猛暑の韓国で異変…仁川空港が高齢者の“避暑地”に ホームレスも急増し空港側が退去命令
年間7400万人が利用する世界有数の巨大空港で、いまある異変が起きています。
韓国の仁川(インチョン)空港で10日も見られたのは、休憩スペースにレジャーシートを敷いて寝る人やスマホをいじる人です。その多くが、高齢者です。
慣れた手つきで靴を脱ぎレジャーシートを広げ始める女性もいて、休憩スペースが次から次に埋まっていきます。さらには、将棋を指している男性らもいました。
しかし、この高齢者の多くは旅行客ではありません。
利用している人からは「暑いし公園にもよく行くけどちょっと静かで落ち着きます。冷房の温度も心地いいです」「ここは涼しいから私が一番好きな場所です。天国は他にはないよ。ここが天国です」といった声が聞かれました。
こうした状況に10日、空港を利用した日本人は「韓国っぽい。異国に来たなという感じ」「ベンチで寝ている人を見た」「暑いのが悪いんじゃないですかね」と話していました。
空港が高齢者の天国に。その背景にあるのが、韓国の猛烈な暑さです。
韓国南東部の梁山(ヤンサン)では2日、最高気温が42.5度に達し観測史上最高を記録。7日にはソウルでも40度を超え、連日危険な熱波が韓国各地を襲っています。
そんな状態は10日もみられました。
午後1時のソウル市内の気温は、手元の温度計で33度を指していて、子供たちは噴水で水浴びをしながら暑さをしのいでいました。猛烈な暑さをしのぐためにテントも設けられていて、中ではエアコンが効き、いすなども設置されています。
こうした中、高齢者が真夏の避難先に選んだのが仁川空港です。なぜ空港に集まるのでしょうか。
実は、韓国では65歳以上の高齢者は地下鉄と空港鉄道が無料。交通費の負担なしで行ける空港が高齢者の避暑地になっていたのです。
一方で、空港に寝泊まりするホームレスが急増したという問題もありました。
大きな荷物を抱えてこの時期にダウンコートを着ている男性の姿もみられました。家がないのでしょうか、足元には大量の荷物があり、空港で生活している様子をうかがわせます。
韓国の地元メディアによりますと、仁川空港で生活するホームレスの人数は、多い時で約200人まで増えたといいます。
7月末、空港側は退去命令を出しました。退去命令書には「法律により野宿は禁止されているため、直ちに野宿を中止し空港から退去してください」と書かれています。
仁川国際空港公社によりますと、現在、空港内では16人のホームレスが暮らしているということです。