「なんて無茶な!」絶滅危惧種レッサーパンダの出張「モーニングコール」が物議…ライオンと触れ合えるアフタヌーンティーにも批判 中国
中国でレッサーパンダが客室を訪れるモーニングコールや、ライオンと触れ合えるアフタヌーンティーが物議を呼んでいる。SNS映えを狙ったサービスだが、動物の安全や福祉を無視した内容に批判が殺到している。
レッサーパンダの「おもてなし」に批判殺到
客が驚きの動物と過ごす、モーニングコールやティータイム。SNS映えを意識した過剰過ぎるサービスが、中国で物議を呼んでいる。
ホテルスタッフ:さあ来て、こっちおいで。
スタッフの誘導で室内を歩くのは、愛らしい表情が特徴のレッサーパンダ。たどり着いた先は、客がいるホテルのベッドルームだ。
ここは中国・重慶市にある高級ホテルの一室で、レッサーパンダによる出張モーニングコールが行われていた。
ホテルスタッフ:ほら、お子さんのところに行って。そうそう!
一泊約3万3000円から利用できる“客寄せパンダ”ならぬ、“客寄せレッサーパンダ”とも言うべきサービスだ。
中国のSNSで話題を集め、去年あたりから、この珍しいモーニングコールの動画がいくつもアップされていた。
ただ、映像をよく見ると、ヒヤッとする場面もあった。
客がレッサーパンダにエサを与えようとした場面では、エサを持つ手のひらにレッサーパンダが飛びつき、あわや流血の事態になった。
客:うわ…痛い。
ホテルスタッフ:あらら…ちょっと手が赤くなってますね。でも大丈夫、皮は破れていませんから。
心配の声を集めるのは、レッサーパンダの働かせ方にも。
ホテルスタッフ:エサは小さくして与えてください。今日はこの子、8つの部屋を回らないといけないのよ。
こうしたレッサーパンダの働き方を見たネットユーザーからは「なんて無茶なことを!商売道具として扱うなんて!」と批判の声も上がっている。
レッサーパンダは、国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種に指定されている。
中国国内の報道によると、事態を重く見た地元当局が6月、ホテル側にサービスを直ちにやめるよう指示する事態になったという。
飲食店ではライオンとの触れ合いサービスも
しかし、中国での動物による不適切とも言える顧客サービスは他にもあった。
SNSを見ると…
客:あらー、いい子いい子。本当にお利口さんなのね。
ライオンの赤ちゃんを女性が愛おしげに撫でている映像がアップされている。別の女性客は抱きかかえたライオンに頬を寄せ、キスまでしている。
中国・山西省の飲食店で約2万円(約1000元)するアフタヌーンティーセットの一部として行われていたというライオンとの触れ合いサービスだ。
こちらにも批判が広がり、当局が緊急に調査に乗り出していると、中国国内で報じられている。
これらの映像を見た専門家は「動物愛護上、一概に悪とは言い切れない」としながらも、いくつかの問題点を指摘している。
アジア動物医療研究センター・パンク町田センター長:野生の個体を守るための保護資金等に活用できなければ、ただの客寄せになる。(ライオンを)抱っこしてる人たちは下手過ぎるので、レクチャーをちゃんとして触れ合わせるべき。抱き方が不安定だと襲う気がなくても人間がケガしたり、洋服を破ってしまう恐れがある。
(「イット!」7月29日放送より)