「飛び出た眼球がぶらんぶらんと…」目の前で手榴弾が爆発、下半身から大量出血…ロシア軍の日本人兵士が“特殊部隊”で見た「戦場のリアル」(文春オンライン)

 大阪で経営者として働いていた金子大作氏は、2023年8月、ロシアの外国人傭兵部隊「ピャトナシュカ旅団」に狙撃手として入隊した。 【写真】この記事の写真を見る(2枚)  激戦地アウディーイウカの最前線で彼を待ち受けていたのは、生存率を度外視した非情な突撃作戦。目の前で手榴弾が爆発し、死を覚悟した男が見た“戦場のリアル”とは――。元実業家の日本人兵士が、特殊部隊で経験した凄絶な最前線の記録を、新刊『 ロシア軍の日本人兵士 最強の特殊部隊「アフマット」で見た地獄 』(講談社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/ 続きを読む ) ◆◆◆

 1発目の手榴弾の爆発で、どうやら内臓をやられたようだった。左下半身は裂傷を負い大量の血が溢れ出し、腰にも激痛が走る。  だが、悪夢はさらに続いた。2発目の手榴弾が目の前で爆発。無音の世界で頬に衝撃を感じ、本気で死を覚悟した――。  2023年11月、僕はウクライナ東部の工業都市「アウディーイウカ」の最前線にいた。親ロ派政権の崩壊につながった2013〜2014年の大規模デモ「マイダン革命」以降、この街ではロシアとウクライナ両軍の睨み合いが9年も続いていたが、2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻した後は戦闘がさらに激化した。  ロシアでは当初、ウクライナ侵攻を「SVO」(特別軍事作戦)と呼称し、ウラディミール・プーチン大統領やロシアメディアは一貫して「戦争」と表現しなかった。ロシアを西側諸国の脅威から守り、ウクライナ東部の人々を救済する……これがSVOの目的とされた。  アウディーイウカはSVOを象徴する激戦地だった。ロシア軍は多数の死者を出そうとも次々と兵士を補充し、一方のウクライナ軍も一歩も引かない徹底抗戦を続けた。  そんななか、SVO開始から1年9ヵ月が過ぎた2023年11月21日、ロシア軍の外国人部隊「ピャトナシュカ旅団」の最高司令官が、ついに賭けに出た。 「これまでにない作戦を実行する。『要塞の森』を叩かないとアウディーイウカの完全奪取はできない! そこで突撃兵を募る。真正面から基地に向かって突撃できる男。志願者はいないか!」  ロシア軍が一番落としたい場所は、アウディーイウカ市内にある「コークス工業地帯」の手前にある防衛線だった。自軍の陣地から、距離にしてわずか500m。ウクライナ軍はこの場所に、強固な要塞を築いていた。

文春オンライン
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