U-20W杯ファースト弾決めた市原吏音(大宮)、海外メディアからのアニメ質問に大演説「日本にはすばらしいアニメがたくさんある」
『僕のヒーローアカデミア』のゴールパフォーマンスをするDF市原吏音
[9.27 U-20W杯GL第1節 日本 2-0 エジプト サンティアゴ]
大会ファーストゴールはキャプテンが手にした。U-20日本代表主将・DF市原吏音(大宮)は前半29分に獲得したPKを冷静に沈めた。「緊張は全然なかったし、自信を持って蹴った。練習していたので、確実に決められるという感覚はあった」と振り返った。
このチームでPKといったら市原だ。今年2月のU20アジアカップでもグループリーグ初戦でPKを、U-20W杯出場切符を懸けた準々決勝・イラン戦ではPK戦の勝敗を決める5人目のキッカーを歴任。今回も前半26分にMF齋藤俊輔がファウルを誘発してPKを獲得すると、再び市原がキッカーとしてボールの前に立った。 主審の笛が鳴ると、少し時間を置いてから短めの助走で右足シュート。ゴール左に突き刺し、価値ある先制点を奪取した。 U20アジア杯での2度のPKはゴール右と真ん中だった。そのとき相手GKに分析されていることを察した市原は、今後のことを考えてさらにゴール左にも蹴られるようにしたという。「蹴り方もちょっと変えていた。W杯ではよりPKの重要性もある。PKで勝ち上がっていくシーンも増えると思ったので、やるべきことはやろうとずっと練習していた」。さっそく成果を試す場面で、しっかりと結果を残した。 PKの場面ではブーイングも飛んだが、強靭なメンタルには効かず。初の世界大会での初ゴールに「いつでもゴールを決めるのはうれしい。サッカーやっている以上は点は取りたい」と笑顔を見せた。 12時間の時差があるなか、W杯初戦当日にもかかわらず、朝7時に起きて所属するRB大宮アルディージャの試合を観戦した。「早々に2失点しておぉい!と思ったけど(笑)」。激闘の末に逆転し、大宮は4-3でJ1昇格につながる大一番を勝利。仲間からの刺激を受け、自らも発奮した。 「向こうでもチームメイトが頑張ってくれていて、上位対決で勝ったのを見て、自分もやんなきゃと思った。そういうのがいい刺激というか、こっちでも頑張っているぞと日本に届けられればいいかな」 大舞台にもいつも通りのメンタリティを発揮。とはいえ、初のW杯に思うところもあった。「世界大会をやったことがなかったので。ただ、今日勝ってそれが自信に繋がりました。自分たちがやってきたことは間違ってなかったということは改めて思っている」。チームにとっても、そして市原にとっても、大きな白星となった。 試合後には海外メディアからインタビューが殺到した。その質問内容は試合とまったく関係なく、『ワンピース』や『ドラゴンボール』といったアニメについて。だが、市原は律儀にも一つひとつに対応。「その二つの作品だけではない。日本にはまだまだすばらしいアニメがたくさんある」と大演説。『進撃の巨人』や『僕のヒーローアカデミア』をイチ押ししていた。 大会ファーストゴール後にはゴールパフォーマンスでこっそりアニメ好きをアピールしていた。大会公式ポートレートでもやっていた“右手でデコピンのポーズ”は『僕のヒーローアカデミア』の主人公・緑谷出久の必殺技から拝借したという。 (取材・文 石川祐介)●U-20ワールドカップ2025特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中