働く低収入者にも給付検討、対象拡大でゆがむ制度案 消費税後回し

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超党派の「社会保障国民会議」は13日の実務者会議で、新たな給付制度について中間取りまとめの修正案を議論した。税や社会保険料の負担が少ないために対象外としてきた働く低収入者への給付検討が新たに盛り込まれた。

議長を務める自民党の小野寺五典氏は与野党の意見を一部取り入れ、6月26日に示した案を修正した。

この日の会議では2029年度からの本格導入を目指す給付制度の設計を優先して話し合った。議長がつなぎとして提案する食料品の消費税減税は、与党内も含めて各党の主張に隔たりが大きいとして結論を持ち越した。

小野寺氏は会議後に記者団に対し「給付制度のつなぎ以外の部分について参加者からは前向きな評価をもらえた。給付制度について早めに意見の集約ができるよう努力したい」と述べた。今回示した修正案をもとに各党内で議論する。16日に再び開く実務者会議で給付制度に関する意見を集約して、早期の与野党合意を目指す。

新たな給付制度は税や社会保険料負担の重い中低所得の勤労者を対象とし、所得に応じて給付額を変動させる。働き控えが生じる「年収の壁」と呼ばれる所得水準の人には給付額を加算し、就労意欲を高める。子どもを扶養している人には人数に応じて加算する。

中間取りまとめの修正案では、税や社会保険料の負担や労働の収入が少ないために制度の対象外としてきた低収入の現役世代や病気・障害で働けない人向けの給付検討を盛り込んだ。就労支援などとあわせた一体的な仕組みについて、可能なものは29年度から実施できるよう結論を得る。

対象の拡大は中道改革連合などの野党が主張してきた。小野寺氏の案では、給付制度までのつなぎとして27年度から2年間に限り消費税を減税する。減税終了後は、給付制度の対象外の人にとって実質的な増税となる。低収入者などの負担を減らすため野党が追加の支援を求めていた。

給付の対象は、保険料負担の軽減や働き控えの解消というのが制度本来の趣旨だったが、なし崩し的に拡大しつつある。

就労していない高齢者についても、年金制度や生活保護との関係を踏まえ「必要な対応のあり方を継続的に検討し、次期年金法の改正を予定する30年までに結論を得る」と明記した。与党は早期の取りまとめに向け、こうした対象拡大も検討対象に含めてきた。

修正案では「年収の壁」に対応する人への給付の加算はあくまで時限措置とすることも明記した。「年収の壁が解消するまで」とし、年金の「第3号被保険者制度」の見直しや会社員が加入する被用者保険の適用拡大を通じて働き控えにつながる要因そのものを解消していく方針を盛り込んだ。

第3号被保険者制度では一定の年収内であれば社会保険料を支払わずに年金を受け取れるため、保険料負担を避けようと働く時間を調整する「働き控え」を招いているとされる。

国民会議は、新たな給付制度と消費税減税の制度設計について、政府がまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に反映することを念頭に夏前までの中間取りまとめを目指してきた。国会で与野党対立が続いたため6月26日以降は協議が停滞していたが、7月13日に議論を再開した。

食品の消費税減税を巡っては13日の会議でも結論を後回しにした。各党の主張が対立し、着地点が見いだせていないためだ。

小野寺氏は2年間に限り食品の消費税率を1%とし、残りの1%を給付で還元し「実質ゼロ」とする案を示す。国民民主党とチームみらいは減税ではなく給付での対応を主張し、中道改革連合や公明党などは恒久減税を主張する。

小野寺氏は13日、消費税減税を含むつなぎの措置について「各党かなり主張に開きがある。取りまとめ方を含め引き続き協議をする」と述べた。

政府は14日にも骨太の方針を閣議決定する方向だったが、日程を先送りする。それでも消費税減税をどこまで反映できるかは不透明だ。

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