更は利上げとなる可能性が高いかとの質問に対し、ECBのラガルド総裁は、政策担当者らは「いかなる変更についても決まった日付はない」ことで一致していると回答。ECBは今後発表されるデータに応じて会合ごとに政策決定を行うとし、特定の金利経路を事前に約束するものではないとの方針を繰り返した。
さらに、「われわれが直面している不確実性の高さを考えると、将来の見通しを示すことは到底できない」とも述べた。
この日の理事会は、グリニッジ標準時午前9時過ぎという異例の早さで終了した。ラガルド総裁は「全員一致の見解だった」と述べた。
ECBは声明で、不透明な世界経済の見通しがユーロ圏の成長の足かせとなると指摘し、域内各国の政府に対し経済の効率性と競争力を高める改革を進めるよう改めて呼びかけた。
関係筋によると、ECBの政策当局者らは来年は金利を据え置くと予想しているが、戦争や米国のハイテクバブルなど不確実性が依然として高すぎるため、いずれの方向にも動く可能性を排除することはないという。
ロイター調査によると、エコノミストの大半は、ECBが2026年と2027年にかけて金利を現状維持すると予想している。ただし27年の予想レンジは1.5%─2.5%と広い。
BNPパリバのチーフエコノミスト、イザベル・マテオス・イ・ラーゴ氏は「現実的には、今後数回の会合でECBがどちらの方向に動くにしても、ハードルはかなり高いだろう」と語った。
市場では、ECBが利下げサイクルを終了したとの見方が強まったものの、初回利上げの時期予想の前倒しには至っていない。
ラガルド総裁の発言を受け、トレーダーらは当初、2027年3月までに利上げが行われる可能性が50%以上あるとの見方を織り込んだ。しかし、その後にこの動きは一部解消し、ECBの発表以前と同程度の30%程度まで後退した。
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