英ロンドンの水族館に「閉じ込められている」ペンギン、解放求める声高まる
ロンドン水族館で飼育されているジェンツーペンギン/Born Free/PA Wire
(CNN) 英国の国会議員数十人が、ロンドンの水族館に「閉じ込められ」、日光や新鮮な空気に触れることができない15羽のペンギンの解放を求めている。議員らは「彼らの生活環境はまったく受け入れられない」ものだと主張した。
15羽のジェンツーペンギンは、国会議事堂からほど近いテムズ川沿いにあるロンドン水族館で飼育されている。
PA通信によると、マーリン・エンターテイメンツ社が所有する同水族館は、2011年5月からペンギンを公開している。
活動家らは、ペンギンたちが狭い飼育場に閉じ込められ、本来の行動を取ることができていないと訴える。
動物保護団体は請願書の中で、「飼育場の水深がわずか1.8~2メートルほどしかなく、あまりにも浅い。彼らは野生であれば180メートルも潜ることができる」と主張。この請願書にはすでに3万7000人あまりが署名している。
現在70人を超える国会議員が環境食糧農村省(DEFRA)宛ての書簡で、ペンギンを適切な施設に移すよう検討を求めている。PA通信が報じた。
書簡に署名した国会議員ダニー・チェンバース氏は、ペンギンが「まったく容認できない」環境下に置かれていると述べた。「ペンギンたちは新鮮な空気も自然光も得られず、健やかに過ごすための空間も与えられていない」
ペンギンの解放と、同水族館での繁殖に関わる全計画の中止を求める運動は、ここ数カ月で勢いを増している。
環境活動家クリス・パッカム氏は先月、水族館前で行われた抗議活動に参加。ペンギンの飼育環境を「全くもって言語道断だ」とし、「この状況を続けてはならない」と訴えた。
一方、マーリン・エンターテイメンツ社の広報は声明で、専門チームがペンギンたちの「健康的で繁栄的な」環境を確保していると反論している。また、飼育施設は、獣医師やペンギンの専門家と連携して設計されたものだと付け加えた。