「超クウガ展」“バラのタトゥの女”怪人体制作の経緯 高寺成紀プロデューサー「強い要望があった」

左から監督の鈴村展弘、プロデューサーの高寺成紀、脚本・シリーズ構成の荒川稔久

 6月14日に開幕する「超クウガ展」の開催を記念した「さよなら丸の内TOEI」プロジェクト「超クウガ展開催記念 スタッフトーク付き上映会」が24日、丸の内TOEIで行われ、「仮面ライダークウガ」(2000~2001)プロデューサー/「超クウガ展」スーパーバイザーの高寺成紀(高ははしごだかが正式表記)、脚本・シリーズ構成の荒川稔久、監督の鈴村展弘、「超クウガ展」プロデューサーの中舘充樹(東映)が出席。来月に迫った展覧会の見どころや、サプライズで発表された「バラのタトゥの女」怪人体の立体化について語った。

【動画】全編完全新規撮り下ろし!「超クウガ展」本CM

 「超クウガ展」は、テレビシリーズから25年目にして、はじめて明かされるメイキングを中心に、展示やスタッフキャストによる解説で、革新的な作品であった「仮面ライダークウガ」がどのように作られたのかに迫る展覧会。この日は、「仮面ライダークウガ」テレビシリーズの中から、鈴村の監督デビュー作となったEPISODE17「臨戦」、「仮面ライダークウガ Blu-ray BOX2」の映像特典して収録された「検証~ドキュメント・オブ・クウガ~」が上映された。

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 「超クウガ展」の企画は、2年前に立ち上がったという。展覧会をプロデュースする中舘は、幼少期に「クウガ」を観ていた直撃世代とのことで「東映に入社して、いつか『クウガ』でもう一度何かできる機会がないかというのをずっと思っていて、25周年といういいタイミングがあり、高寺さんにお声がけをさせていただいたことがきっかけです」と経緯を明かす。

 展覧会には、初公開のものを含む「クウガ」の貴重な資料や映像、立像、ジオラマなどが並ぶ。鈴村監督が「美術デザイナーの木村(光之)さんの図面が、またすごいんです」と切り出すと、荒川も「木村さんがとっておいてくれたのには驚きました」と続ける。

 高寺プロデューサーは「(ウルトラマンやウルトラ怪獣をデザインした)成田亨さんが自分が描かれたデザイン画を大事に持っていて、木村さんも『クウガ』に対する思い出があるから、全部残っていた」とコメント。展示品を見て「こんなにあるんだ!」「このセットだったんだ!」と新たな発見も多かったそうだ。

ラ・バルバ・デ怪人体、サプライズ発表の瞬間

 トーク終盤では、サプライズとして「仮面ライダークウガ」に登場したバラのタトゥの女/ラ・バルバ・デ(七森美江)の怪人体が新規制作され、「超クウガ展」で立像が初披露されることが発表された。「クウガ」の敵組織・グロンギは、人間体と怪人体が存在するが、バラのタトゥの女は最終回まで人間体しか登場していない。

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 怪人体の制作について、中舘は「今回『超クウガ展』をやるにあたり、いろいろな企画を高寺さんはじめ、みなさんが考えていく中で、これはやらねばという話になり、なんとか実現する運びになりました」と語る。

 高寺プロデューサーは、バラのタトゥの女の怪人体について「当時、グロンギを石森プロの飯田(浩司)さんとPLEXの青木(哲也)さんらが描いてくださっていたのですが、バラのタトゥの女に関しては青木さんが担当して、最終回まで出てくる可能性があったのでラフを描いていただいてたんです。ただ、七森さんが1年間出ていたので、人間体のイメージの方がかなり強くて、怪人体との折り合いがけっこう難しかったっていうのがあり、(デザインを)寝かせていたんです。それを立体化するのは大変だなと思っていたので、若干断ったりもしたのですが、ファンの方々が望んでいるのではないかと、すごく強い要望があったので、みなさんに本当に喜んでもらえるんだったら(立体化しよう)」と実現に至る背景を明かした。

