中国、小惑星探査機「天問2号」が撮影した地球と月の画像を公開

CNSA=中国国家航天局は2025年7月1日付で、小惑星探査ミッション「天問2号」の探査機が撮影した地球と月の画像を公開しました。

打ち上げ翌日の2025年5月30日に取得したデータを使って作成されたもので、探査機からの距離はどちらも約59万kmとされています。

画像の公開時点で、天問2号の探査機の状態は良好だということです。

【▲ 小惑星探査ミッション「天問2号」の探査機が2025年5月30日13時に撮影した地球(Credit: CNSA, CASC)】 【▲ 小惑星探査ミッション「天問2号」の探査機が2025年5月30日15時に撮影した月(Credit: CNSA, CASC)】

天問2号とは

2025年5月29日に打ち上げられた天問2号は、2つの小天体を目標とする無人探査ミッションです。

1つ目の目標は、近地球小惑星のひとつ「Kamo'oalewa(カモオアレワ、仮符号2016 HO3)」です。公転周期がほぼ1年のKamo'oalewaは、地球を周回しているように見える軌道を描く準衛星としても知られています。大きさは数十~100m程度と推定されていて、月に天体が衝突した時に弾き出された月の破片ではないかと考えられています。

2つ目の目標は「311P/PanSTARRS」です。火星と木星の公転軌道の間に広がる小惑星帯(メインベルト)を約3.24年周期で公転する311Pは、彗星のような活動を示すメインベルト彗星のひとつとして知られています。

天問2号の探査機は、まずKamo'oalewaに接近して観測を行いながら採取地点を検討した上で、サンプル採取を実施。サンプルを収めた帰還カプセルを届けるため、2027年末頃に地球へ一度帰還します。

探査機本体はサンプルを届けた後、再び地球を離れて小惑星帯に向かい、311Pの接近観測を行う予定。Kamo'oalewaのサンプルが届くまで2年半、ミッション全体では10年ほどを要する可能性があるということです。

関連画像・映像

【▲ 天問2号のミッション概要図(Credit: CNSA)】 【▲ 観測を行う天問2号探査機のイメージCG映像(Credit: 中国空間技術研究院)】 【▲ 地球に帰還する天問2号探査機のイメージCG映像(Credit: 中国空間技術研究院)】 【▲ 打ち上げ後に展開された天問2号の太陽電池パドルの画像。2025年6月6日公開(Credit: CNSA)】

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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