あなたはどのタイプ?脳に異なる影響を与える5つの「睡眠パターン」|@DIME アットダイム
睡眠は、一晩にどれだけ長く眠るか以上の意味を持ち、睡眠パターンは、気分、脳の機能、さらには長期的な健康状態に影響を与える可能性が指摘されている。こうした中、睡眠の多面的な性質と人の健康・認知機能・生活習慣との関係を検討した新たな研究において5つの睡眠プロファイルが特定された。研究グループは、「これらのプロファイルは、ストレスや感情から寝室の快適さまで、睡眠の質に影響を与える生物学的、精神的、環境的要因の組み合わせを反映している」と述べている。コンコルディア大学(カナダ)のValeria Kebets氏らによるこの研究の詳細は、「PLOS Biology」に10月7日掲載された。Kebets氏は、「人々は睡眠について真剣に考えるべきだ。睡眠は日常生活のあらゆる機能に影響する」とNBCニュースに語った。
この研究では、770人の健康な若年成人(平均年齢28.86歳、女性53.76%)を対象に、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)の7つの下位項目(主観的睡眠の質、入眠時間、睡眠時間、睡眠効率、睡眠障害、睡眠薬の使用、日中の機能障害)と118個の生物・心理・社会的指標(認知能力、身体・精神の健康、性格特性、感情、薬物使用、人口統計学的属性との関連を検討した。
その結果、以下に挙げる5つの睡眠プロファイルが特定された。
睡眠満足度の低下や眠りに入るまでの時間の長さなどの睡眠問題を抱え、精神面でも抑うつ、不安、身体症状、内向的行動が見られ、恐怖、怒り、ストレスなど負の感情も強い。
精神的問題を抱え、特に注意力の問題(不注意、注意欠如・多動症)や誠実性の低下、負の感情が顕著に見られるが、睡眠には不満を感じておらず(睡眠レジリエンス)、日中の機能障害以外はほとんど問題が見られない。
睡眠薬の使用を特徴とし、睡眠薬の使用は社会関係の満足度と関連している。日中の機能障害は少なく、注意力にも問題はない。視覚的エピソード記憶や感情認識のパフォーマンスの低下は見られるが、社会関係には満足している。
夜間の睡眠時間が6~7時間未満であることが特徴。認知能力では感情処理、報酬判断、言語、流動性知能、社会認知タスクの正確性の低下および反応時間の延長が見られる。攻撃性が強まり、協調性は低下している。
複数回の中途覚醒、睡眠時の呼吸の問題、夜間の排尿、睡眠中に痛み・寒さ・暑さを感じることを特徴とし、これらの睡眠障害が攻撃的な行動と関連している。認知能力では、言語処理能力と作業記憶に低下が見られる。メンタルヘルス面では不安、思考の問題、内向的行動を抱えており、タバコやアルコールなどの物質使用が見られる。
この研究には関与していない米ノースウェスタン大学概日リズム・睡眠医学センター所長のPhyllis Zee氏は、「研究や臨床では、複数の睡眠パターンを考慮する必要がある。そのためには、データを多次元的に解析するアプローチが重要だ」とNBCニュースに対して語っている。
また、同様に本研究には関与していない米スタンフォード大学の睡眠医学専門医であるRafael Pelayo氏は、「この研究は、心身の健康にとって十分な休息がいかに重要であるかを再確認させるものだ。睡眠は、単にベッドで過ごす時間だけの問題ではない。睡眠を改善できれば、精神的な健康だけでなく、身体的な健康も含めた全体的な健康にも良い影響がもたらされる」と述べている。(HealthDay News 2025年10月9日)
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(参考情報)Abstract/Full Text
https://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3003399
構成/DIME編集部
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