国立大の半数が付属校を縮小 神戸大や弘前大で統廃合や学級削減
全国の国立大で、付属校の規模を縮小する動きが進んでいる。
教員養成系の56国立大・学部でつくる日本教育大学協会によると、国立大が法人化された2004年度以降で9大学が付属校を統廃合し、半数の28大学が学級数を削減した。
急速な少子化に加え、国立大の財政難が影響しているとみられる。
国立大付属校は主に教員養成を目的としており、教員養成学部か学科を設ける大学は大学設置基準で小中学校設置が義務付けられている。
Advertisement本体の大学に通う学生の教育実習を受け入れ、教員らは教育に関する研究に協力する。
先進的な教育を受けられる一方で私立ほど学費がかからないため、保護者らから人気がある。
文部科学省の学校基本調査によると、25年度は幼稚園48(こども園も含む)▽小学校66▽中学校67▽義務教育学校6▽高校15▽中等教育学校4▽特別支援学校45――の付属校が存在する。
日本教育大学協会の調査では、04年度以降に付属校を統廃合したのは神戸大など9大学。学級数を削減したのは18年度までに17大学だったが、25年度までに弘前大など28大学に増えた。
幼稚園15▽小学校13▽中学校6▽高校2▽特別支援学校1▽義務教育学校1――の計38校で削減された。
奈良教育大は26年度から法人化以降で初めて、付属小・中学校の学級数を削減する。
担当者は理由について「国が配分する運営費交付金が減少傾向で法人運営は厳しく、大学でも経費削減や資金獲得を試行錯誤している。付属校も削減せざるを得なかった」と説明する。
国の財政健全化の一環で、運営費交付金は約20年で13%減った。消費税率の引き上げや物価・人件費の上昇が重荷となり、教育研究活動の維持が困難な状況に追い込まれている。
26年度予算案で9年ぶりに増加に転じたが、文科省の担当者は「増額したとしても楽観できる状況ではない」としている。
付属校の教員で組織する全国国立大学付属学校連盟の彦坂秀樹事務局長は、学級数の削減の背景について「各大学の事情が異なるため一概には言えない」とした上で「(国が配分する)運営費交付金が減っている中で、財政面の悪化は大きな要素になっているとみられる」と話す。
千葉大の藤川大祐・教育学部長は、付属校だけでは教育実習に対応できず、公立校に受け入れてもらっていると明かし、「付属校の学級数を減らすことで教育実習先の確保がさらに困難になる」と指摘。教育研究の観点からも「実践の場が不足する」と強調する。【木原真希】