 開幕まで1か月を切った「超クウガ展」。高寺プロデューサーは「当時の『クウガ』チームが揃って、いろいろなことを語ったり、仕掛けたりしております。25周年経った視点で、みなさんに検証していただき、褒め一辺倒ではなく、『ここは時代だったな』みたいなことも改めて感じていただきつつ、『クウガ』への思いをいろいろなところで、友達に広めていただけるとありがたいです」とアピール。鈴村監督も「25年前のもので、みなさんがまだ目を通してない、見たことのないものとかがかなりあると思います。『クウガ』を好きでいてくださるみなさんが、絶対に満足する展覧会になると思います。ぜひ足を運んでいただければと思います」と呼びかけていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

「超クウガ展」東京会場は6月14日(土)~7月6日(日)まで東京ドームシティ Gallery AaMoで開催※休館日なし

平日:12時~20時、休日(土日):10時~20時(最終入場は閉場時間の60分前)

「仮面ライダークウガ」25周年記念「超クウガ展」本CM スーツアクター・富永研司による全編新規撮り下ろし » 動画の詳細

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連続テレビ小説「あんぱん」第41回より - (C) NHK

 今田美桜が主演を務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(総合・月~土、午前8時~ほか)は、26日に第9週「絶望の隣は希望」第41回が放送。あらすじを紹介する。

【画像】祝言の話が進むのぶ(今田美桜)…第41回場面写真

 昭和15年1月、朝田家ではのぶ(今田)の祝言の話が進み、釜次(吉田鋼太郎)たちは胸を弾ませる。同じころ、嵩(北村匠海)は卒業制作を仕上げたらのぶに会って気持ちを伝えようと、作業に没頭していた。

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 そんな嵩のもとに、とある電報が届く。

 朝ドラ112作目の「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしさんと小松暢さんの夫婦をモデルとしたオリジナルストーリー。脚本は、「花子とアン」(2014)以来2度目の朝ドラ脚本となる中園ミホが手掛け、激動の時代を生きた二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどりつくまでの物語をフィクションとして描く。

 暢さんをモデルとしたヒロイン・朝田のぶを、「おかえりモネ」(2021)以来2度目の朝ドラ出演で初主演を務める今田が演じ、やなせさんがモデルの柳井嵩役を北村匠海が務める。RADWIMPSの主題歌「賜物」がドラマを彩り、語りを林田理沙アナウンサーが担当する。(清水一)

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昭和・平成・令和の戦隊レッドが勢揃い! - (c)2025 映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会 (c)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映(c)テレビ朝日・東映AG・東映

 仮面ライダー&スーパー戦隊の劇場版『仮面ライダーガヴ&ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー Wヒーロー夏映画2025』から、スーパー戦隊シリーズ50周年を記念した特別ビジュアルが公開された。

【動画】ガヴ&ゴジュウウルフが共闘!『Wヒーロー夏映画2025』特報

 1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」から半世紀にわたって続くスーパー戦隊シリーズは現在、50周年記念作「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」(テレビ朝日系・毎週日曜午前9時30分~)が放送されている。記念ビジュアルには、「FOREVER OUR HEROES」のキャチコピーが添えられ、「ゴレンジャー」から「ゴジュウジャー」までの歴代レッド50名が集結した。

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 ゴジュウウルフが大きく描かれ、ビジュアルの右部分には令和に誕生したスーパー戦隊からキラメイレッド(「魔進戦隊キラメイジャー」)、ゼンカイザー(「機界戦隊ゼンカイジャー」)、ドンモモタロウ(「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」)、クワガタオージャー(「王様戦隊キングオージャー」)、ブンレッド(「爆上戦隊ブンブンジャー」)が並ぶ。中央下には、アカレンジャー(「秘密戦隊ゴレンジャー」)を中心に平成・昭和を走りぬいたレッドたちが勢揃いした。

記念ビジュアルのミニポスターを特典配布 - (c)2025 映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会 (c)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映(c)テレビ朝日・東映AG・東映

