トランプ氏、NATOは「愚かな過ち」をしていると非難 イランめぐり

画像提供, Reuters

ドナルド・トランプ米大統領は17日、北大西洋条約機構(NATO)の加盟諸国が、イランと戦争するアメリカを、ホルムズ海峡の安全確保について支援することを拒んだとして、各国は「愚かな過ち」を犯していると非難した。トランプ氏はこれまで、一部の国はホルムズ海峡を通過する船舶の護衛に協力する意思を示していると述べているが、公に国名を挙げてはいない。

米・イスラエルによるイラン攻撃を機に、世界の運輸の要衝ホルムズ海峡が大混乱し、原油価格が高騰している。それでもトランプ氏は、アメリカは同盟国の支援を必要としないと主張した。

ホワイトハウスでアイルランドのミホル・マーティン首相と共に記者団を前にしたトランプ氏は、ほとんどのNATO同盟国が、戦争にかかわりたくないと伝えてきたのだと話した。多くの国が、今回の紛争を違法と見なしている。

トランプ氏は記者団に対し、「NATOはとても愚かな過ちをしていると思う。NATOが果たして我々を支えてくれるのか疑わしいと、私はずっとそう言ってきた」、「なのでこれは(NATOを)試す大きな試練だった」と述べ、NATOからの支援は「まったく必要じゃない」ものの、「本来なら彼らはそこにいるべきだった」と不満をあらわにした。

自分の呼びかけに応じなかったNATO諸国に報復するか、あるいはNATOを離脱するか記者団に質問されると、トランプ氏はこれを否定。「今は特に何も考えていない。しかし、決して喜んではいないとは言っておく」と述べた。

さらに、各国が掃海艇の湾岸派遣を渋っていることについて、トランプ氏は「大した問題じゃない」としながらも、アメリカにとって「不公平だ」と述べた。

ただし、報復措置を検討しているか尋ねられると、大統領は「現時点で考えているものは何もない」とだけ述べた。

トランプ氏は特に、イラン攻撃に参加も支援もしない国として、イギリスを最も厳しく非難した。

トランプ氏は、「キア(・スターマー首相)が登場するまで」米英関係はこれまで「常に最高だった」と述べた。

またトランプ氏は、ロシアの侵攻に対抗するウクライナ支援のためにアメリカが数百億ドル規模の援助を続けてきたことで、NATO同盟国が恩恵を受けていると不満を述べた。

「我々は彼らを守るが、いざという時に彼らは我々のために何もしない」と大統領はソーシャルメディアに投稿した。

2月28日に戦闘が始まって以来、ホルムズ海峡を通過できた船舶は、イラン産原油を積んだインドや中国向けのものを含め、ごくわずか。

ホルムズ海峡は通常、世界の石油の約5分の1が通過するが、今回の戦争で、複数の商業貨物船が攻撃されている。

米政府は依然として、海峡を通過する船舶の護衛に協力する同盟国を特定できていない。

イギリス、ドイツ、フランスを含む多くの国が、まだ決定する準備ができていないと述べている。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は17日、フランスは関わりたくないと言明した。

「我々は紛争当事者ではない。したがってフランスは、ホルムズ海峡を再開・解放する作戦に決して参加しない」とマクロン氏は述べた。

欧州連合(EU)のカヤ・カラス外務・安全保障政策上級代表(外相に相当)も同日、「これは欧州の戦争ではない。我々はこの戦争を始めなかった。相談されなかった」と述べた。

AP通信によると、カラス氏は「(EU)加盟国は、この戦争に巻き込まれたいとは思っていない」と話した。

17日には、米国家テロ対策センターのジョー・ケント所長が、イランへの攻撃に抗議して辞任し、ドナルド・トランプ米大統領に「方針転換」を求めた。米・イスラエルによるイラン攻撃を、政権の要職者が公然と批判したことになる。

ケント氏は、トランプ氏に宛てた手紙をソーシャルメディア「X」に投稿し、イランはアメリカにとって「差し迫った脅威ではない」と述べ、トランプ政権は「イスラエルとその強力な対米ロビーの圧力によって、この戦争を始めた」と主張した。

これに対して、ケント氏の上司にあたるタルシ・ギャバード国家情報長官はソーシャルメディアで、イランとの戦争に踏み切ったトランプ氏の決定を支持。大統領には、何が差し迫った脅威かを判断する責任があると書いたほか、国家情報長官室は大統領が意思決定するための「最良の情報を提供する」役割を持つと付け加えた。

「すべての情報を慎重に精査した結果、トランプ大統領はイランのテロリスト・イスラム主義体制が切迫した脅威だと結論し、その結論に基づき行動した」のだとギャバード氏は書いた。

一方で、イランと、イランに同盟する武装勢力による報復攻撃は続いた。

イスラエル当局によると、テルアヴィヴ近郊でイランの弾道ミサイルによって2人が死亡した。アラブ首長国連邦、イラク、カタール、クウェートの複数地点も攻撃を受けた。

イラン高官はロイター通信に、新しい最高指導者モジタバ・ハメネイ師が就任後初の政策会議で、停戦の計画はないと述べたと話した。高官によると、モジタバ・ハメネイ師は、「アメリカとイスラエルを屈服させ、敗北を認めさせ、賠償を支払わせるまでは、平和の時ではない」と発言したという。

モジタバ・ハメネイ師が、会議に直接もしくは遠隔で参加できたかどうかは不明だ。最高指導者だった父アリ・ハメネイ師が2月28日のテヘラン空爆で殺害されて以来、モジタバ師は公の場に姿を見せていない。モジタバ師も、この攻撃で負傷したとされている。

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