【調査資料】公益法人日本駆け込み寺及び田中芳秀氏について（続き）

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前回の続きです。

今回は、浜田聡事務所より国会図書館へ調査依頼し、得た回答内容を抜粋してご紹介します。

【依頼内容】

公益社団法人日本駆け込み寺及び田中芳秀氏について１可能な範囲で国又は自治体の補助事業や委託事業の請負状況２同団体ないし、田中氏のこれまでの政府の関与状況

３田中氏の他肩書き等

【回答】

※一部の資料について、ここではタイトルのみのご紹介としているものがあります。

１国又は自治体の補助事業や委託事業の請負状況

資料①の記事等によると、公益社団法人日本駆け込み寺（以下「団体」）には東京都及び新宿区から以下の補助金等が交付されているとされます。

〇東京都「若年被害女性等支援事業」資料①及び東京都のウェブサイト（資料②③）によると、令和5年度と令和6年度に、

「東京都若年被害女性等支援事業」として補助金が交付されています。

〇新宿区「子ども未来基金」「歌舞伎町安全・安心対策事業助成」資料①及び新宿区のウェブサイト（資料④）によると、令和4年度から令和6年度まで、団体による子ども食堂の取組に対して、「新宿区子ども未来基金」から助成金が支給されています。また、新宿区議会議員のウェブサイト（資料⑤）によると、令和4年度に「歌舞伎町安全・安心対策事業助成」（資料⑥）として助成金が支給されています。

【資料】

①「《6300万円以上の補助金交付》トー横支援「日本駆け込み寺」事務局長がコカイン所持容疑逮捕で“薬物の温床疑惑”が浮上代表理事が危険視していた「女性との距離」」2025.5.24. NEWS ポストセブンウェブサイト

《巨額補助金交付》トー横支援「日本駆け込み寺」事務局長がコカイン所持容疑逮捕で“薬物の温床疑惑”が浮上代表理事が危険視していた「女性との距離」｜NEWSポストセブン - Part 3

②「東京都若年被害女性等支援事業の補助事業者（令和6年度）」東京都ウェブサイト

東京都若年被害女性等支援事業|女性福祉施策|東京都福祉局

③「東京都若年被害女性等支援事業の補助事業化（令和5年6月19日更新）」同上（W ARP（国立国会図書館インターネット資料収集保存事業）より（2024年4月8日時点））

④「新宿区子ども未来基金を活用した助成活動」新宿区ウェブサイト

新宿区子ども未来基金を活用した助成活動：新宿区

⑤「事務局長がコカイン所持で逮捕された「日本駆け込み寺」に、新宿区から合計252万円の補助金が支払われていたことが、渡辺やすしの独自取材で明らかに！」2025.5.24.渡辺やすし新宿区議会議員ウェブサイト

事務局長がコカイン所持で逮捕された「日本駆け込み寺」に、新宿区から合計283万円の補助金が支払われていたことが、渡辺やすしの独自取材で明らかに！ | 渡辺やすし＠新宿区議会議員 38歳完全無所属

