話題株ピックアップ【夕刊】(2):フジクラ、アステラス、明和産
■フジクラ <5803> 10,375円 +639 円 (+6.6%) 本日終値
フジクラ<5803>がプライム市場の売買代金2位となる大商いで続急騰、フシ目の1万円大台に初めて乗せてきた。世界的なデータセンターの建設ラッシュを背景に、光ファイバーや光コネクターなどの光関連製品への需要が高水準に膨らんでおり、関連有力銘柄の筆頭格として買い人気が集中している。また、同社と同様の背景で古河電気工業<5801>も上値指向を加速させており、新値街道をまい進する状況となっている。株式需給面に目を向けると、フジクラと古河電いずれも直近の信用倍率が0.8倍台と売り長で、空売り筋のショートカバーが株価上昇を後押ししている構図となっている。
■アステラス製薬 <4503> 1,578.5円 +90.5 円 (+6.1%) 本日終値
アステラス製薬<4503>が急反発した。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比6.9%増の5057億9400万円、最終利益は同82.0%増の684億2200万円となった。大幅な最終増益で第1四半期として好調な滑り出しとなったとの受け止めが広がり、買いが集まったようだ。尿路上皮がん治療剤「パドセブ」や加齢黄斑変性治療剤「アイザーヴェイ」、閉経に伴う血管運動神経症状治療剤の「ベオーザ」、前立腺がん治療剤の「イクスタンジ」の販売が伸長した。前期に発売した胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤の「ビロイ」も売上高の拡大に貢献。コスト最適化などの効果もあって販管費が減少し、利益を押し上げた。■明和産業 <8103> 760円 +42 円 (+5.9%) 本日終値
明和産業<8103>が後場急伸し、年初来高値を更新した。同社はきょう午後1時30分ごろ、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比84.7%増の14億4100万円となり、通期計画の32億円に対する進捗率は45.0%となった。売上高は同2.3%減の388億2800万円にとどまったが、利益率の高い商材の売り上げが好調だったことなどが利益を押し上げた。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。■リケンテクノス <4220> 1,169円 +62 円 (+5.6%) 本日終値
リケンテクノス<4220>は後場に買われて1994年以来、31年ぶりの高値をつけた。同社はきょう午後2時、取得総数150万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.0%)、取得総額18億円を上限とする自社株買いの実施を発表。株式需給への好影響を見込んだ買いが入った。同時に資本効率の向上につなげるため、同社は工場再編の実施も発表した。将来に向けた生産能力増強と効率化のため、三重工場(三重県亀山市)の隣接地を取得し90億円投じて拡張する。約3万平方メートルの土地を確保し、主に樹脂コンパウンドを取り扱う工場及び倉庫を2026年10月に着工し、29年9月に完成させる予定だ。一方、群馬工場(群馬県太田市)の固定資産の一部を約18億9000万円で譲渡する。譲渡益は約4億5000万円。今回の固定資産売却益は今6月中間期に特別利益として計上する見通し。業績予想は他の要因も含め精査中で、修正が必要な場合は速やかに公表する。あわせて発表した26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は売上高が前年同期比4.2%増の326億7900万円、営業利益が同8.8%増の26億5000万円だった。医療や食品包材市場などに仕向けるデイリーライフ&ヘルスケア部門、エネルギーやIT機器市場などに仕向けるエレクトロニクス部門、住宅やビル市場などに仕向けるビルディング&コンストラクション部門が増収増益になった。■日本M&A <2127> 760円 +39.6 円 (+5.5%) 本日終値
日本M&Aセンターホールディングス<2127>は高い。30日取引終了後に4~6月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比18.1%増の90億1800万円、営業利益は同56.6%増の25億900万円だった。成約件数が伸長し、1件当たりM&A売上高が高水準を維持した。新規の商談開始案件数も増加しており、今後着実に成約させていくことを目指す。好決算を評価した買いが入った。■Gセキュリ <4417> 3,200円 +160 円 (+5.3%) 本日終値
