近藤誠一と醍醐大が引いた7マン Mリーグ初優勝フェニックスの系譜

有料記事

前田健汰

 今季のMリーグ優勝をめぐる争いは、最終戦の最終局までもつれる激しい展開になった。

 最終日の16日、試合前時点で有利なポジションにいたのはフェニックスだった。

 「本音を言うと、ひょっとしたら1戦目で決まっちゃうかもなっていう思いがあった」とフェニックス・醍醐大(ひろし)。

 トップをつかめばほぼ優勝が決まる第1試合だったが、チームメートの浅井堂岐のラスでフェニックスは2位に転落。代わりにパイレーツが首位に立った。

 「負けたら俺のせいだと思ってくれ」

 醍醐は浅井にそう伝えて、最終戦に臨んだ。

優勝したフェニックスの選手たち©Mリーグ

 「かっこつけるんじゃないですけど、逆に堂岐が心配で。麻雀(マージャン)はなるようになるので。俺、余裕あるんだなと思っていました」

 雷電・萩原聖人、ドリブンズ・園田賢、フェニックス・醍醐、パイレーツ・仲林圭による最終戦は、嵐の到来を予感するかのように、静かに、だが確実に進んでいった。

 南場に入った時点で、4人とも2万点台の接戦。ここから、南1局に園田がアガってドリブンズが暫定首位になると、南2局1本場には仲林がアガってパイレーツが暫定首位の座を奪い返した。

 南3局、もう後がない醍醐の親番。醍醐は3、6ピン待ちのリーチをかけると、局を進めたい仲林から出た6ピンをとらえて、トップ目の園田と3800点差の2着目に浮上した。

 「仲林さんからアガってから(優勝が)かなり現実的な条件になった。あの瞬間から緊張しましたね。あとは園田さんをまくれば大丈夫って」

 醍醐は続く南3局1本場でも、仲林から親の満貫をアガり、一気にトップ目まで駆け上がった。東京都中央区のパブリックビューイング会場では、オレンジのタオルやバルーンを持って涙を流す人の姿もあった。

醍醐大が尊敬し、胴上げをしたいと願った相手が近藤誠一だった。今季が最後のチャンス。醍醐と近藤をつないだのは「7マン」だった。

 南3局2本場は流局し、迎え…

この記事を書いた人

前田健汰
文化部|麻雀担当
専門・関心分野
麻雀、演芸、演劇

関連記事: