ソフトバンクGとオープンAI、合弁に各190億ドル出資計画-報道

ソフトバンクグループと米オープンAIは、人工知能(AI)インフラの合弁事業「スターゲート」にそれぞれ190億ドル(約2兆9700億円)相当の資本をコミットする計画だと、ジ・インフォメーションが報じた。トランプ米大統領は今週、スターゲートがまず1000億ドルを投資すると発表していた。

  インフォメーションはオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)による同僚への発言を引用し、両社がそれぞれスターゲートの40%分を保有することになると伝えた。

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  スターゲートを通じた投資はソフトバンクGの孫正義会長兼社長とアルトマン氏、米オラクルのラリー・エリソン氏と共にホワイトハウスで公表され、データセンターなどインフラ整備に1000億ドルが投じられる。この発表以降、ハードウエア支出の急拡大を巡る期待感から、AI関連銘柄が大きく上昇。23日のソフトバンクG株は一時6%を超える値上がりで続伸している。

  だが、イーロン・マスク氏らテクノロジー業界の関係者は、スターゲートとその資金調達を巡る詳細の乏しさに疑問を呈している。AIスタートアップのxAIの創業者でもあるマスク氏は、トランプ大統領の発表に参加した企業が約束を守れるかどうか公然と疑念を示した。

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  インフォメーションによると、アルトマン氏は同僚に対し、スターゲートはベンチャーファンドのようなもので、オープンAIとソフトバンクGはそのゼネラルパートナーだと述べた。オラクルとアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国が支援するMGXも加わり、それぞれ約70億ドルを拠出することになると、アルトマン氏が発言したという。残りの資金はリミテッドパートナーとデットファイナンスから調達する方向となっている。

  トランプ大統領は、AIにおける米国のリーダーシップの確立が政権にとって優先課題の一つであることを明らかにしている。許認可プロセスを加速させ、他の規制を緩和することで民間投資を促す方針を示すなど、その優位性を確保するための広範なアプローチを示唆している。

  しかし、スターゲートが実際に従来の計画から劇的に増加したものなのかどうかについては、懐疑的な見方も根強い。

  事情に詳しい関係者によれば、孫氏はトランプ氏の私邸マールアラーゴを先月訪れ、ソフトバンクGが4年間で1000億ドルを投じると発表したばかりで、21日の発表はその取り組みから引き出されたものだという。エリソン氏は同プロジェクトで検討されているデータセンターの一部はすでに建設中だと説明。また、オープンAIはAIインフラ投資計画の概要を示している。

  ブルームバーグは以前、ソフトバンクGがプロジェクトファイナンススキームでハイパースケーラーを活用し、数百億ドルを数千億ドルにレバレッジする可能性があると報じた。同社は昨年9月末時点でバランスシートに3兆8000億円の現金および現金同等物を保有している。

原題:SoftBank, OpenAI Eye $19 Billion for US AI, Information Says (1)(抜粋)

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