エリザベート国際で入賞、久末航さん「すばらしい体験」・亀井聖矢さん「熱い声援に思わず涙」
世界三大音楽コンクールの一つとされるエリザベート王妃国際コンクール・ピアノ部門が、5月31日までベルギーのブリュッセルで開かれ、大津市出身の久末 航(わたる) さん(30)が2位、愛知県一宮市出身の亀井 聖矢(まさや) さん(23)が5位に入賞した。1位はニコラ・メウセンさん(オランダ)だった。
本選でブラームスの「ピアノ協奏曲第2番」をオーケストラと共演する久末航さん(5月31日、ブリュッセルで) (c)Thomas Leonard同26~31日に市内のパレ・デ・ボザールで行われた本選には、世界中から参加した60人から選ばれた12人が出場した。久末さんと亀井さんは最終日の31日に演奏し、新作の現代作品のほか、久末さんはブラームスの「ピアノ協奏曲第2番」、亀井さんはサンサーンスの「ピアノ協奏曲第5番」を、それぞれ大野和士さん指揮のブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団と共演。満場の聴衆から大きな拍手を受けた。
本選でサンサーンスの「ピアノ協奏曲第5番」を演奏した亀井聖矢さん(5月31日、ブリュッセルで) (c)Thomas Leonard授賞式の後、久末さんは「ブラームスの協奏曲では、重厚な作品の中に込められた感情の機微をていねいに描くことを心がけた。自分がやりたいことを出し切ることができ、すばらしい体験だった」と話した。
エリザベート王妃国際コンクール・ピアノ部門で2位に入賞した久末航さん(左)と、5位に入賞した亀井聖矢(かめい・まさや)さん=いずれも(c)Yuji Ueno亀井さんは「一番好きなサンサーンスの協奏曲を、指揮者の大野さんのサポートを得てエネルギッシュに表現できた。お客さんの熱い声援に思わず涙が出た」と振り返った。
2人のほか、桑原志織さん(29)と吉見友貴さん(25)(共に東京都出身)も本選で演奏し、入賞を果たした。