ドル上昇に失速の兆候、積み上がるリスク要因-オプション動向が示唆

Vassilis Karamanis

The US Bureau of Engraving and Printing in Washington, DC. Photographer: Al Drago/Bloomberg

為替オプション市場動向によれば、ドルに再び売り圧力の兆候が表れている。8月に向け、あらゆるリスク要因がのしかかる恐れがある。

  ドルのセンチメントを測る主要指標であるブルームバーグ・ドル・スポット指数の1カ月物リスクリバーサルは、2週間ぶりにマイナス圏に転じた。これは、ドル下落に対するヘッジが選好されていることを示唆する動きだ。ドル弱気派が再び優勢になるとの見方を反映している。

  トレーダーらは、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合でハト派的なシグナルが見られるかを注視しているほか、米政策の不透明感や中央銀行としての独立性も懸念している。新たな関税措置が発表されたり、経済統計で米国経済の継続的な弱さが示された場合、ドルのセンチメントはさらに悪化する可能性がある。

  ユニオン・バンケール・プリベの為替戦略責任者ピーター・キンセラ氏はブルームバーグTVのインタビューで、「短期金利がピークに達し、長期金利がスティープ化しているため、ドル安になる可能性がある」と指摘。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に対して「トランプ米大統領は圧力をかけ、不確実性を高めている」として、ドルはまだ底打ちしていない可能性が高いと付け加えた。

原題:Options Signal Dollar Strength Is Fading as Risks Pile Up

(抜粋)

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