イスラエル首相「ガザ全面制圧」検討、治安トップと協議 7日に閣議

イスラエルのネタニヤフ首相は5日、22カ月に及ぶパレスチナ自治区ガザにおける戦闘の新たな戦略を最終決定するため、治安当局の高官らと会談した。援助物資を求めてトラックによじ登るパレスチナの人々。ガザ南部ハンユニスで4日撮影(2025年 ロイター/Hatem Khaled)

[テルアビブ/カイロ 5日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は5日、パレスチナ自治区ガザにおける戦闘の新たな戦略を最終決定するため、治安当局の高官らと会談した。報道によると、ネタニヤフ氏はガザ全面制圧を検討しているとされ、7日午後6時(日本時間8日午前0時)に閣議が招集される見通しだという。

首相官邸は声明で、この日の会談は約3時間にわたる「限定的な安全保障協議」で、イスラエル軍のザミール参謀総長が「ガザにおける作戦継続の選択肢を提示した」と明らかにした。

当局者はロイターに対し、カッツ国防相やダーマー戦略問題相も会談に出席し、今週閣議に提出する戦略を決定する見通しと述べていた。

チャンネル12は、首相府関係者の話として、ネタニヤフ氏がガザ地区の全面制圧に傾いていると報じた。イスラエルは2005年にガザ地区から兵士や入植者を撤退させたが、右派政党はこの決定が06年の選挙でイスラム組織ハマスが勢力を伸ばした要因だとしている。

トランプ米大統領は5日、イスラエルがガザを全面制圧する可能性について、支持するかどうか明言を避け、米政権の焦点はガザへの食料の供給を拡大することだと述べた。 もっと見る

ハマスは2日、イスラエル人の人質エビアタル・ダビド氏が衰弱した状態で地下トンネルとみられる場所にいる動画を公開。映像はイスラエル国内に衝撃をもたらし、国際的に非難が広がった。

一方、パレスチナ外務省は、ガザ全面制圧計画がハマスに譲歩を迫る戦略の可能性があるとし、「各国と国際社会に対し、こうした情報のリークを最大限の深刻さで受け止め、その実行を阻止するために緊急に介入するよう強く求める」と訴えた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: