『国宝』吉沢亮が経験した究極の瞬間 「覚悟や挫折を経てたどりついた感覚」

吉沢亮 - 写真:杉映貴子

 準備期間から撮影まで約1年半を掛けて、歌舞伎の女形を吹替えなしで演じるというチャレンジを成し遂げた吉沢亮。昨年公開の映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024)では手話をこなし、数々の映画やドラマ、舞台で主演を務めてきた吉沢が「これまでの役者人生すべてを賭けたといっても過言ではない」と言い切った映画『国宝』(6月6日公開)が、間もなく公開される。徹底的なリアリティーにこだわる李相日監督との初タッグのもと、吉沢はどんな思いで撮影に臨んだのか。

【画像】この世ならざる美…吉沢亮撮りおろし<8枚>

李相日監督の現場は怖くも愛を感じさせる

『国宝』メイキングより李監督と吉沢亮 (C) 吉田修一/朝日新聞出版 (C) 2025映画「国宝」製作委員会

 第78回カンヌ国際映画祭「監督週間」部門に選出されたことでも話題の本作は、芥川賞作家・吉田修一が3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験をもとに書き上げた同名小説を、『怒り』(2016)や『流浪の月』(2022)など、徹底的に“嘘”を排除した作品で知られる李相日監督が実写映画化。吉沢は本作で、任侠(にんきょう)の一門に生まれるも数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄を演じた。劇中では「二人藤娘」「二人道成寺」「曽根崎心中」「鷺娘」などの演目に吹替えなしで臨んだ。

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 念願かなってのタッグとなった李監督と格闘した日々。吉沢は、本作で歌舞伎を「いかにうまく、きれいに魅せるか」と1年半にわたって稽古し、撮影に臨んだ。しかし監督の口から出た言葉は“うまく踊れるのは分かったから、喜久雄として踊ってほしい”というオーダーだった。

『国宝』より喜久雄(吉沢亮)と俊介(横浜流星) (C) 吉田修一/朝日新聞出版 (C) 2025映画「国宝」製作委員会

 吉沢は「監督は“お初を演じているときも、喜久雄がどんな思いでその舞台に立っているのか、これまで喜久雄が抱えてきた思いを乗せてほしい”とおっしゃったんです」と語ると「正直何が正解か分からないなか“これでいいのだろうか”という葛藤が常にありました」と率直な胸の内を明かす。

 1年半、徹底的に体に叩き込んだ技術的なことは“当たり前の準備”としてあるだけで、大切なことは歌舞伎の完成度の高さよりも、喜久雄として生々しく生きること。そういった李監督のメッセージは、完成した作品を通して伝わってきたという。

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 「映画を観て、監督の演出が腑に落ちました。監督が求めていたエモーショナルなものが、物語の盛り上がりとして成立している。喜久雄の魂の叫びが映し出されていて、我々のような歌舞伎の世界にいない役者が、この作品をやる意味があったんだと感じることができたんです」

 吉沢は李監督の撮影現場について「自分が頑張ってやってきて“これでいいだろう”と思うと、しっかり見抜かれる。満足させてくれない方」と笑い、「だからこそすごく苦しかったし、しんどい3か月(の撮影期間)でした。でもすごく役者を信頼してくれるからこそのことだと思う。自分の限界を超えさせてくれる。怖さもありましたが、とても愛を感じる監督でした」と振り返っていた。

ミリ単位で見え方を追求する歌舞伎に衝撃

歌舞伎シーンの喜久雄(吉沢亮)(C) 吉田修一/朝日新聞出版 (C) 2025映画「国宝」製作委員会

 李監督の演出意図により、エモーショナルな喜久雄を演じた吉沢。しかし一方で、1年半にわたり心血を注いだ歌舞伎という表現から得るものは大きかった。吉沢は「歌舞伎はいわゆる“型”の世界。瞬間を切り取ったとき、しっかり絵になるように見え方にこだわった究極体。手の位置や体の角度、視線の配り方など、ミリ単位で見え方を突き詰めていく表現には衝撃を受けました」と語る。

 吉沢自身「これまでの役者人生で、ここまで見せ方を意識したことはなかった」と驚きがあったことを明かすと、本作でも李監督がこだわったエモーショナルな部分が役者にとっての武器となることは理解しつつも「自分を俯瞰してみることの大切さは、この作品をやったからこそ得られたこと。感情を優先してお芝居していたなかで、新しいチャンネルができたような気がします」と大きな気づきになった。

