日経平均株価、週明け急落見通し 先物4%超下落 雇用統計過熱ショック

日経平均株価(N225)に関連した日経225先物(6月限)の価格は6日早朝の大阪取引所での終値で6万3820円。前日午後5時段階の6万6590円から2770円(4.16%)の下落となった。5日の米国株式市場では5月雇用統計が予想を大きく超える強さだったことを受け、S&P500(SPX)が前日比2.26%安という8か月ぶり下落率を記録しており、日本株をめぐる投資家心理も悪化した。

日経平均はこれに先立って記録した5日終値が前日比882.57円安の6万6588.12円。3日につけた最高値(6万8402.13円)から、4日と5日の合計で1814.01円下落する急失速となっていた。週前半に米半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)のパソコン向けAI半導体の発表などを受けた値上がりがあったため、週次では3週連続での上昇(258.62円高)を確保したが、息切れ感は否めない。

日経平均の4日以降の下落の背景には割高感がある。ブルームバーグによると、日経平均の水準と構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は最高値をつけた3日段階で25.3倍。日経平均の3月31日比での上昇率は33.95%となり、予想1株当たり利益の上昇率(14.60%増)を大きく上回る「スピード違反」の状態となっていた。日経平均の予想PERはこれまでも、25倍を超える水準は長続きしておらず、割高感が上限に達したといえそうだ。

個別株の値動きをみても、株価急騰にブレーキがかかった可能性がある。4月以降に株価が2倍になっている銘柄の中では、データセンター向けICパッケージ基板が好調なイビデン(4062)が5日までの週次で18.43%安。ChatGPTで知られるオープンAIに出資し、英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)を子会社に持つソフトバンクグループ(9984)も4日に前日比11.28%安と急落し、週次では0.87%安に終わった。4日朝に米国の半導体大手ブロードコム(AVGO)の業績見通しが一部投資家の高い期待に応えられなかったと伝わったことが、投資家心理を冷やすきっかけになったようだ。

一方、個別株の値動きからはAIブームへの期待の根強さも感じられる。半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)は5日までの週次で13.41%高となり、日経平均を706円押し上げた。メモリ半導体のキオクシアホールディングス(285A)も週次18.66%高となったほか、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)も日経平均の上昇に貢献している。積層セラミックコンデンサ(MLCC)が注目されている太陽誘電(6976)は4日と5日に失速しつつも、週次6.99%高と好調を維持した。

また日経平均が週明け8日の取引で急落したとしても、割高感の和らぎが好材料として浮上する可能性もある。仮に日経平均が6日早朝の日経平均先物の水準(6万3820円)まで値下がりした場合、ブルームバーグがまとめた今後12か月の予想1株当たり利益が2704円程度であることを踏まえれば、株価収益率は23.6倍まで下がり、25倍の「上限」は遠のく。AIブームが日本のAI関連株の追い風になっている中、日経平均は早期に反発するとの見方も成り立つ。

ただ、米国とイランの和平協議には進展がみられず、ホルムズ海峡封鎖の長期化が続いていることは、日本経済にとって大きな重荷。日本株の直近の上昇は裾野の広がりを欠いている。ブルームバーグによると、5日までの週次の値動きでは、日経平均を構成する225銘柄中の57%にあたる129銘柄が下落。東京証券取引所全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は週次0.20%安となり、4月20-24日週(1.18%安)以来6週ぶりの下落となった。33業種別の指数のうち、上昇は10業種に留まっており、やはり6週ぶりの少なさとなっている。

5月雇用統計の強さは、FRBの年内利上げの確度を高め、2022年3月以来の「利上げ局面入り」の可能性が出てきた。2022年当時のS&P500は利上げ開始前から長期的な下落圧力にさらされただけに、投資家の警戒感は強い。さらに足元の日本の金融市場では日本銀行の利上げ姿勢をという当時とは異なる事情もあり、日本の長期金利(10年物国債利回り)上昇が日経平均の下落要因として意識され、株式市場のムードが暗くなる筋書きもありえそうだ。

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