THEOS-1衛星が捉えた最新浸水状況~アユタヤなどタイ中部4県で約1,300平方キロが冠水

タイ国家宇宙機関 GISTDA は、2025年11月12日に高解像度衛星「THEOS-1」で撮影した最新画像を公開し、アユタヤ県を中心に、中部4県で広範囲の浸水が続いていることを発表しました。衛星解析による浸水面積は 合計約1,300平方キロ(約13万ヘクタール) に達し、農地や住宅地、主要交通路への影響が拡大しています。

■アユタヤは12郡で浸水 県内だけで約648平方キロ

最も影響が大きいのはアユタヤ県で、約648平方キロが浸水しました。被害はセーナー、パックハイ、バーンサイ、バーンパイン、バーンバーン、ラートブアローン、バーンパハン、バーンパイン、ナコーンルアン、プラナコーンシーアユタヤ、ウタイ、ワンノーイの 12郡に広がっています。

■アントーン、スパンブリ、ナコーンパトムも浸水

アントーン県では 約4.7平方キロ が冠水。スパンブリ県では 約517平方キロ に浸水が確認され、バンプラマー郡、ソーンピーノーン郡、ムアン郡が影響を受けました。

また、ナコーンパトム県バンレン郡では 約132平方キロ が浸水しています。

■衛星画像が示す「濁水=新規浸水」「濃色=長期浸水」

THEOS-1 の衛星画像では、茶色の水域:土砂を含む“新たな浸水”濃い色の水域:長期間滞留している浸水

と区別され、地域ごとの状況を詳しく把握できます。

今回の解析により、河川近くの低地だけでなく、住宅地や農地へ広く浸水が広がっていることが確認されました。

■GISTDA「被害把握と対策に活用」

GISTDA は、今回の衛星データが各自治体の被害評価、排水作業、救援活動の判断に役立つと説明しています。浸水が続く地域については観測スケジュールを調整し、今後も継続的に衛星データを提供していく方針です。

最新の浸水状況は、GISTDA が運用する災害情報ポータル「Disaster Information Portal」で確認できます。

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