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 感情を爆発させながらも、同時に冷静な視点で自らをコントロールする。両立させるのは難易度の高いことだが「今回の作品を経験したことで新たな視点が得られた」と目を細めていた。

役者人生における究極の瞬間

随所に差し込まれた化粧のシーン (C) 吉田修一/朝日新聞出版 (C) 2025映画「国宝」製作委員会

 吉沢は、演じる喜久雄についてクランクインして最初の1週間は「分からなさ過ぎて、全くつかめなかった」と言い、撮影後も明確につかめることはなかったという。そんな中で、手がかりとなったのが原作者の吉田修一からの言葉。

 「吉田先生がおっしゃるには、喜久雄は大スターなんです。周りの人間は彼にすごく気を使って緊張するけれど、彼がふっと笑うと、その場の空気が一瞬で和む。そんな、笑顔がすごく素敵な人間なんです、と。いわゆる“スター”と呼ばれる人たちって、周りが勝手にいろんなイメージを投影しますよね。“きっとこういう人に違いない”“いや、本当はこういう面があるはずだ”と。みんながそれぞれの解釈を当てはめて神格化していくけれど、結局その人自身の本当の姿は誰にもわからない。喜久雄もそういう存在なのかな、と思うようになりました」

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 そんな喜久雄は劇中、壮絶な辛苦を経て、ある時舞台上で絶頂の瞬間を味わうことになる。これまでの俳優人生において、吉沢にもそんな瞬間はあったのだろうか。

 「似たような経験は何度かあるのですが、芥川龍之介の『羅生門』(2017年上演)という舞台に出演したとき、終盤にステージの真ん中で10分ぐらい縛り付けられ、身動きができない状態のなか、激しい感情を吐露しながら、一人でしゃべり続けるシーンがあったんです。精神的にも肉体的にも、ものすごく消耗するシーンだったのですが、あのときは今まで経験したことのないような特別な高揚感がありました」

芸にすべてを捧げた喜久雄が最後にたどりつく境地とは… (C) 吉田修一/朝日新聞出版 (C) 2025映画「国宝」製作委員会

 絶対的な孤独と静寂。そのなかで自らの肉体から得体の知れない音が聞こえてくるような極限の集中力。今まで感じたことのないような感覚を得た吉沢は「あの瞬間、芝居がより好きになった感じがしました。解き放たれたような高揚感、そして幸福感。これは芝居でしか感じられないものなんだろうな」と心に深く刻まれたという。

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 そして、そんな経験をしてみたいという思いで続けてきた俳優業。本作で「鷺娘」を踊っているとき、再びその瞬間が訪れた。「自分の呼吸と鼓動しか聞こえない。極限まで入り切った世界。ある種の覚悟だったり、いろいろな挫折だったりを経験して、ようやくたどり着いた感覚だなと思えたんです」

 1年半という長い年月をかけて稽古を積み重ね、多くの難局を乗り越えてきたからこそ得られた感覚。技術と鍛錬、そして喜久雄という人間への深い没入。そのすべてが重なり合ったからこそ生まれた究極の瞬間。

 吉沢は「役づくりにも時間をかけ、相当密度の濃い時間を過ごすことができました」と総括すると「本当にスタッフ、キャストの皆さんは素晴らしい方ばかり。今後、こんな贅沢な時間を味わえることがあるのかなと思えるぐらい完璧な現場でした」と感謝を述べ「今回の作品で、自分の役者として足りない部分、もっと成長しなければいけない課題もたくさん見つかったので、しっかり鍛錬してまたいつかこんな出会いを経験したいです」と今後に思いを馳せていた。(取材・文:磯部正和)

ヘアメイク: 小林正憲(SHIMA) スタイリスト: 荒木大輔

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まさかの味方に!? 『M3GAN/ミーガン 2.0』公開決定 - (C)2025 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

 最新の人工知能を搭載した“お友達AI人形”の暴走を描いたヒットスリラーの続編が『M3GAN/ミーガン 2.0』の邦題で10月10日から劇場公開されることが決定した。あわせて、進化を遂げたミーガンの勇姿を捉えた特報映像が公開された。

