廃棄される太陽光パネル、オフィス家具に再利用できそう

Image: HITACHI

数年後はガラス製の家具が増えるかな?

東日本大震災の原発事故で節電が必要になってから、メガソーラー(大規模太陽光発電)導入の規制が緩和され大量に設置された太陽光パネル

それらは2030年辺りから寿命を迎えることが分かっており、国内では年間で最大50万トンが廃棄されることになるそうな…。

3社合同でパネル再利用への道を模索

そこで立ち上がったのが、家電の日立と化成品や電子先端材料のトクヤマ、オフィス家具のイトーキ。パネルから外した板ガラスを、オフィス家具などにアップサイクルする技術を検証しています。

試作品として生まれたのは会議ブース。磨りガラスと透明ガラスで、中にいる人の顔は見えにくくとも使用中であることが分かる密室となっています。

日立、イトーキ、トクヤマは廃棄が課題となる太陽光パネルのガラスを再利用するアップサイクルを実証✨独自の技術でガラスを粉砕せずに取り出し、強度測定後は、会議ブースなどのオフィス家具に生まれ変わります!今後も #資源循環型社会 の実現を加速します🌱https://t.co/OU9yxaQsjEpic.twitter.com/DPs9ZoYrp7

— 日立製作所 (@Hitachi_Japan) September 3, 2025

砕かずそのまま転用でエコ

一般的にパネルに使われる板ガラスは、粉砕して道路の補強やガラス製品にすることが検討されているとのこと。ですが状態が良ければアップサイクルが可能となり、ゼロからガラス板を作るよりもCO2の排出量が最大で50%も削減できるようになります。

実用的な家具などに転用できるなら、廃棄しなくて済みますし、人の役に立てて一番良い方法だと思います。

3社の役割

太陽光パネルは、長年屋外で雨風にさらされます。亀裂が入っていたら耐久性が心配ですし、アルカリ溶出があると安全性の問題でアウト。

そこでトクヤマが低温熱分解技術を使ってパネルの各パーツを高品質に回収。次に日立が劣化の度合いを評価し強度を推定。最後にイトーキが家具を作成する、という流れになります。ガラスはサイズや厚みもマチマチですが、合わせガラスにすることで解決。今回はブースの天板やソファの布地もアップサイクル品なんですって。

Image: HITACHI

幅広い展開へ

今後はオフィス家具だけでなく、建材に強い企業などと手を組み、業界全体で取り組んでいくとのこと。

あと数年経ったら、元太陽光パネル製の家具や建物がどんどん見られるようになるかもしれません。野山に放置や不法投棄されるより全然良い試みですね。

Source: X, HITACHI, TOKUYAMA, ITOKIReference: 産経新聞

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