インド、米ロ首脳会談前に原油調達先多角化急ぐ-2次関税を懸念

Serene Cheong、Rakesh Sharma

  • 米のロシア原油への圧力の行方にらみ、業界は会談に注目

海上輸送のロシア産原油の世界最大の輸入国インドが、15日の米露首脳会談を前に調達先の多角化を急いでいる。

  トランプ米大統領は、ロシアの戦争を助長しているとして、インドに割安なロシア原油の購入をやめるよう要求し、インド産品への関税を倍増させた。この措置を受け、世界第3位の石油消費国であるインドの製油業者は調達計画の見直しを迫られている。

  インドの国営石油精製業者は今週、米国からの早期の圧力をきっかけに始まった買い付けラッシュを拡大し、9-10月の即納用の非ロシア原油を大量に購入した。インド石油会社バーラト石油は米国のほか、ブラジルや中東など世界各地から原油を調達している。

  こうしたスポット購入は、サウジアラビアのような長期契約供給元からの調達に加わる。サウジは9月積みとして、約2250万バレルをインドに輸出する見通しで、アナリティクス会社クプラーのデータによると、これは2024年9月以来の高水準だ。

  リライアンス・インダストリーズやナヤラ・エナジーなど民間精製業者は、当面の間は一部を長期契約で調達しつつ、ロシア産原油の購入を続ける見通しだ。一方、国営精製業者は10月積みのスポット調達を控えている。

  アラスカで15日行われるトランプ氏とロシアのプーチン大統領の会談は、米国がロシア産原油販売への圧力を緩めるのかどうか、手がかりを探る業界関係者の注目を集めている。インドは長年ロシアと緊密な関係を保っており、ロシア外務省は13日、インドのジャイシャンカル外相が21日にモスクワでラブロフ外相と会談するとX(旧ツイッター)に投稿した。

  ロシア産原油の購入を続けたいインドの輸入業者は、トランプ氏の制裁を恐れる銀行や物流パートナーの慎重姿勢に直面している。関係者は、こうした懸念を踏まえ、民間業者の一部が規模の小さい銀行や中国人民元、さらには「ダークフリート」と呼ばれるタンカーを使い、ロシア産原油の調達を増やす可能性があると述べた。

インドは15日の米ロ首脳会談を前に、ロシア産以外の原油調達先の多角化を急いでいる

原題:India Scours the Globe for More Oil Ahead of Trump-Putin Summit(抜粋)

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