【動画】少女AI人形が味方に!?『M3GAN/ミーガン 2.0』特報

 ミーガンは、子供にとって最高のお友達であるようにプログラムされた精巧なAI人形。前作では、両親を事故で失った姪のケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)を引き取った、玩具メーカーの研究者ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)が、研究段階のミーガンをケイディに与えたことから、その愛が暴走する姿を描いた。

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 ミーガンが破壊されてから2年。ミーガンの生みの親であるジェマは、AI技術の政府監視を提唱する著名な作家となり、14歳のケイディは反抗期の真っ只中。それでも平穏な日々が続いていたある日、ミーガンの技術を基に作られた究極の殺人兵器アメリアが誕生してしまう。暴走を始めたアメリアによって人々が殺害され世界が危機に瀕するなか、ジェマは自らの手で葬ったミーガンをアップデートし、蘇らせる事を決意する。

ばっちりアップデート(C)2025 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

 前作でそのキモカワな魅力で話題を呼んだ“ミーガンダンス”から始まる特報では、性能と凶悪さ、そしてケイディへの愛情の全てがアップグレードされたミーガンが、ジェマとケイディを狙うアメリアに対抗すべくトレーニングを積み、なんと断崖絶壁へダイブするシーンまで。まるでアクションヒーロー化したミーガンの活躍と、再び訪れる恐怖への期待が高まる映像に仕上がっている。

 『ソウ』シリーズのジェームズ・ワンと、ブラムハウス・プロダクションズのジェイソン・ブラムが前作に引き続きプロデューサーを務め、監督・脚本のジェラード・ジョンストーンも続投。殺人兵器アメリアは、ドラマ「スター・ウォーズ:アソーカ」などに出演するイヴァンナ・ザクノが演じる。(編集部・入倉功一)

映画『M3GAN/ミーガン 2.0』は10月10日より全国公開

少女AI人形が復活!映画『M3GAN/ミーガン 2.0』特報映像 » 動画の詳細

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ティザーアート - Netflixシリーズ「グラスハート」は7月31日より世界独占配信

 佐藤健が主演のほかエグゼクティブプロデューサーに名を連ねるNetflix シリーズ「グラスハート」の配信開始日が7月31日に決定し、追加キャスト7名が発表されると共にティザーアート、ティザー予告、キャラクターアートが公開。劇中バンド「TENBLANK」のデビューが決定し、ティザー予告で佐藤が歌唱、野田洋次郎RADWIMPS)が作詞した楽曲「旋律と結晶」が公開された。

菅田将暉が激変!佐藤健、町田啓太らキャラクターアート<6枚>

 若木未生の漫画「グラスハート」を原作にした本作は、孤高の天才ミュージシャン・藤谷直季(佐藤健)率いる4人組新バンド「TENBLANK(テンブランク)」の青春を描くストーリー。主演の佐藤が映像化を念願し、みずから企画。共同エグゼクティブプロデューサーも務めている。これまでTENBLANKのメンバーとして努力家のカリスマギタリスト・高岡尚に町田啓太、超音楽マニアの孤独なキーボディスト・坂本一至に志尊淳、ヒロインとなるドラマーの西条朱音に宮崎優(※崎=たつさき)、そしてライバルとなるカリスマバンド「OVER CHROME(オーヴァークローム)」のボーカル・真崎桐哉に菅田将暉がふんすることが発表されている。

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 新たに発表されたのは、TENBLANKのマネージャー・甲斐弥夜子の唐田えりか、上山源司役の竹原ピストル、藤谷の楽曲提供を受ける歌姫・櫻井ユキノ役の高石あかり(※高=はしごだか)、音楽ライターの傍らカフェを営む朱音の母・西条モモコ役のYOU、「TENBLANK」の成功を妬む大物音楽プロデューサー・井鷺一大役の藤木直人、高岡がサポートギタリストとして組んだ「Z-OUT」のボーカル・レージ役の山田孝之、「OVER CHROME」の有栖川真広役のレイニ

 ティザー予告は、佐藤ふんするTENBLANKのボーカル・藤谷の「はじめまして、TENBLANKです」の台詞と共に、ライブの幕が開ける瞬間からスタート。「天才の音は凡人を不幸にする」とまで言わしめる孤高のアーティストである藤谷が、その孤独故にメンバーと衝突していく中、内部からの裏切りや敵対するユニット「OVER CHROME」のカリスマボーカル・真崎(菅田)との確執、音楽業界の大物プロデューサーが企てる陰謀に巻き込まれながらも、互いに支え合いながら絆を深めていき、バンドという運命共同体としてそれぞれが成長していく姿が切り取られている。ライブシーンは、最大5000人以上のエキストラを動員し、12台ものカメラで撮影されている。