 5月30日より発売のムビチケ前売券第2弾(※通販限定の販売)では、購入特典としてスーパー戦隊50周年記念ビジュアルのミニポスターが配布される。ムビチケカードは全3種で、各スーパー戦隊の放送年の元号ごとに「昭和Ver.」「平成Ver.」「令和Ver.」がラインナップされている。(編集部・倉本拓弥)

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桐谷健太演じる大田南畝 - (C)NHK

 横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の25日放送・第20回で初登場する狂歌師、幕臣の大田南畝(四方赤良)。演じる桐谷健太が、本作で描かれる南畝の人物像や撮影現場の様子についてコメントを寄せた。

【画像】蔦重と大田南畝の出会い【第20回】

 大河ドラマへの出演は、「龍馬伝」(2010)、「いだてん~東京オリムピック噺~」(2019)に続き3作目となる桐谷。演じる大田南畝(おおた・なんぼ)は、牛込の御徒組屋敷で生まれ育った幕臣。十代で出した狂詩集「寝惚先生文集」で一躍その名をとどろかせ、その後「四方赤良(よもの・あから)」という狂名で、天明狂歌をけん引する存在となる。批評家、戯作者など多彩な一面も持ち合わせ、蔦屋重三郎(横浜流星)とは、南畝が書いた黄表紙評判記「菊寿草」をきっかけに、交流がスタートする。無類の酒好きでもある。

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 「南畝は、とっても明るい人なので、自分もすごく楽しくやってます。 収録の日は、なぜかみんな拍手して終わったりして(笑)。そういうのも、うれしいですよね」と撮影を満喫している様子の桐谷。劇中では狂歌独特のせりふ回しもあり、「南畝は、すごく言葉遊びをしていた方なので、それに音を合わせて言ってみたり、自分なりにやっているんですけど、せりふの一つ一つが頭に残るというか、こびりつくというか。どういう詠み方を、歌い方をしていたか実際に分かる人はもういないので、感覚とその場の空気感で、自分なりの南畝としての詠み方をいい感じでやれていると思います」とアプローチに触れる。

 初登場に向け「激動の時代に『めでたいめでたい』と言いながら、世の中を明るくしようとした南畝の生きざまを微笑ましく見ていただけたらうれしいです」と視聴者に呼び掛けている。 

 第20回「寝惚(ぼ)けて候」では蔦重が「菊寿草」(批評本)で自身の本を高く評価され、書物問屋の須原屋(里見浩太朗)と共に大田南畝を訪ねる。そこで蔦重は南畝から今江戸で人気の狂歌の会への誘いを受ける。(石川友里恵)

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『岸辺露伴は動かない 懺悔室』よりソトバ(戸次重幸) - (C) 2025『岸辺露伴は動かない 懺悔室』製作委員会 (C) LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

 荒木飛呂彦の人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ「岸辺露伴は動かない」を高橋一生主演で実写化する映画の新作『岸辺露伴は動かない 懺悔室』(公開中)。イタリア・ベネチアを舞台にした本作の見せ場の一つとなるのが、「ポップコーンを投げて3回続けて口でキャッチできたら呪いは消える」という命懸けのゲーム。大東駿介戸次重幸らが臨んだ本シーンの裏側を、渡辺一貴監督が語った。

【画像】ポップコーンバトルの裏側(メイキング&場面写真)

 相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気漫画家・岸辺露伴(高橋)を主人公にした本シリーズ。連続ドラマが2020年から2024年にかけて全4期、計9エピソードを放送。2023年5月に公開された『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が興行収入12億5,000万円(日本映画製作者連盟調べ)のヒットを記録し、足掛け5年に渡る人気シリーズへと成長した。『岸辺露伴は動かない 懺悔室』では日本映画初となるイタリア・ベネチアロケを実施し、取材旅行でベネチアを訪れた露伴が、恐ろしい呪いに見舞われるさまを描く。主人公・岸辺露伴役の高橋一生、実写シリーズを通じて登場する露伴の担当編集・泉京香役の飯豊まりえに加え、玉城ティナ、戸次重幸、大東駿介、井浦新らが名を連ねる。

