【RIZIN】佐藤将光「駒杵と一緒にRIZINに出たい」×スーチョル「試合をたくさん重ねてきたので、少し休む必要があります」=5月31日(土)韓国
2025年5月31日(土)韓国仁川のパラダイスシティにて『RIZIN WORLD SERIES in KOREA』が開催された。
セミファイナルでは、バンタム級屈指の好カードとして、2012年6月の『ROAD FC 8』以来の再戦が組まれた。前回はスーチョルが4R TKO勝ちしている。
佐藤は、24年3月のRIZIN2戦目で井上直樹とハイレベルな攻防の末、判定負け。9月に元フェザー級王者から階級を下げて来た牛久絢太郎に判定で完勝している。
スーチョルは、対日本人10勝無敗をマークしていたが、9月に空位のRIZINバンタム級王座をかけ井上直樹と対戦し、1Rにキャリア初のKO負けを喫した。そのわずか1カ月後の10月、ROAD FC 63kgT準決勝で判定勝ち、12月の決勝戦でヤン・ジヨンのバッティングを受けてノーコンテストとなっている。
▼第10試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R×キム・スーチョル(ROAD GYM WONJU MMA)23勝8敗1分 60.90kg[判定3-0]〇佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)36勝16敗2分 60.83kg ※試合前インタビュー
試合は、前半の組みのスーチョルに佐藤が右の打撃を効かせ、クリンチの攻防でも際の打撃は佐藤。マックス・コクエイコーチ、髙城光弘らと練習してきたヒジ・ヒザを打ち込み、スーチョルにバックを取られても前転のグランビーロールでトップを奪いに行くなどエスケープし、判定勝ち。13年ごしのリベンジを果たした。
試合後の佐藤とスーチョルのコメントは以下の通り。
佐藤将光「これからもぜひ強い選手と、楽しみにしています」
──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
「MMAを十分に堪能できました」
──2度目の対戦となったスーチョル選手と、今回戦った印象を教えてください。
「最初は“思ったより出てこない”と思ったのですけど、回を増していくごとにガンガン彼のすごい強い部分が出てきて、気持ちで呑み込まれそうになる場面があるくらい、すごい前に出てきたなという印象です」
──今回の作戦を話せる範囲。そしてそれを実行できたかについても教えてください。
「概ね作戦通りにできたかな、と思う……というか、どういう展開になるかをいろんな場面で想定していたので、それに当てはまるような形になったなという感じです。で、彼がずっと前に出てくるのは……、どこかでは絶対前に出てくるというのは、どの試合を見てもそうだったので、それに対してカウンターを合わせていくような作戦だったりとか、逆にそれは出なかったですけど、逆にテイクダウンを、前に出てくる瞬間に狙ったりとか、ヒジも狙っていましたし、それは狙っていました」
──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。
「今後の展望も目標もなくて、まあこのままずっとMMAを楽しくやっていきたいというところです」
──13年前の試合と今日の試合を比較してどんな違いがありましたか。
「本当にもう、全部違う(笑)。あの時とは僕も彼もレベルも違うし、彼に至ってはもうファイトスタイル自体がだいぶ変わっているから、何もかもが違いました。すごい強かった。しっかり受け止めて、しっかり勝てたのが良かったです」
──序盤に何度か強いパンチをもらったように見えたのですが、その時のダメージは大丈夫でしたか?
