ソニーGのCFO「スマホ(Xperia)事業の分離はない」と表明 合弁に承継させる「テレビ事業との違い」は何?
ソニーグループは2026年2月5日、2025年度第3四半期の業績説明会を開催した。この場で執行役CFOの陶琳氏が、スマートフォン「Xperia」の事業ステータスについて言及する場面があった。市場ではテレビ事業の構造改革が発表された直後であるだけに、同じく構造変革の対象と目されていたスマートフォン事業の行方に注目が集まっていた。陶氏は質疑応答の中で、スマートフォン事業のステータスを変更する予定はないとし、事業継続の方針に変更がないことを示した。
質疑応答では、ET&S分野の構造改革に関する質問が飛んだ。テレビ事業を中国TCL Electronics Holdingsとの合弁会社へ移管する意図とともに、スマートフォンのステータスに変化があるかを問う内容だった。これに対し陶氏は、スマートフォンに関して「そのような予定はない」と回答した。ポートフォリオの最適化は経営の重要課題であるが、スマートフォン事業は現状のステータスを維持する形となる。
ソニーとTCLは2026年1月20日、ホームエンタテインメント領域での戦略的提携に向けた協議を進めることで基本合意したと発表していた。両社は3月末をめどに法的拘束力のある契約を締結し、2027年4月に合弁会社の事業開始を目指す計画を立てている。この合弁会社にはTCLが51%、ソニーが49%を出資し、ソニーのテレビに関する開発から製造、販売、顧客サービスまでをグローバル規模で承継させる方針だ。
陶氏は今回の提携について、ソニーが長年培ってきた資産とTCLの強みを融合させることで、事業成長を図る狙いがあると説明した。具体的には、ソニーのオペレーションマネジメント力と、TCLが持つコスト競争力や垂直統合型サプライチェーンを掛け合わせる。合弁会社が展開する製品については、今後もソニーおよび「ブラビア(BRAVIA)」のブランド名を維持して販売を続けることが決定している。
このようにホームエンタテインメント事業が大きな転換点を迎える一方で、スマートフォン事業の扱いは従来通りであることが確認された。テレビ事業では外部リソースを活用した合弁化を選択したが、スマートフォンに関しては現状維持を選択している。これはソニーが持つ通信技術やモバイル関連の資産を、今後もグループ内で直接的に管理・活用していく方針の表れと捉えることが可能だ。
スマートフォン事業に関しては、ユーザーの間で不安が広がっていた経緯がある。MM総研が発表した2024年の携帯電話およびスマートフォン出荷台数シェア調査において、ソニーの名前が上位に見当たらなかったことが一因だ。加えて、2025年に発覚したハイエンドモデル「Xperia 1 VII」の不具合も重なり、SNS上では事業撤退を危惧する声や、今後のサポート体制を懸念する投稿が散見されていた。
ソニー側はこの不安に対し、これまでも火消しを行ってきた。2025年8月7日の第1四半期業績説明会において、陶氏は通信分野で築いた技術資産の重要性を説き、今後も大切に育てていく方針を示している。また同年9月に実施したメディア向け説明会でも、ソニーモバイルコミュニケーションズ事業部の大島正昭事業部長が、事業を継続していく姿勢を明確に打ち出していた。
2026年2月5日に開催の第3四半期説明会における陶氏の発言は、これら一連の方針に「変更がない」ことを改めて確認できる内容だった。テレビ事業が外部との合弁に移行するという大きな変化の中で、スマートフォン事業は現状の体制を維持するとした意義は大きい。既存のXperiaユーザーや購入を検討している層にとって、メーカー側から公式にステータスの維持が示されたことは、今後の製品選びにおける判断材料の1つとなるはずだ。
【訂正:2月5日21時14分】記事中で陶CFOがスマホ事業の分離を否定したとありましたが、正しくは「ステータスに変更はない」旨の発言でした。訂正してお詫びします。
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