【40光年先に「第二の地球」候補が7個ひしめく惑星系を発見】生命が存在できる可能性も?(スペースチャンネル)
宇宙の彼方、わずか40光年先に「第二の地球」候補がひしめく惑星系が存在するかもしれません。2017年2月、天文学者マイケル・ジヨン氏率いる国際チームは、超低温の赤色矮星「TRAPPIST-1」の周囲に地球サイズの惑星を7つ発見したと発表しました。
小さな恒星に寄り添う「小さな太陽系」
TRAPPIST-1系の惑星の想像図 出典:NASA/JPL-CaltechTRAPPIST-1は、太陽のわずか8%の質量しかない赤色矮星です。これまでに知られている赤色矮星の中でも特に暗く冷たい星に属します。2016年には、同星を公転する3つの惑星が発見されましたが、スピッツァー宇宙望遠鏡や地上望遠鏡を用いた20日間にわたる観測により、さらに合計7つの惑星の存在が明らかになったのです。
驚くべきは、そのコンパクトさ。最も外側の惑星「h」でさえ、主星からの距離はわずか0.06天文単位(地球‐太陽間の6%程度)。内側の惑星はさらに近く、まるで木星とそのガリレオ衛星のような“ミニ太陽系”といえます。観測データからは以下の特徴がわかっています。
- 半径は地球の約75~110%で、火星~地球サイズ
- 質量と密度から、6つの惑星は岩石質の惑星と推定
- 表面温度は、3つの惑星(e, f, g)が液体の水が存在できる条件に近い
つまり、TRAPPIST-1系には「ハビタブルゾーン」に入る岩石惑星が複数存在する可能性があるのです。
エクソプラネット研究の新時代
TRAPPIST-1系の惑星の想像図 出典:NASA, ESA, CSA, STScI, Joseph Olmsted (STScI)ただし、これらが「居住可能」であるとは限りません。火星や金星も太陽のハビタブルゾーンにありますが、生命に適した環境ではありません。さらにTRAPPIST-1の惑星は恒星に非常に近いため、潮汐固定で片面が常に昼、もう片面が常に夜になる可能性も指摘されています。そのような極端な環境で生命が生存できるかは、まだ大きな謎です。
また、大気の存在や成分は現時点では確認できていません。今後、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)や次世代望遠鏡による観測で解明が期待されています。
今回の発見は、赤色矮星に地球サイズ惑星が数多く存在する可能性を示唆しています。
「生命の痕跡が本当に存在するのか」—その答えはまだ遠いですが、TRAPPIST-1は確かに宇宙における“第二の地球探し”の最前線に立っているのです。皆さんは、このTRAPPIST-1星系にどのような光景が広がっていると思いますか?ぜひ考察コメントお待ちしています。
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