「平和国家像の転換」を問う衆院選 政治学者が読み解く高市氏の系譜

白鳥浩・法政大大学院教授=東京都千代田区で2025年6月13日、尾籠章裕撮影

 高市早苗首相が進退をかけるとした衆院選。通常国会の冒頭解散は60年ぶり戦後2回目で、解散から投開票まで16日間は戦後最短と、異例ずくめの選挙戦だ。

 首相は、自民党と日本維新の会の与党で「過半数」の獲得を目標に掲げる。野党の立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」などと激突する構図から見えるものは何か。政治学者の白鳥浩さんに聞いた。【聞き手・岡崎大輔】

 ――超短期決戦が始まりました。

 ◆戦後80年を迎えた平和国家・日本の国家像を転換するのか、しないのか、を選択する重要な選挙です。高市首相がマクロな「国家論」を中心に語れば、対立軸となるべく結成された新党「中道改革連合」はミクロの「国民生活」を前面に掲げており、その比較になります。

国論二分する「高市カラー」とは…

 ――高市首相の公約をどう見ますか。

 ◆高市首相は、「国論を二分するような大胆な政策、改革に果敢に挑戦する」と述べました。では、国論を二分する政策とは何か。それは、「安保関連3文書の改定」と「インテリジェンス(情報収集、分析)政策」の強化です。

 防衛力の増強を図るため、安保関連3文書を改定したり、防衛装備品の輸出を非戦闘目的に限定する「5類型」を撤廃したりすれば、平和国家像が転換されていく可能性があります。

 インテリジェンスは、スパイ防止法の制定が念頭にあるのでしょうが、憲法3原則の一つ、基本的人権との関連で、大きな課題を含んでいます。

選挙制度の弊害が生んだ新党

 ――新党「中道改革連合」が誕生しました。

 ◆160人超の立憲と公明の衆院議員が参加して発足した中道改革連合は、小選挙区制中心の選挙制度の弊害により、誕生したと言えます。多党制の時代ですが、1選挙区1人しか勝てない選挙制度のため、立憲と公明が互いの主張を譲り合い、大きな塊を作る必要性があったのではないでしょうか。

 中道の公約は、恒久的な食料品の消費税ゼロが柱です。自民も、2年限定で食料品の消費税ゼロを訴えていますが、「検討を加速させる」としており、実現性は極めて不透明です。

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