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 映画は、ベネチアの教会を訪れた露伴が懺悔室で、一人の男の奇妙な告白を聞くところから幕を開ける。男は、過去に犯した過ちにより「幸せの絶頂の時に絶望を味わう」呪いをかけられているという。ある罪を背負った男だが、原作には彼に対する露伴の「怨霊に取り憑かれてもあきらめず孤独に人生を前向きに生きる男…彼は悪人だと思うがそこのところは尊敬できる…」という言葉があり、その肯定ともとれるメッセージは映画の物語にも生かされている。

 「田宮(井浦新)や水尾(大東駿介)は、善人か悪人かで言えば悪人かもしれないのですが、命を燃やして生きているというか、必死に生きている感じがお芝居を通してすごく伝わってきて。マリア(玉城ティナ)もまた宿命に抗いながらも自分の幸せを見つけようとしている。彼らの“生きることへの貪欲さ”を強調するというのは、初めはそこまで意図していなかったことで、井浦さん、大東さん、玉城さんのお芝居を見て改めて、この作品の大切なテーマのひとつなのだと気づかされました」

 生への執着を表す最たるシーンが、水尾が「幸福の絶頂」を迎えたときに、かつて死なせたホームレスのソトバ(戸次重幸)から命懸けのゲームを強いられる場面。

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 「ポップコーンを3回投げて口でキャッチすることに人生の全てをかける様っていうのは一見滑稽に見えますが、観ているうちに何だか愛おしく思えてくるし、“頑張れ”と応援したくなる。ここまでパッションを感じるシーンになるとは思っていませんでした。それは大東さん、戸次さんをはじめとする役者さんの力によるものだと思います」

 ポップコーン対決の場面は、台本で9ページにわたり、約150カットに及んだ。“勝負”と言えば、ドラマ3期の「ジャンケン小僧」でも露伴と、露伴のファン・大柳賢(柊木陽太)とのジャンケンでの一騎打ちが展開されたが、同エピソードとは比較にならないほどの労力だったという。

 「『ジャンケン小僧』は、露伴の相手が『人』だったので、シンプルにお芝居として撮影できたのですが、今回の場合は基本的に大東さんの一人芝居。水尾がポップコーンを投げた時に降りかかってくるさまざまな困難は人間が相手ではありません。周りにいる鳩の反応はどうなのか、太陽の光がどう影響してくるのか、投げたポップコーンはどうなるのか、複数の複雑な要素を組み立てなければならない。そのため細かいカット指定が必要になって、最終的には150カット程の構成になった。2日かけて何とか撮ったのですが、撮影した11月は日が一番短い時期だったので時間も限られていて、かなりのプレッシャーでした」

ADVERTISEMENT 少女の舌に憑依しているのがソトバ

 水尾に勝負を持ち掛けたソトバは、赤い修道服のような衣服をまとった少女の“舌”に憑依している設定。舌にソトバの顔が現れ喋り出すというショッキングな映像で、別撮りの顔のアップと組み合わせて構成されている。

 「憑依したソトバをどう表現するのか、というのはチームのみんなでかなり考えたところで。僕がネットでリサーチしていたときに、薄い膜から人が顔を突き出しているアート写真を見つけたんです。これを応用すればいけるんじゃないかっていう話になって、解決の糸口が見つかった感じです。戸次さんが膜のフィルターを通して喋っているので、それがボイスチェンジャーのような効果にもなっていて。声は少し加工していますけど、ほぼ生に近い声を使っています。戸次さん、めちゃくちゃ楽しそうにやられていましたよ(笑)」

 手に汗握る勝負が繰り広げられる本シーン。ポップコーンを投げるたびに予想しない事態に見舞われ、必死に打ち勝とうとする水尾を全身で表現する大東。それをあざ笑うかのようなソトバを膜越しに怪演する戸次。二人の熱演と、渡辺監督をはじめとするスタッフの血のにじむような奮闘のすえ、大スクリーンで観てこそ迫力が伝わる名シーンに仕上がった。(取材・文:編集部 石井百合子)

