カーバナ株復活、空売り投資家の損失1兆円超-最安値から1万%上昇

Jordan Fitzgerald

  • 空売り投資家の22年末以来の評価損74億ドル超-上場来高値更新で
  • こうした銘柄を空売りする危険性を学ぶ痛烈な教訓と専門家

オンライン中古車販売の米カーバナの株価が先週、上場来高値を更新した。2022年末の過去最安値から1万%を超える上昇となり、同社株を空売りしていた投資家に大きな打撃を与えた。

  カーバナは17年の上場後に投資家の人気の的となったものの、過大評価されているとの指摘やずさんな事業慣行を巡り批判を受けてきた。

  今回の株価急伸は、7月30日に発表された4-6月(第2四半期)決算が好調だったことを受け、業績回復が本格化しつつあるとの期待が高まったことが背景にある。

  市場データ会社S3パートナーズの試算によると、カーバナ株の上昇により、空売り投資家の22年末以来の評価損は計74億2000万ドル(約1兆1000億円)に膨らんだ。浮動株に占める空売り残高の割合は現時点で約10%と、最安値を付けた22年12月27日の55%から大きく低下している。

  ラウンドヒル・ファイナンシャルのデーブ・マッザ最高経営責任者(CEO)はカーバナ株の安値からの回復について、「株式市場の歴史で最も劇的な回復の一つで、こうした銘柄を空売りする危険性をあらためて学ぶ痛烈な教訓だ」と語った。

  カーバナ株は8月1日、前日比5.7%安で取引を終えた。7月31日に記録した最高値からは値下がりしたものの、週間ベースで10%超の上昇となった。

  カーバナのオンラインプラットフォームを使えば、顧客は座ったまま中古車を購入できる。このビジネスモデルが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期に大きな注目を集め、同社株は急騰。しかし、その後のテクノロジー株全体の急落局面で99%値下がりしていた。

原題:Carvana’s 10,000% Rally From Low Deals $7 Billion Blow to Shorts(抜粋)

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