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 ティザー予告で佐藤が歌唱する曲は、RADWIMPSの野田洋次郎が作詞を、飛内将大が作曲を手掛けたTENBLANKの楽曲「旋律と結晶」。野田はこの楽曲以外にも、劇中のTENBLANKの楽曲を数曲書き下ろしている。佐藤と親交の深い野田は、今回のタッグについて「健があまりにまっすぐで本気だから、その引力にやられ僕も頑張りました。健のこの作品に賭ける想いが、その想いに集った監督、俳優、制作スタッフ、クリエイターたちの情熱が画面を通して皆さんに伝わることを願っています」とコメントを寄せている。

 なお、TENBLANKのメンバーにふんする佐藤、町田、志尊、宮崎は全員ハードな楽器の練習を重ねて演奏シーンに挑んでおり、ドラマ内で披露されるTENBLANKの楽曲は現実の世界でもリリース。デビューアルバム「Glass Heart」には「旋律と結晶」を含む全10曲が収録され、トラックリストの詳細は後日発表。配信はドラマ配信日と同じ7月31日、CDは翌日の8月1日に発売される。

 キャラクターアートにはTENBLANKの4名、そしてOVER CHROMEの2名のビジュアルが収められている。(石川友里恵)

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連続テレビ小説「あんぱん」第40回より - (C) NHK

 今田美桜が主演を務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(総合・月~土、午前8時~ほか)は、23日に第8週「めぐりあい わかれゆく」第40回が放送。あらすじを紹介する。

【画像】卒業制作に励む嵩(北村匠海)…第40回場面写真

 昭和14年12月、柳井家に嵩(北村匠海)から手紙が届く。卒業制作を最高傑作にすると力強く書かれた手紙に、うれしそうに笑う寛(竹野内豊)。そのころ、のぶ(今田)には海の上の次郎(中島歩)から手紙が届いていた。

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 数日後、次郎に会いに行ったのぶは、正直な気持ちを話す。そんなのぶに、次郎はやさしくほほ笑む。次郎と別れたあと、一人歩きながら結太郎(加瀬亮)の言葉を思い出したのぶは……。

 朝ドラ112作目の「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしさんと小松暢さんの夫婦をモデルとしたオリジナルストーリー。脚本は、「花子とアン」(2014)以来2度目の朝ドラ脚本となる中園ミホが手掛け、激動の時代を生きた二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどりつくまでの物語をフィクションとして描く。

 暢さんをモデルとしたヒロイン・朝田のぶを、「おかえりモネ」(2021)以来2度目の朝ドラ出演で初主演を務める今田が演じ、やなせさんがモデルの柳井嵩役を北村匠海が務める。RADWIMPSの主題歌「賜物」がドラマを彩り、語りを林田理沙アナウンサーが担当する。(清水一)

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トム・クルーズ&阿部亮平の豪華2ショット - (C)日本テレビ

 映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(5月23日日米同時公開)主演のトム・クルーズが、23日放送の日本テレビ系情報番組「ZIP! 」(毎週月~金曜、午前5時50分~9時)に出演。金曜パーソナリティーを務める Snow Man阿部亮平が、全編英語でトムにインタビューする。

【画像】『ミッション:インポッシブル』女優が大胆すぎるドレスで都庁に!

 阿部は、今月3年ぶり25回目の来日を果たしたトムに、得意のアクロバットをあいさつがわりに披露。勉強中だという英語で一生懸命に質問する阿部に対して、トムは場を和ませるお茶目な姿を見せる。

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 トムは最新作『ファイナル・レコニング』で、複葉機にしがみつきながらの空中スタントや過酷な水中シーンなど、さまざまなシチュエーションでのアクションに挑んだ。インタビューでは、トムが決死のアクションを続けられる秘訣を明かすという。

 さらに、阿部はスタジオジブリの大ファンだというトムに、日本テレビの名所でスタジオジブリの巨匠・宮崎駿監督がデザインした「日テレ大時計」を案内。時計を見たトムは、宮崎監督への思いを語る。(編集部・倉本拓弥)

