NY市場サマリー(13日)ダウ769ドル安、利回り上昇 ドルも上昇
<為替> 米ドルがユーロと円を含む主要通貨に対して上昇した。イスラエルによるイラン攻撃を受けて中東の地政学的緊張が高まる中、投資家は安全資産に殺到した。
午後の取引では、ドル/円 は0.3%高の143.88円。対スイスフランでは0.1%上昇して0.8110フランとなった。
ドルは、トランプ関税に対する懸念から、円とフランの両方に対して週間ベースでは下落する見込みだ。対円では約1%安と、5月中旬以来の最大の週間下落となる見通しだ。
ワシントンのモネックスUSAのトレーディング・ディレクター、フアン・ペレス氏は「(イスラエル・イラン紛争は)突然、われわれに降りかかったが、主な懸念は関税とグローバル貿易の障害だ。実際に物理的な状況があり、武力紛争が長引き、エスカレートする可能性がある場合、米ドルと金は安全資産の仲間入りをする。これはある種の心理的反応だ」とした。
一方、ユーロ/ドルは0.4%安の1.1539ドルとなり、4日連続の上昇が止まる見込みだ。しかし、週間では対ドルで2週連続の上昇ペースを維持している。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが上昇した。利回り上昇は5日ぶり。イスラエルがイランに対する大規模な先制攻撃に踏み切ったことで原油価格が押し上げられ、株式市場で売り圧力が増大した。
PGIMフィクスト・インカムのチーフ投資ストラテジスト兼グローバル債券責任者、ロバート・ティップ氏は国債利回りの上昇について、典型的な米国債への資金逃避ではなく、むしろ市場が中東で起きている事態により良く対応できる態勢にあることを示しているとの見方を示している。
来週は米連邦準備理事会(FRB)が17─18日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)が大きな注目材料。FRBは利下げを9月まで待つとの予想が大勢になっている。
終盤の取引で10年債利回りは6.7ベーシスポイント(bp)上昇の4.424%。週初からは約8bp低下した。
30年債利回りは7.2bp上昇の4.915%。週初からは約4bp低下した。
2年債利回りは5bp上昇の 3.956%。週初からは約14bp低下し、1週間の低下幅としては4月中旬以来の大きさとなった。
2年債と10年債の利回り格差は46.4bp。
米金融・債券市場:
米取引所の合算出来高は179億株。直近20営業日の平均は182億株。
米国株式市場:
<金先物> イスラエルとイランの情勢緊迫化を背景に安全資産とされる金が買い進まれ、3営業日続伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比50.40ドル(1.48%)高の1オンス=3452.80ドル。中心限月清算値ベースでは、4月下旬以来 約1カ月半ぶりに史上最高値を更新した。週間では3.17%高。
NY貴金属:
<米原油先物> 中東地域の緊張の高まりを受けて急反発した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前日比4.94ドル(7.26%)高の1バレル=72.98ドル。これは今年2月11日以来、約4カ月ぶりの高値。8月物は4.65ドル 高の71.29ドルだった。
NYMEXエネルギー:
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