30日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は28%増益で着地」が好感された。グローバルセキュリティエキスパート <4417> [東証G] が7月30日大引け後(15:30)に決算を発表。26年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比28.1%増の3.1億円に伸びたが、通期計画の21.8億円に対する進捗率は14.6%となり、3年平均の16.7%とほぼ同水準だった。
⇒⇒Gセキュリの詳しい業績推移表を見る■NSユナイテッド海運 <9110> 4,200円 +200 円 (+5.0%) 本日終値
NSユナイテッド海運<9110>が後場に強含み、年初来高値を更新した。同社は31日午後2時30分、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、通期の連結業績予想を増額修正した。今期の売上高予想は従来の見通しから60億円増額して2070億円(前期比16.3%減)、最終利益予想は24億円増額して164億円(同11.9%減)に見直した。業績予想の引き上げを手掛かりとした買いが入ったようだ。円安効果などにより4~6月期の業績が想定を上回ったほか、足もとでドライバルク市況が回復基調となり、今後も底堅く推移すると予想。業績の改善を見込む。4~6月期の売上高は前年同期比12.0%減の548億3300万円、最終利益は同4.5%増の59億5400万円だった。なお、同社は中間配当予想をこれまでの見通しから15円増額して105円としたうえで、未定としていた期末配当予想は105円とした。年間配当は210円(前期比30円減配)となる。■アイシン <7259> 2,099円 +86 円 (+4.3%) 本日終値
アイシン<7259>は後場急騰。2018年2月以来、7年5カ月ぶりの高値を更新した。同社はきょう午後1時、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高が前年同期比3.1%増の1兆2203億8400万円、営業利益が同42.1%増の478億7600万円、最終利益が同2.9倍の395億5700万円となった。通期計画に対する最終利益の進捗率は約32%に達し、業績の上振れ期待が膨らんだようだ。4~6月期の売上高はパワートレインユニット販売台数の増加が円高の影響を補って増収につながった。利益面には生産台数の増加や企業体質の改善努力などが奏功した。地域別では主力の日本が増収減益となった一方、北米と中国、アセアン・インドが増収増益となった。■住友電気工業 <5802> 3,758円 +154 円 (+4.3%) 本日終値
住友電気工業<5802>が後場終盤になって急上昇。午後3時ごろに発表した26年3月期の連結業績予想について、売上高を4兆5000億円から4兆6000億円(前期比1.7%減)へ、営業利益を2750億円から2950億円(同8.0%減)へ、純利益を1900億円から2050億円(同5.8%増)へ上方修正したことが好感された。自動車関連事業や情報通信関連事業の需要が堅調に推移したことに加えて、米国の追加関税の影響が当初の見込みを下回っていることが貢献する。同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高1兆1484億円(前年同期比2.9%増)、営業利益603億100万円(同13.2%増)、純利益351億1900万円(同10.6%増)だった。前年同期に増益に貢献した銅価格上昇に伴う影響が一巡したことから、環境エネルギー事業は減益となったものの、情報通信関連事業で生成AI市場の拡大を背景に、データセンター向けの光デバイス、光配線機器、光ケーブルの需要が増加した。また、自動車関連事業でワイヤーハーネスや防振ゴムの需要が堅調に推移した。■電通総研 <4812> 6,630円 +260 円 (+4.1%) 本日終値
電通総研<4812>は大幅高で3連騰。同社は30日の取引終了後、25年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算発表にあわせて、通期業績予想の修正を発表した。売上高を従来予想の1700億円から1680億円(前期比10.1%増)に引き下げた一方、経常利益を230億円から235億円(同11.4%増)に引き上げており、見直し買いを誘ったようだ。売上高は中間期の業績が想定を下回った一方、下期の売上高計画を当初の想定より増額する。生産性の向上による効果を織り込んだほか、経常利益及び最終利益は中間期実績を踏まえ、上方修正した。6月中間期の連結決算は売上高が802億3900万円(前年同期比8.1%増)、経常利益が111億900万円(同8.2%増)だった。人事・会計を中心に企業の経営管理業務の高度化を支援するビジネスソリューション部門や、企業のマーケティング変革および官庁や自治体のデジタル改革を支援するコミュニケーションIT部門が増収増益となり、業績をけん引した。全体の受注高は前年同期比で3.4%増となった。 株探ニュース