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「高畑勲展」メインビジュアル『火垂るの墓』 - (C) 野坂昭如/新潮社,1988

 6月27日から9月15日まで麻布台ヒルズギャラリーで開催される、アニメーション監督・高畑勲さんの展覧会「高畑勲展ー日本のアニメーションを作った男。」のメインビジュアルが公開。また、現在は監督・プロデューサーとして活躍する庵野秀明によるレイアウト、重巡洋艦摩耶の資料などが展示されることも明かされた。

【画像】名作アニメ『火垂るの墓』フォトギャラリー

 高畑さんの生誕90年、また、高畑さんが人生に大きな影響を受けた太平洋戦争の終戦から80年が経過することを受けて開催される「高畑勲展」。そのメインビジュアルは、先日Netflixでの日本初配信が決定し、展覧会のティザービジュアルにも使用した『火垂るの墓』(1988)に決定。さらに『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)も用いられる。

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 作品紹介エリアでは、この2作品と「アルプスの少女ハイジ」のセル画・背景画が本展初で公開されることも決定。さらに、庵野秀明がかつて『火垂るの墓』に原画スタッフとして参加した際に描いた重巡洋艦摩耶のレイアウトが発見され、それを基にして描かれたハーモニーセル(絵画のようなタッチで描きこまれたセルのこと)とともに初公開される。

『火垂るの墓』より重巡洋艦戦艦摩耶 レイアウト:庵野秀明 ハーモニーセル:樋口法子(原画:庵野秀明)(C) 野坂昭如/新潮社,1988

 音声ガイドでは、『かぐや姫の物語』で阿部右大臣の声を担当した伊集院光をナビゲーターに迎え、数多くのアニメーション作品で活躍する声優・玉川砂記子がナレーションを担当。また、音声ガイドに加えて、高畑さん、スタジオジブリとも深い関わりがある映画監督の岩井俊二が展示作品に合わせて選ぶ、公式プレイリストも音声ガイドとセットで聞くことが可能だ。(全5曲予定)

ADVERTISEMENT 「高畑勲展」メインビジュアル『平成狸合戦ぽんぽこ』(C)1994 Isao Takahata / Studio Ghibli, NH

 そのほか、平日来場者向けの特典として、限定デザインの特製ペーパーケースをプレゼント。曜日ごとに異なる5種類のデザインが用意されており、箱を開けると、中には、いしいひさいちが描いた高畑勲のイラストがあしらわれている。さらに、7月1日と7月8日には、スタジオジブリ学芸室の田中千義氏による展覧会のガイドツアー(18:00~19:00)を実施する。

 また、5月27日から天王洲で開催される「ジブリの立体造型物展」のチケット半券を「高畑勲展」のチケット販売カウンターに持っていくことで、当日窓口料金から200円(税込み)が引かれる半券割引も実施される。(編集部・入倉功一)

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第78回カンヌ国際映画祭レッドカーペットでのエル・ファニング - Tristan Fewings / Getty Images

 現地時間21日、第78回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門出品作『センチメンタル・バリュー(英題) / Sentimental Value』の公式上映が行われた。米配給のNEONによると、上映後のスタンディングオベーションの長さは19分。Deadlineもストップウォッチの“証拠写真”付きで19分と伝えているが、Varietyと The Hollywood Reporter は15分と報道。しかし、いずれにしても今年のカンヌ映画祭で最長の記録で、最高賞パルムドール最有力作との評判が高まっている。

【画像】大胆ドレスも着こなす!可愛すぎるエル・ファニング

 『センチメンタル・バリュー(英題)』は、『わたしは最悪。』などカンヌ常連のヨアキム・トリアー監督が手掛けたノルウェー、フランス、デンマーク、ドイツの合作。『わたしは最悪。』でカンヌ女優賞を受賞したレナーテ・レインスヴェ、『ドラゴン・タトゥーの女』のステラン・スカルスガルド、『ビューティフル・ライフ』のインガ・イブスドッテル・リッレオース、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のエル・ファニングが出演した家族ドラマだ。

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 かつて名声を得た映画監督の父と、そんな父とは疎遠になっているノラ(レナーテ)とアグネス(インガ)という2人の姉妹。父は舞台女優のノラに自身の復帰作への出演オファーを出すが断られ、その役は若く熱心なハリウッドスター(エル)に渡ることに。そうして姉妹は突如として、父との複雑な関係だけでなく、その渦中に放り込まれたアメリカ人スターにも対処しなければならなくなる……というストーリーだ。

