「日産GT-R」の特別仕様車「スペシャルエディション」を全世界限定100台、日本では1050万円で発売のMY13【今日は何の日?7月22日】

一年365日。毎日が何かの記念日である。本日7月22日は、日産自動車のモンスタースポーツ「GT-R」の特別仕様車「GT-Rスペシャルエディション」が誕生した日だ。宝石のような深みのある特別塗装色ミッドナイトオパールのボディ色やドライカーボン製リアスポイラー、チタンカラーコートを施した鍛造アルミホイールなどで、GT-Rの魅力をさらに高めた。 TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・日産 GT-Rのすべて

2013(平成25)年7月22日、日産自動車はMY13(モデルイヤー)ベースの特別仕様車「GT-Rスペシャルエディション」を全世界に向けて100台限定で販売を始めた(発表は7月16日)。熟練した匠の手による緻密な磨き込みによる宝石のような美しいボディが最大の特徴であり、その他にも専用のリアスポイラーやアルミホイールなどでスペシャル感が演出された。

2013年にデビューした「日産GT-Rスペシャルエディション」 1969年にデビューした初代「スカイライン2000GT-R」。3代目ハコスカで初めてGT-Rを設定

名車スカイラインのハイスペックモデルとして誕生した「スカイラインGT-R」は、1969年の誕生以来日本のスポーツモデルをけん引する存在として輝き続けたが、1999年に登場した5代目(R34型)で一旦生産を終了。そして、5年のブランクを経て2007年に登場したのが、スカイラインの冠が外れた日産GT-R(R35型)だった。

2007年にデビューしたR35型「日産GT-R」。スカイラインの冠が外れた

GT-Rでは、エンジンがそれまでの2.6L直6ツインターボ(RB26DETT型)から、3.8L V6 DOHCツインターボ(VR38DETT型)に変更。R34型の280ps(※自主規制値)/最大トルク40kgmから480ps/60kgmへと大幅に向上し、トランスミッションは6速DCTで最高速度は300km/hを超えた。

スタイリングは、より流線美が強調され、円形テールランプはスカイラインGT-Rからの伝統を継承。フロント縦置きエンジンのフロントミッドシップレイアウトで、駆動方式は電子制御トルクスプリット(アテーサ4WD)システム、サスペンションは4輪マルチリンク、ブレーキはイタリア・ブレンボ製のベンチレーテッドディスクと、基本仕様は先代と同じだが、エンジンのパワーアップに対応した改良が加えられた。

2007年にデビューしたR35型「日産GT-R」ブラックエディション

車両価格は、標準グレード777万円、プレミアムエディション834.75万円に設定された。高額だが、ポルシェなど欧州のスーパーカーに較べれば、コストパーフォーマンスに優れたモデルだった。

日産GT-Rは、マイナーチェンジやフルモデルチェンジでなく、毎年改良を続ける年次改良で進化している。以下に、GT-RスペシャルエディションのベースとなったMY 13までの改良経緯を簡単にまとめた。

2001年~2016年までのGT-Rヒストリー1

・MY09(2008年12月~)最高出力が480ps→485psに向上。新ショックアブソーバー採用などサスペンションセッティングの改良により、回頭性の良いハンドリングとよりフラットな乗り心地の両立が図られた。

・MY10(2009年12月~)フロント・リアのサスペンションの改良により、さらに乗り心地を改良。サスペンションのラジアスロッドブッシュの剛性を改善し、路面接地のダイレクト感も改善された。

・MY11(2010年11月~)初の全般にわたる大幅な改良を実施。エンジンの最高出力530ps/最大トルク62.5kgへと大きく向上し、エンジンカバーが赤色に変更。エクステリアについては、バンパー開口部、グリル開口部などを拡大して立体感が増し、インテリアについても上質化が図られた。

・MY12(2011年11月~)全世界展開する中で、右ハンドル車の足回りに世界初の左右非対称セッティングの導入を行なったことが特徴。このMY12から「SpecV」のコンセプトを受け継ぐスパルタンな「For TRACK PACK」が追加され、最高出力550ps/最大トルク64.5kgまで向上した。

2001年~2016年までのGT-Rヒストリー2

2012年11月に登場した2013年モデルは、さらなるエンジン、シャシーの改良が施されて、プレミアムカーとしてインテリアの上質感にも磨きがかかった。中高回転域でのレスポンスと高回転域の伸びが改善され、また路面への接地感、超高速時の走行安定性の向上が特徴である。

R35型「日産GT-R」搭載の3.8L V6ツインターボ(VR38DETT型)エンジン

そして、このMY13モデルをベースにした特別仕様車「スペシャルエディション」が、2013年7月のこの日から全世界100台限定で販売された。

)「日産GT-Rスペシャルエディション」のドライカーボン製リアスポイラー

GT-Rスペシャルエディションは、ボディカラーに専用の特別塗装色ミッドナイトオパールを採用し、ドライカーボン製リアスポイラーやハイパーチタンカラーコートを施した鍛造アルミホイールを装備することで、GT-Rの魅力をさらに高めた。また、エンジンルーム内にはゴールドのモデルナンバープレートを装着して特別感が演出された。

「日産GT-Rスペシャルエディション」のハイパーチタンカラーコートを施した鍛造アルミホイール

特別塗装色ミッドナイトオパールは、目にする角度や光の当たり具合によって色の見え方が変わり、宝石のような深みのある輝きを放つ。また、ドライカーボン製リアスポイラーは、ドライカーボンならではの高級感のあるブラックカラーがリアビューを精悍に演出。さらに、バネ下重量を軽減し、しなやかな乗り心地を実現する軽量・高剛性鍛造アルミホイールにハイパーチタンカラーコートを施すことで、エクステリアの上質感に磨きがかけられた。

「日産GT-Rスペシャルエディション」のエンジンルーム内に貼付されたゴールドのモデルナンバープレート

日本における車両価格は、1050万円に設定。ちなみに、MY13のプレミアムエディションは978.6万円だった。

・・・・・日産GT-Rのように改良したモデルを毎年登場させることは、ユーザーの期待に随時応えられ、販売力を継続させるメリットがある。もちろんメーカーの立場からは、開発費がかさみ、部品点数も増えるので負担は大きくなる。簡単には入手できない日産GT-Rのような憧れのクルマだけに、毎年何が変わり進化しているのか、見るだけでも楽しみである。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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