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左から監督の鈴村展弘、プロデューサーの高寺成紀、脚本・シリーズ構成の荒川稔久

 24日、「さよなら丸の内TOEI」プロジェクトの一環として「超クウガ展開催記念 スタッフトーク付き上映会」が丸の内TOEIで行われ、「仮面ライダークウガ」(2000~2001)のプロデューサーである高寺成紀(高ははしごだかが正式表記)、脚本・シリーズ構成の荒川稔久、MCとして監督の鈴村展弘が出席し、25年経っても色褪せない作品の魅力を“再検証”した。

【動画】全編完全新規撮り下ろし!「超クウガ展」本CM

 「超クウガ展」は、テレビシリーズから25年目にして、はじめて明かされるメイキングを中心に、展示やスタッフキャストによる解説で、革新的な作品であった「仮面ライダークウガ」がどのように作られたのかに迫る展覧会。高寺が展覧会のスーパーバイザーを務め、主人公・五代雄介役のオダギリジョーがナビゲーターとして音声ガイドを担当する。

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 イベント第一部では、「仮面ライダークウガ」テレビシリーズからEPISODE17「臨戦」が上映された。同エピソードは、「クウガ」の総集編でありながら、新規怪人として未確認生命体第25号(=メ・ガドラ・ダ)が登場し、クウガとの戦闘シーンが盛り込まれている。

 上映後、高寺プロデューサーは「みなさん『クウガ』を何回も観ていただいているかもしれないですが、改めて全体を振り返るには、17話がある意味ちょどいいのではないかということで上映させていただきました」と説明。「EPISODE11『約束』とEPISODE12『恩師』を制作するにあたって、撮影がストップしたことや、諸々が積み重なって、東映がアップアップになってしまって……。新しいエピソードが作れないことになり、この総集編を作ろうということになりました」と「臨戦」誕生の背景を明かした。

高寺成紀プロデューサー

 「臨戦」で監督デビューを果たした鈴村監督は、「従来の総集編と違うのは、新規怪人を作って、アクションをやっていること」と語る。「セットで撮影をして、いろんなことを振り返って終わるのはよくあるパターンじゃないですか。でも、ちゃんと戦いもあって、新規怪人を出してみたいなところが『クウガ』っぽくていいですよね」

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 総集編となるエピソードの制作には、予算や時間を節約しなければならない。高寺プロデューサーは「怪人を出したり、新撮部分を増やしちゃいけない。なるべく減らして、コンパクトにやらなきゃいけないわけなのです。僕の記憶では、鈴村がきちんとしたエピソードにしたいと要望をしていたんじゃないかなと思います」と鈴村監督の「クウガ」に対する情熱が制作に反映されていたと明かした。

 トークは、鈴村監督の師である石田秀範監督の話題になり、鈴村監督は「石田監督が無理難題を言ってきまして。『そんなものできるわけない』ということを、一つずつ解決していっていました」と回顧。その例として、未確認生命体第37号(=ゴ・ブウロ・グ)が登場したEPISODE25「彷徨」とEPISODE26「自分」を挙げ、「ブウロが一回(クウガに)打たれて落ちる時に、壊れた車があって。石田監督は『車を1台壊しておいてくれ』っていうわけですよ。会社に話をして、撮影所の駐車場で、一人で車に火をつけて、鉄球を落としてへこませて、消火栓で火を消してたんです。当時『タイムレンジャー』とかのスタッフから『クウガ』の撮影が大変すぎて、『いよいよ頭がおかしくなった』と思われていました(笑)」と裏話を披露。荒川も「クレーン車持ってきて、鉄球落としたんですよね」と反応し、鈴村監督は「まさか石田監督の一言で、自分一人でその車を作ることになるという。あれは大変でした」と振り返っていた。

ADVERTISEMENT 脚本・シリーズ構成の荒川稔久

 イベント第2部では、「仮面ライダークウガ Blu-ray BOX2」の映像特典して収録された「検証~ドキュメント・オブ・クウガ~」が上映された。同作は、平成仮面ライダーシリーズの礎を築いた「クウガ」が、いかにして誕生したのかを、オダギリや葛山信吾(一条薫役)のキャストや、高寺プロデューサーらスタッフ陣の証言から紐解いていく作品。上映後には、同作を担当した東映ビデオの小田元浩、プロデューサーの近藤あゆみ、監督の古波津陽も登壇し、製作の裏話が語られた。

