「まさに高市バブル」 自民がYouTube席巻、変わる選挙とSNS
「逃げません、ぶれません」。高市早苗首相が笑顔を交えながら語り掛ける自民党YouTubeチャンネルの動画広告が、公開された1月26日から2月7日午後7時までに1億5300万回以上再生されるなど、選挙戦の話題をさらった。
この動画以降、自民党チャンネルは数十本の動画を公開しているが、いずれもサムネイル画像やタイトルで高市首相の存在感が際立った。
それだけではない。YouTube上には衆院選期間中、第三者が特定候補に目を付けて動画を量産する「切り抜き」があふれていたが、自民党に関連する動画では高市首相を肯定的に取り上げる動画が急増した。
「まさに高市バブル」
立命館大の谷原つかさ准教授(社会情報学)はYouTube空間の様子をそう表現し、衆院選を振り返った。
切り抜き動画が「ジャック」
――昨年の参院選に引き続いて、今回の衆院選でもYouTubeなどの動画SNS(交流サイト)が存在感を増しています。
◆YouTubeは日本の選挙の風景を変えたと言っていいと思います。
2020年代に入ってから、選挙では特にX(ツイッター)の影響力が注目されてきました。しかしX上でどれだけ批判されても実際の選挙では自民が勝っており、Xのトレンドは投票結果とはあまり結びつきませんでした。
潮目が変わったのは24年です。東京都知事選でSNS動画が注目された石丸伸二氏が次点に食い込むという「石丸現象」が起き、続く衆院選で今度は国民民主党・玉木雄一郎代表がYouTube上などで支持を広げる「玉木現象」が起きました。昨年の参院選では参政党が同様のトレンドを作り出しました。
本人たちも多くの動画を配信しましたが、より決定的にYouTube空間で影響力を示したのは第三者による切り抜き動画です。
――切り抜き動画は有権者の投票行動に影響するのでしょうか?
◆いわゆる「切り抜き職人」たちが特定候補に目を付けて動画を量産すると、その候補者の動画が急増し、YouTube空間が「ジャック」されたような状態になります。結果として、少なからず投票行動に影響を与えている可能性があります。
<後半で読める内容は> ・「高市アゲ」動画が急増 ・過去にもあった政治系動画の席巻 ・YouTubeは今後も選挙戦の「戦場」に
・あふれる「切り抜き動画」への接し方