「あ、僕が? もらったとき。1Rの1発目に相手の右をもらいましたね。まあ軽く効いたけど、なんか力が入らなくなるとか、そういうことはなくて、“危ない! 普通にアゴにもらった!”というのが1発ありました」
──先ほど「目標はなく、MMAを楽しみたい」というお話がありましたが、良いコンディションで格闘技をずっと楽しみ続けられる、何か秘訣があるようでしたら、教えてください。
「MMAがすごい好きだから。だから楽しく練習もできるし、この『試合』という、『特別な場もすごく楽しめるタイプ』だから、かな」
──今日の試合、やっていて楽しいということが見ている側にも伝わってきましたが──。
「(遮って)いや、恐さがめっちゃありましたよ(苦笑)。まあスリルもありましたけど」
──また試合後には「もう一度スーチョル選手と戦うかもしれない」というコメントをされていましたね。それは近い時期なのか、もう少し先なのか、予感としてはいかがでしょうか。
「いや(苦笑)、すぐは絶対ない(笑)。だいぶ先で“あったらいいな”って思うけど。もう、なんか、今は彼とゴハンとか食べたいなっていう」
──RIZINの動画にお父さん(佐藤孝信)も出演していましたが、一緒に韓国に来ているのですか。
「一緒というか、韓国自体には先に入ったみたいですけど、さっき初めて、パスを渡す時に会った感じです」
──ではお父さんの試合の感想はどのようなものでしたか。
「まだゆっくり喋ってないですけど、まあ多分スーチョルのことをすごく褒めて『お前もあれくらい行けよ』という感じなのは、想像つきます。今回は喜んでくれてるとは思います」
──今後の展望について具体的な話はありませんでしたが、ファンとしては、タイトルコンテンダー同士であるスーチョル選手に勝利したことで、やはりベルトに近いところでの試合を臨む声もあると思います。たとえば、男祭りで初参戦した(ダニー・)サバテロのような選手と戦うことなどは、どう考えていますか?
「うーんまあ、僕がコントロールすることじゃないんで。プロモーターだったり、ファンの声を聞いたうえでプロモーターが判断することで、何とも言えないですけど。もちろん、サバテロはすごいいい勝ち方していたので。そして、実績もあるので。間違いなくリストにはきっと入っているだろうし、どう組み合わせていくかは、大会の流れっていうか。
それはサバテロもそうだし、(前回フェザー級で戦った)秋元強真選手はバンタムでまだやるのかわからないし、あとは今度、北海道でいっぱいバンタムの試合も組まれるんで(マゲラム・ガサンザデvs.安藤達也、中島太一vs.CORO、後藤丈治vs.鹿志村仁之介)、そのあたりだったり、元谷(友貴)さんだったり、いろんな選手の試合のタイミングとか兼ね合いだと思うので、僕は変わらずやっていってオファーもらって、よっぽど変な選手はいないと思うので、これからもぜひ強い選手とね、楽しみにしています。あとは福田(龍彌)選手とかもいますよね」
──以前から韓国の選手と対戦することは多かったですが、負けている選手もいて、今回のスーチョル選手もそうでしたが、リベンジのような感じで他にまた再戦したい韓国の選手はいますか?
「特にとくに恨みとかはないですけど(笑)。リベンジしたいというか、1回負けてる相手とできるチャンスがあるんだったら、またやりたいなと思いますけど、どうでしょうね。僕、ROAD FCではすごい負け越しているので、その頃に戦った選手、カン・ギョンホとか、今まで戦ってきたなかで1、2を争うくらい強かったので、やってみたいとは思いますけど多分、彼はもうUFC(との契約も)終わったんですかね?(※ギョンホは24年6月に2連敗目を喫しUFC契約終了。12年間在籍した)で、引退されているんですかね? まだやっているんですか? すごい強かったので、RIZIN来たらめっちゃ人気も出るし面白くなると思いますけど、それが僕なのか分からないですけど、彼はすごい強かった」
──先ほど「練習を楽しめている」というお話をされていましたねが(Black Combatフライ級王者になった)駒杵嵩大選手にもその、「楽しむ」という姿勢を教えているのかどうかに、興味があります。
「ああ……まあ楽しく教えてますよ。うん、駒杵……駒杵が楽しいか分からないけど(笑)、まあ彼は多分楽しく続けてくれてると思う。そう、今度出したい、駒杵をRIZINに。Black Combat、お願いします。一緒に出たい。韓国大会に」