 小田は、「クウガ」の特性を生かして従来とは違うアプローチで映像特典を製作したかった」と企画経緯を振り返る。「仮面ライダーを全く観たことがない方に作っていただきたかった。同じ映像業界にいながら、違う視点で『クウガ』を検証していただきたいというお話になりました」

 古波津監督は「テレビのない家庭に育ったので、どの番組も観ていなかったんです。大人になってから初めて『クウガ』を観て、いろいろ衝撃がありました」と「クウガ」との出会いを回顧。「仮面ライダーってこういうものだろうという思い込みがあったのですが、『クウガ』に触れた時、思っていたものと全然違った。“仮面ライダーを装ったドラマ”みたいな感じがしました。観ていて不安定な気持ちにさせられたのが、第一印象です」と悪役グロンギの描写、グロンギを倒す主人公・五代の苦悩など、作品からにじみ出る生々しさに驚きを隠せなかったという。

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 作り手に対するリスペクトが沸いたという古波津監督は、「どんな人たちが作っていたのかに興味が湧いたので、それを糸口にしながら、当時どういう気持ちだったのか(を聞き出しました)」とドキュメント制作のアプローチを明かし、「特に気持ちの部分でいうと、ドラマを作った方たちの“反旗の翻し方”ですよね。今まであったものをぶち壊してやろうっていう。誰もがおっしゃっていることで、それにもものすごく興味がありました。言うのは簡単だけど、実際にやるにはものすごいエネルギーがいることじゃないですか。当時の心境は、いちファンとしても聞かせていただきました」と笑顔で振り返った。

MCを務めた鈴村展弘監督

 鈴村監督は、師である石田監督の言葉を借りながら「『クウガ』のスタッフは、同じ方向に矢印が向いていたんですね。みんなが同じゴールを見据えて作品を作っていたから、こういった形で成功したんじゃないかと思っているんですよね。師の言うことを『なるほど』と思いながら聞いてはいました」とコメント。荒川も、「違うことをやってやろうと常に思っているけど、当時はそうそうできるものじゃなかった。数パーセントできればいい方。(『クウガ』は)奇跡の出会いがあったから、成立したと思います」と感慨深げに話していた。

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 ドキュメントを編集していく中で、古波津監督は「反旗を翻すことは目的ではなく手段だった」ことに気がついたという。「高寺さんのインタビューで、最後のセリフに現れていたので、僕はすごく衝撃を受けました。殺し合うことの無駄。助け合う方向に早く向かうといいとおっしゃっていて。そう考えると、反旗を翻すことって目的じゃなくて手段であり、そこに静かなどんでん返しをくらいました」

「超クウガ展」メインビジュアル - (c)石森プロ・東映

 ドキュメントを復習した近藤プロデューサーは、「(「クウガ」は)全然古くないと思ったんです」と強調。「扱っているテーマがすごく普遍的。荒川さんが暴力をどう描くかっていうことをすごく大事にしたいと話をしていて、暴力を描かなきゃいけないけど、それに対して子供たちのフォローがあって、すごく丁寧ですよね。優しいドラマだなっていうことを改めて思いました」と話していた。

 3時間のイベントは、貴重な映像上映と白熱のトークショーで大盛り上がり。客席には、石田監督と「クウガ」の世界観を構築した文芸の大石真司の姿も見られ、イベント終了間際には二人にも盛大な拍手が送られた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

「超クウガ展」東京会場は6月14日(土)~7月6日(日)まで東京ドームシティ Gallery AaMoで開催※休館日なし

平日:12時~20時、休日(土日):10時~20時(最終入場は閉場時間の60分前)

「仮面ライダークウガ」25周年記念「超クウガ展」本CM スーツアクター・富永研司による全編新規撮り下ろし » 動画の詳細

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