任天堂スイッチ2の「Proコントローラー」レビュー 買ったほうが良い? 長所と短所は

 新型コントローラーは先代よりも「少しだけ」プロ感が漂っている──。  Switch 2のProコントローラーは、標準のJoy-Conよりも快適なゲームプレイを楽しめる。パッと見では初代のProコントローラーにそっくりだが、「Pro」を名乗るにふさわしい新たな機能が加わっている。 【画像】背面に追加されたボタン  価格は9980円。初代モデルの7000円台から値上がりした点はやや気になる。一方、初代Switch用のProコントローラーもSwitch 2でそのまま使えるため、出費を抑えたいユーザーは初代用を流用しても良いだろう。  Proコントローラーは、テレビに接続してゲームをする際に真価を発揮するが、冷静に考えれば、「必須」とまでは言えない高価なアクセサリーのひとつとも言える。  初代SwitchとSwitch 2のProコントローラーは、両モデルとも触った感じがほぼ同じだ。初代がそもそも快適だったため、これは歓迎すべき点だ。サイズや形状、ボタン配置もほぼ同じだ。一方で初代はグリップに控えめなテクスチャーがあり、Switch 2用は滑らかだ。私は新しいコントローラーのほうがやや快適だと感じる。  また、新しいJoy-Con同様にGameChatボタンが下部に搭載された。これはゲームプレイの画面共有や、友達と気軽にビデオや音声で交流するためのショートカット機能だ。とはいえ、わざわざこのボタンを押さなくても、ホーム画面に戻って手動でGameChatを起動することもできる。  もうひとつの大きな追加要素が、コントローラー背面に搭載された「GL」と「GR」という2つのボタンだ。ここには、好きな入力操作を割り当て可能で、いわゆる「プロ仕様コントローラー」ではおなじみの機能だ。初代のSwitch Proコントローラーでは搭載されておらず、多くのゲーマーが長らく待ち望んでいた。特にシューティングゲームでは、ジャンプやしゃがみ操作をこれらボタンに設定することで、親指を右スティックから離すことなく機敏な操作が可能になる。  操作の割り当ては、Switch 2の設定メニューから手軽に変更できるほか、プレイ中でもHomeボタン長押しで切り替えられる。嬉しいことに、この割り当て設定はゲームごとに個別保存ができるため、タイトルを切り替えるたびに細かな設定変更をする煩わしさもない。  残念なのは、背面のボタンが左右に1つずつ、合計2つしかないことだ。PlayStationの「DualSense Edge」と同じ構成だが、できれば「Xbox Elite」コントローラーのように4つのプログラマブルボタンを搭載して、より自由度の高いカスタマイズを可能にしてほしかった。さらに、DualSense EdgeやXbox Eliteでは、ボタンのパーツ自体を好みの形状に付け替えられるが、任天堂は今回そこまで踏み込まなかった。  一方で、新たに追加されたヘッドホン端子は嬉しい改善だ。特に深夜や周囲に気を使って静かにゲームを楽しみたいときには、非常にありがたい機能と言える。  バッテリー性能は初代と変わらず、フル充電で約40時間の連続使用が可能だ。これはゲーム用コントローラーとしてはトップクラスの持ちの良さで、例えばDualSense Edgeの5〜6時間と比べると圧倒的な差がある。しかも充電スピードは格段に改善されており、任天堂の公表では、初代が約6時間かかった満充電が、わずか3.5時間に短縮されている。  主要な操作ボタンやアナログスティックの感触は、初代からほぼ変わっていないが、もともと完成度が高かったため特に不満はない。ただ十字キーは大幅に進化し、操作感が格段に滑らかになった。特に格闘ゲーム『ストリートファイター』のように斜め方向への精確な入力を求められるタイトルでは、必殺技のコマンド入力がスムーズになったのを実感できた。また、『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』のような2Dアクションで細かな動きを制御するときにも、新型の十字キーの恩恵を強く感じる。  ただし、依然としてアナログトリガーが搭載されていない点はかなり惜しい。XboxやPlayStationでは当たり前の機能となっており、レースゲームでアクセルの踏み込み具合を繊細に調節できるのはゲーム体験を大きく向上させるポイントだ。それがSwitch 2 Proコントローラーには搭載されていないため、リアルな操作感を求めるゲーマーにとっては大きなマイナスとなってしまう。 総評  意外な盲点だったのは、この新型コントローラーがPCと無線で接続できないことだ。Steamもまだ認識しておらず、初代のコントローラーも正式対応までかなり時間がかかったことを考えると、今後のアップデートに期待するしかないだろう。XboxやPlayStationのプロ向けコントローラーと比較すると、機能面でやや劣るのは否めないが、それらの価格は約200ドル前後することを考えれば、任天堂があえて価格を抑える代わりに機能を絞ったのも納得はできる。  結局のところ、Switch 2のProコントローラーは、テレビにつないでじっくり腰を据えてプレイするユーザーにとっては間違いなく良い製品だ。初代から順当に進化を遂げ、任天堂が目指す「プロ仕様」の理想にまた一歩近づいた。しかし、すでに初代Proコントローラーを持っているユーザーにとっては、買い替えを勧めるほどではない。新たに加わった背面ボタンやヘッドホン端子、ゲームチャットへのショートカット機能はどれも確かに便利だが、「なくては困る」とまでは言えないからだ。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japan
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