ブルーインパルスの訓練飛行に上がる歓声、T―4退役機が人気に一役 「道の駅東松島」
いまや観光の目的地としても存在感を放つ「道の駅」。高速道路などの「サービスエリア(SA)」や「パーキングエリア(PA)」も含めて、記者が「これは」と思った東日本各地のスポットを訪ねる。
市が退役機の設置要望
ここを訪れた人であれば、誰もがカメラを構えたくなる撮影スポットがある。宮城県東松島市の「道の駅東松島」に常設展示された、航空自衛隊松島基地に所属する曲技飛行チーム「ブルーインパルス」の退役機だ。
普段は上空を舞う姿しか見えないブルーの実機が間近で見られるとあって、週末ともなればブルーファンだけではなく、県内外から多くの家族連れらがこの場所でシャッターを切る。「上空のアクロバット飛行もカッコいいけど、近くだと迫力が違う」。山梨県から家族で訪れた男性(39)は、子供を機体の前に立たせて記念撮影した。
展示されているのは、平成6年から令和2年まで展示飛行や訓練に使われたT-4機。平成10年の長野冬季五輪開会式や、14年に開催されたサッカー日韓ワールドカップ(W杯)の日本対ベルギー戦、さらに、新型コロナウイルス禍に伴う延期決定前だったが、令和2年の東京五輪聖火到着式などでも展示飛行した。
自衛隊との「共存共栄」を掲げる市が観光振興の目玉として空自に退役機の設置を要望し、機体の無償貸与を受けた。設置費用はクラウドファンディング型ふるさと納税を活用し、これまでに集まった寄付額は約5900万円。今後の維持費にも充てる。常設展示は今年2月に始まったが、市によれば、道の駅にブルー退役機が展示されるのは全国でもここだけという。
物販もブルーづくし
道の駅東松島は令和6年11月に開業。三陸沿岸道路上り線矢本パーキングエリア(PA)と連結し、一般道からも乗り入れできる。高台の立地を生かし、太平洋までの眺望とともに、空自基地から飛び立つブルーの訓練飛行を見渡せるロケーションが最大の魅力でもある。
2階展望デッキからブルーインパルスの訓練飛行を眺める来場客=4月8日、宮城県東松島市(白岩賢太撮影)白と青を基調とした施設は格納庫をイメージした外観と内装が特徴で、2階には展望デッキもある。訓練のある日は「特等席」に多くの人が集まり、機体から噴射されたスモークで青空に弧が描かれると、ひと際大きな歓声が上がる。
1階の物販エリアもブルーづくし。機影をあしらったハンカチや模型などの関連グッズのほか、地元ブランドのカキやノリ、イチゴ、地酒などの特産品も多く並ぶ。土産物の1番人気は、道の駅限定のクッキー「空からのおすそわけ」。1番機から6番機までの尾翼がデザインされ、連日飛ぶように売れる。
今年3月に来場者数が100万人を突破。市によれば、当初の目標よりやや遅れたが、売り上げは目標額を大きく上回るペースで推移しているという。市商工観光課の担当者は「ブルー人気にあやかってはいるが、奥松島の魅力を発信する地域の拠点として、さらなる誘客の起爆剤にしたい」と話す。
東松島のシンボルとして地元に長く愛されるブルーインパルス。地域に欠かせない観光資源としても相乗効果に期待が高まる。
(白岩賢太)
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<ガイド> 宮城県東松島市小松上二間堀112の5。三陸沿岸道路上り線矢本PAからすぐ。下り線の場合、矢本ICを降り、市道百合子線を経由して乗り入れもできる。物販・飲食エリアは年中無休。営業時間は各エリアによって異なるが、物販エリアは午前9時から午後7時まで。駐車スペースは133台。問い合わせは同駅(0225・25・6301)。