イスラエル、イランのミサイルで約4250億円の経済被害－政府が試算

イスラエルは、イランと12日間続いた戦争での被害額を100億シェケル（約4250億円）と見積もった。この額にはミサイルに被弾した建物の修繕費用や国内企業に対する補償金支払いなどが含まれているという。

　　イスラエル財務省と税務当局が今週共有したこの試算から、イランが約２週間にわたるロケット攻撃で、イスラエルの防空網をどの程度突破したかをうかがい知ることができる。

　　補償金の支払いを担当するイスラエル国税庁のアハロノビッチ長官は「イスラエルに対して、これまでで最大の挑戦が突きつけられている。イスラエル史上、これほどの損害を被ったことはなかった」と記者団に述べた。

　　イスラエルが試算した被害額には、戦争で使用した兵器や防衛システムの補充は含まれていない。これらの分析が完了すれば、戦争の総費用ははるかに高額となる可能性が高い。

　　スモトリッチ財務相は記者会見で、戦争の総費用は120億ドル（約１兆7330億円）に上る可能性があると説明。一方、イスラエル中銀のヤロン総裁は25日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、その半分程度だろうとの見方を示していた。最終的な数字がどうなるにせよ、１年８カ月に及ぶ多方面にわたる戦争で疲弊した経済にとっては、大きな負担になる。

　　イスラエル中銀は今年の経済成長率を3.5％と見込んでいたが、最近の戦争によって影響を受ける可能性がある。

　　イスラエルは今月13日にイランをドローン（無人機）とミサイルで攻撃を開始。交戦はトランプ米大統領が24日未明に停戦を宣言するまで続いた。イスラエル救急当局によると、イランのミサイル攻撃で28人が死亡し、1300人余りが負傷した。イラン政府はイスラエルの攻撃で627人が死亡したと報告した。

　　イスラエルは世界最新鋭クラスの防空網を誇るが、それでも一般的にはミサイルの10－15％の突破を許すと見込まれる。

　　トランプ氏は25日、「これらの弾道ミサイルが多くの建物を破壊した」と指摘し、イスラエルとイランはともに「疲れ、消耗した」と述べた。

原題：Iran Caused $3 Billion of Damage With Missile Strikes on Israel（抜粋）