ノルウェーSWFが米債削減、日本国債増額|大橋ひろこ
またしてもサプライズです。前回7月分はNFPのプラス予想がまさかのマイナスで驚きましたが、今回8月分の雇用統計はNFP予想の3倍もの好結果が出るポジティブサプライズです。
◆NFPが+16.2万人と大幅上振れ:予想5.3万人の3倍で、3月以来5カ月ぶりの大きさ。過去12カ月平均+3.1万人を大きく超えました。
◆ 過去分も合計+5.5万人の上方改定:特に7月が▼2.3万人→+2.1万人とプラス転換しています。
◆失業率低下の質も改善:4.1%横ばいですが、労働参加率が61.4%→61.6%へ回復しています。7月は参加率低下による見かけの改善でしたが、今回は分母が増えても失業率を維持しており、同じ4.1%の失業率でも中身がよくなっています。◆ 賃金は前年比3.1%で予想を上回る:予想3.0%に対し上振れ。前月の3.2%からは鈍化しましたが、下げ止まり感があります。
市場では9月利上げ確率が52%→約59%へ上昇、発表直後はドル高で反応しました。
ドル円5分足直後ドル高で反応するもその後戻り高値をたたかれて円高方向に動きましたね。NYクローズにかけてはじりじりとリバウンドし、雇用統計発表前の水準に戻って終わっていますが、この値動きは一体何を意味しているのか?
懸念材料があるとすれば、ADPとの乖離です。ADPは民間+3.8万人でしたが、NFPは+16.2万人。ISM非製造業の雇用47.8(縮小圏)とも方向が逆です。雇用統計の数字を額面通り信じていいものか・・・・。来月、また修正があるかもしれまない、という警戒もゼロではないと思われます。
トランプ大統領FRBに利下げ要求-応じなければ対米黒字国と貿易停止
雇用統計の結果云々より、こちらの方が市場を混乱させた材料かもしれません。
トランプ氏は投稿で、自ら指名したウォーシュFRB議長を「素晴らしい」と評した上で、同議長や理事らに「賢くなれ」、「たまには愛国者になれ」と強く求めた。「金利を引き下げろ。さもなければ、米国は対米黒字国との貿易を停止する」と書き込み、「高金利は米国を非常に不公平な立場に置いている。私はそんなことを許さない!」と述べた。
自身が指名したウォーシュFRB議長に強い口調で利下げを迫る書き込みを行った、というだけでなく、利下げしなければ米国は対米黒字国との貿易を停止するとまで踏み込んでいます。米国の金融政策の対立を対外貿易交渉にまで広げないでいただきたいのですが、仮にそうなれば下記の国との取引を停止することになりますね。現実的ではありませんのでウォーシュ議長に対してのただの脅しですね。しかし中間選挙前にトランプ政権がかなり追い込まれている印象を植え付けるものでもあります。米国売りにつながりかねない発言ですね。
ちなみにこの一覧は私が作成したもので、トランプ大統領は具体的な国名をあげていませんので誤解のないように。
円キャリー巻き戻しは本格化するか
9/4㈮は、米雇用統計が強くドル高に振れる局面もあったため、ドル円下落は限定的となり、一旦下げ止まる格好となりました。クロス円も同様で、円高は一服しています。
上段 ドル円 ユーロ円 ポンド円下段 NZドル円 豪ドル円 カナダ円先週の大きな円高には「円キャリーの巻き戻し」があったかと思われます。詳しくは先週のnoteに書きましたので、こちらを参照いただければと存じますが、投機筋は日銀の利上げ示唆でも日米協調の円買い介入でも、円売りドル買いで向かってきていたわけで、それなりに円キャリーポジションは積みあがっていた、ということです。
これが最新のCFTCの建玉明細。最新データーが先週9/1㈫時点のものになります。IMM通貨先物ポジションは、火曜日で締め切ったデーターがその週の金曜NY引け後に発表されるというサイクルですので、先週土曜の朝に発表された最新のものが9/1のデーターとなるわけで、ドル円下落が始まったのが9/2㈬からですので、データーに反映されていません。
なんと9/1時点で投機筋はネット円ショートポジションをさらに積み上げていていました。9.2万枚。赤い棒グラフが急伸していますね。日米通貨当局の介入がしばらくないだろうとタカを括っていたものと思われます。おそらくこのネット円ショートが9/3-9/4のドル円急落で投げさせられているものと推察されます。先週9/1まで円キャリーポジションは積みあがる方向にあったものが、9/2以降急激にひっくり返っていると思われるのですが、先週の2日間で5円ほどの円高ですべて吐き出したでしょうか。まだ残っているでしょうか?
JPモルガンは、円売りポジションが16兆-17兆円残っていると推計。これが完全に巻き戻された場合、ドル・円は理論上142-146円まで下落する可能性があるとしている。
円が対ドルで155円を突破して上昇すれば、大規模な円ショート(売り)ポジションのさらなる巻き戻しが円高を加速させる可能性がある。
まだ巻き戻しは続く可能性がありますのでご注意ください。個人投資家はこのドル円下落局面で買い向かっているようだという情報も、、、