 上映後の観客はこの物語に強く心を揺さぶられた様子だったといい、ジュリア・デュクルノー監督の『アルファ(原題) / Alpha』(フランス、ベルギー)の11分超を上回り、今年最長となる熱烈なスタンディングオベーションが贈られた。トリアー監督は声を詰まらせて「とても感動しています」と語り、エルも歓喜の涙をぬぐっていた。

 なお、カンヌのスタンディングオベーションに関して公式な記録はないものの、史上最長はギレルモ・デル・トロ監督作『パンズ・ラビリンス』(2006)の22分とされている。(編集部・市川遥)

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画像は実写版『リロ&スティッチ』より - (C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 ディズニー実写版『リロ&スティッチ』(6月6日全国公開)の続編が、早くも検討されていると The Wall Street Journal が報じた。

【画像】かわいい!実写版リロのマイア・キアロハ

 『リロ&スティッチ』は、ひとりぼっちの少女・リロと愛を知らないエイリアン・スティッチの絆を描いた2002年公開のディズニーアニメーション。実写版は『マルセル 靴をはいた小さな貝』のディーン・フライシャー・キャンプ監督がメガホンを取り、アニメーション版の監督でもあるクリス・サンダースがスティッチの声を続投している。

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 アメリカでは今週末(5月23日)から公開となる本作は、トム・クルーズ主演のアクション大作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の対抗馬として位置づけられており、現地調査では、初週末で興行収入1億5,000万ドル以上を稼ぐことが予想されている。これは『ミッション:インポッシブル』の予想オープニング興収(約8,000万ドル)を大きく上回る数字だ。

 ディズニーは、実写版『リロ&スティッチ』の成功に相当な自信を持っており、公開前からすでに続編の検討を始めているという。映画部門を統括するディズニー・エンターテインメントのアラン・バーグマン共同会長は「本作は非常にうまくいきそうですし、続編を作るにふさわしい作品です」と同サイトに語っている。

 『リロ&スティッチ』の製作費は1億ドル強と言われており、ロケットスタートを切れば、大コケした実写版『白雪姫』からの回復にもつながる。今年3月に公開された『白雪姫』は全米でわずか8,690万ドル(約126億円)しか稼げず、赤字額は1億1,500万ドル(約217億円)にのぼると見られている。(編集部・倉本拓弥)

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『ダイ・ハード3』が午後ローで放送! - (C) 1995 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 今年2月に放送回数6,000回を達成した、テレビ東京の映画番組「午後のロードショー」(毎週月~金:午後1時40分~)が、5月26日から5月30日までと、6月2日から6月6日までの2週にわたり、“スペシャルウィーク”と題して人気スターが出演する洋画10作品を放送。ブルース・ウィリス主演作をはじめとする、第1弾(5月26日~30日、6月2日~3日)のラインナップを発表した。

【画像】マクレーンの娘が成長!『ダイ・ハード4.0』フォトギャラリー

 5月26日は、“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンがカリフォルニアを襲った巨大地震に立ち向かうパニックアクション大作『カリフォルニア・ダウン』(2015)を放送。27日にジェイソン・ステイサムウェズリー・スナイプス共演のスリラー『カオス』(2005)を、28日にアンジェリーナ・ジョリーが山火事と暗殺者から子供を守る森林消防隊員を演じた『モンタナの目撃者』(2021)を放送する。

ADVERTISEMENT ロック様で幕開け『カリフォルニア・ダウン』(C) Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 そして、5月29日と30日、6月2日と3日の4日間は、ブルース・ウィリス主演作品を4回連続で放送。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』(2003)、『デス・ウィッシュ』(2018)に続いて、大ヒットシリーズから『ダイ・ハード3』(1995)、『ダイ・ハード4.0』(2007)を放送する。第2弾ラインナップ(6月4日~6月6日)は近日発表予定。

 同局の岡本英一郎プロデューサーは「2026年4月1日(水)に『午後のロードショー』は、放送30周年を迎えます。2025年度はその前夜祭と位置付けて、これからも気合の入ったラインナップを視聴者の皆さまにお届けしていきたいと考えています」とコメントしている。(編集部・入倉功一)

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