米国株式市場=続伸、貿易協議に期待 エヌビディアなど半導体株上昇

米国株式市場は続伸して取引を終えた。2019年9月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米国株式市場は続伸して取引を終えた。米国と貿易相手国の通商協議が待たれる中、エヌビディアなど半導体株が上昇した。

米ホワイトハウスはトランプ大統領が中国の習近平国家主席と週内にも電話会談するとしている。また、相互関税の上乗せ部分に対する一時停止措置の期限が約5週間後に迫る中、トランプ政権は貿易相手国に対し、4日までに最善の貿易交渉案を提示するよう求めている。

ノースライト・アセット・マネジメントのクリス・ザッカレリ最高投資責任者は「投資家にとって最も重要なのは、米政権が予想をはるかに上回る関税を課し、そのまま放置するつもりではないということだ」とし、「米国が中国、英国、日本、欧州連合(EU)など多くの貿易相手国と積極的に関与していることから、投資家は景気後退回避をより楽観視している」と述べた。

エヌビディア(NVDA.O), opens new tabの2.8%上昇に支えられ、情報技術株(.SPLRCT), opens new tabが1.5%高となった。半導体のブロードコム(AVGO.O), opens new tabは人工知能(AI)の高速化を目指す最新のネットワークチップの出荷を開始したと発表したことを受けて過去最高値を更新。3%超上昇した。

CFRAリサーチのシニアエクイティアナリスト、アンジェロ・ジーノ氏は、トランプ氏と習氏の電話協議で半導体も議題になる可能性が高いと指摘。「エヌビディアが現在、実質的に中国から締め出されていることを考えると、いかなる議論も同社や半導体にとってプラスになる可能性が高い」との見方を示した。

米労働省が3日発表した4月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は19万1000件増の739万1000件だった。ただ、関税の影響で経済見通しが悪化する中、労働市場の減速と一致するかのように解雇が増加した。また、米商務省が発表した4月の製造業新規受注は前月比3.7%減少した。

貿易の不確実性による米経済への影響について手掛かりを得ようと、6日発表の雇用統計に注目が集まる。

ヘルスケア用品のケンビュー(KVUE.N), opens new tabは約6%安。米国と中国の小売業者が関税を巡る不透明感から製品の在庫調整を行っていると述べた。
ディスカウントストア大手ダラー・ゼネラル(DG.N), opens new tabは15.8%急伸。四半期売上高が予想を上回り、年間の売上高見通しを引き上げたことを好感した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.32対1の比率で上回った。ナスダックでも2.07対1で値上がり銘柄が多かった。 米取引所の合算出来高は156億9000万株。直近20営業日の平均は178億株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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