愛子さま巡る中曽根氏発言で見え隠れ 女性の怒りを呼ぶ価値観
10日に衆院を通過し、近く参院で可決、成立する見通しの皇室典範改正案を巡り、ある国会議員の発言が物議を醸しました。発言から半月がたった今も、女性たちを中心とした批判の声はやむことはありません。
何が女性たちの怒りを呼んでいるのか。取材した安部志帆子記者が改めて論考しました。
古い固定観念にこそ、危機感持て
安部志帆子(政治部)
皇室典範改正案の議論が活発化していた6月下旬、自民党の中曽根弘文・憲法改正実現本部長が、天皇陛下の長女愛子さまによる皇位継承は「あり得ない」と述べ、「愛子さまが天皇になったら、結婚する人もいない」などと言及した。
中曽根氏はその後、「言葉が適切でなかった」などと釈明したが、一連の発言を撤回することはなかった。
問題の発言は6月28日に富山県高岡市であった講演で飛び出した。
共同通信が公開した講演の音声によると、「愛子天皇」を望む声が多いことに触れ、「あり得ない。愛子さまもお気の毒だ。自分が(天皇に)なれないのに、そういうこと言われて」と発言。
「天皇陛下になるということになったら、結婚する人もいない。いないというか、いるかもしれませんけど基本的には難しい。そして愛子さまも、男性のお子さんを産まなきゃならないという、すごいプレッシャーもかかる」などと述べた。
釈明すれど撤回はせず
発言が問題視されると、中曽根氏は翌29日、愛子さまがマスコミや世間から注目されている状況から「ご結婚もなかなか難しくなっていくんじゃないかと個人的な感想、心配の気持ちを持ったから述べた。愛子さまの幸せな人生は私自身ももちろん当然願っている」と釈明した。
ただ、自身の発言は撤回せず、記者団の質問を受けている最中に笑みをこぼす場面もあった。
今国会では皇室典範の改正を巡って、与野党で議論が続けられてきた。中曽根氏は、各党が集まる全体会議に自民を代表して参加するメンバーだ。
「あり得ない」発言は、現行の皇室典範の規定で、愛子さまに皇位継承の資格がないことを踏まえた発言で、中曽根氏も反省の弁を述べている。
むしろ、一連の発言で私が最も問題だと考えるのは…