⑥「歌舞伎町に集まる若者・女性の犯罪被害等の防止に向けた新たな支援策」（令和４年第2回区議会定例会記者会見参考資料2）新宿区ウェブサイト

https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000339785.pdf

２政府との関係

省庁のウェブサイト等から、団体や田中氏と政府との関わりとして、以下の事案が確認されました。

〇厚生労働省第177回市町村セミナー（令和7年1月）（資料⑦）

・田中氏が「新宿歌舞伎町に集まる“トー横キッズ”の OD の現状」について報告

〇内閣府規制改革推進会議健康・医療・介護ワーキング・グループ

・令和6年11月、田中氏が「歌舞伎町に集まる若年者から見る市販薬濫用の実態と施策」について報告（資料⑧）

・令和5年11月、当時の団体代表理事が「歌舞伎町に集まる若年者から見る市販薬濫用の実態と施策」について報告（資料⑨）

〇小倉内閣府特命担当大臣（こども政策等）（当時）が団体を訪問（令和5年7月）（資料⑩）

〇法務省が主唱する「社会を明るくする運動」の広報・啓発イベント（平成29年7月）（資料⑪）

・団体代表が団体の活動を紹介また、自治体との関係としては、東京都（資料⑫）の会議に団体が参加している事例が確認されました。

【資料】

⑦「第177回市町村セミナー資料」厚生労働省ウェブサイト

第177回市町村セミナーの資料について｜厚生労働省

⑧「第3回健康・医療・介護ワーキング・グループ議事次第」内閣府ウェブサイト

第３回健康・医療・介護ワーキング・グループ議事次第 : 規制改革 - 内閣府

⑨「第１回健康・医療・介護ワーキング・グループ議事次第」内閣府ウェブサイト 2/ 3

第１回健康・医療・介護ワーキング・グループ議事次第 : 規制改革 - 内閣府

⑩「小倉こども政策相「トー横」エリアを視察「安心できる居場所を」支援団体の実態調査へ」2023.7.4. FNNプライムオンライン

小倉こども政策相「トー横」エリアを視察「安心できる居場所を」支援団体の実態調査へ｜FNNプライムオンライン

⑪「第67 回“社会を明るくする運動”中央行事「立ち直りフェスティバル」（7月1日（土））」法務省ウェブサイト

法務省：第６７回“社会を明るくする運動”中央行事「立ち直りフェスティバル」（７月１日（土））

⑫「「トー横」における青少年の被害等の防止に係る情報連絡会の開催」東京都ウェブサイト

「トー横」における青少年の被害等の防止に係る情報連絡会の開催|2月|都庁総合ホームページ

３田中氏の他団体における役職等

田中氏は、日本駆け込み寺以外に、同団体と同じく玄秀盛氏が代表を務める一般社団法人「青母連（青少年を守る父母の連絡協議会）」の活動にも参加しています。資料⑬の記事によれば、同氏の役職は、「2025年4月1日から（中略）玄秀盛代表理事との共同代表理事」とされます。なお、令和6（2024）年10月の新聞記事では、同氏の役職は「事務局長」と紹介されていました（資料⑭）。

【資料】

⑬「〈日本駆け込み寺事務局長がコカイン所持の容疑で逮捕〉立ちんぼ、ホス狂い対策に“全力対応”も相談者の女性と吸引…代表理事は「万死に値する」「返せ俺の人生」と怒り心頭」2025.5.20. 集英社オンライン

〈日本駆け込み寺事務局長がコカイン所持の容疑で逮捕〉立ちんぼ、ホス狂い対策に“全力対応”も相談者の女性と吸引…代表理事は「万死に値する」「返せ俺の人生」と怒り心頭（集英社オンライン） - Yahoo!ニュース

⑭「歌舞伎町の買春客待ちなくそう」『東京新聞』2024.10.11.

田中氏は、元々はライターとして公益社団法人「日本駆け込み寺」に取材をしに訪れていたが、2021年秋ごろからボランティア活動を始め、その後相談員を務めるようになっていったようです（資料⑳）。その後、「日本駆け込み寺」や一般社団法人「青少年を守る父母の連絡協議会」（青母連）で事務局長や理事、共同理事等を務めていたことがあると思われます。時期や媒体によって異同があるため、いくつか列挙して以下にお示しします。特に、資料⑲は玄秀盛氏（「日本駆け込み寺」代表）からのメールの抜粋を掲載しており、今年度の田中氏の肩書については最も詳細に記載しています。それによると、2025年4月1日以降、田中氏は「公益社団法人日本駆け込み寺・事務局長」であるとともに、「一般社団法人青母連・玄秀盛代表理事との共同代表理事」であったということです。

▼公益社団法人「日本駆け込み寺」における肩書 ⑮ 事務局長と紹介する記事

「日本駆け込み寺逮捕の事務局長利用者にコカイン使用勧めたか」2025.5.22.NHKウェブサイト

日本駆け込み寺逮捕の事務局長利用者にコカイン使用勧めたか事務所を捜索警視庁 | NHK | 事件

⑯理事と紹介する記事

「日本駆け込み寺について」 2024.10.31. note

日本駆け込み寺について｜公益社団法人・日本駆け込み寺

⑰理事兼事務局長と紹介する記事「授業紹介【社会問題概観】」2025.2.6. 昭和女子大学ウェブサイト

授業紹介【社会問題概観】│昭和女子大学人間社会学部現代教養学科

▼一般社団法人「青少年を守る父母の連絡協議会」（青母連）における肩書

⑱ 事務局長と紹介する記事資料4. 「日本外国特派員協会で合同記者会見をしました」2023.12.11. 一般社団法人青母連ウェブサイト

日本外国特派員協会で合同記者会見をしました – 一般社団法人青母連

資料5. 「歌舞伎町ホスト業界の自浄作用に「強い疑問」、被害者支援団体「青母連」事務局長が指摘する「世間とのズレ」」2024.1.2. 弁護士ドットコムニュース