〈目撃〉シャチとイルカが狩りで協力、驚きの連携プレー おそらく初の記録映像
シャチとカマイルカが協力して狩りをする驚くべき連携プレーが撮影された。シャチがイルカを追って海に潜り、狩りをする様子を研究者グループが太平洋北東部で克明に捉え、2025年12月11日付けの学術誌「Scientific Reports」で報告した。撮影機材はドローンとシャチに取り付けたカメラで、シャチ(Orcinus orca)とカマイルカ(Lagenorhynchus obliquidens)が協力して狩りをする映像が撮影されたのはおそらく初と論文の著者らは考えている。 【動画】シャチとイルカが狩りで協力、驚きの連携プレー ある動画では、シャチがサケを捕まえたあとにイルカが姿を現す。「シャチがサケを噛み砕くと、口から肉片がこぼれ、血とウロコが煙のように広がります。すると、おこぼれを狙ってイルカがやってきます」。論文の筆頭著者で、カナダ、ノバスコシア州にあるダルハウジー大学海洋学部助教のサラ・フォーチュン氏はそう話す。 これが新しい行動なのか、以前からずっと行われてきたことなのかは、まだわからない。このような発見が可能になったのは、ドローンや軽量水中カメラといった技術の進歩のおかげで、動物の生態を詳しく観測できるようになったからだろう。ただし、これを食料不足の兆候ではないかと懸念する専門家もいる。
太平洋北東部のシャチには3つのグループが存在する。それぞれ外見、生息地、食性が異なる。専門用語では、このグループを生態型(エコタイプ)という。 「哺乳類を食べる『移動型』は、アザラシ、アシカ、イルカ、大型のクジラなどを狙います。それよりも珍しい『沖合型』のシャチは、サメや魚を食べます」と、米カリフォルニア州を拠点とする「オーシャニック・リサーチ・アライアンス」の海洋生態学者、ジョシュ・マッキネス氏は説明する。なお氏はこの研究に関わっていない。 今回の研究対象となったのは、3つめのタイプ、すなわち魚を食べる「定住型」のシャチだ。 「このタイプは、キングサーモン(Oncorhynchus tshawytscha)(マスノスケ)というほぼ一種類のサケを食べるように進化しています」と、カナダ野生生物連盟の首席研究者として大型のクジラの保護にも携わっているフォーチュン氏は話す。 このサケは絶滅が危惧されているため、北部定住型のシャチが十分な食料を得られているかを調査することになった。 そこで、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの沖にいるシャチに、吸盤型のロガー(タグ)を取り付けた。ロガーにはシャチの視点に合わせた前向きのカメラが搭載され、数時間後に外れるようになっている。さらにドローンを使って、シャチを上空からも撮影できるようにした。