トランプ政権でまた通信アプリが問題化、ハッカー被害の恐れで調査中
ホワイトハウスの大統領補佐官(国家安全保障担当)を先週解任されたマイケル・ウォルツ氏が使用していたとみられるメッセージアプリ「テレメッセージ」は、ハッカーに技術を悪用された疑いで調査を実施している。別のアプリ、シグナルを使ったグループチャットの発覚で物議を醸したウォルツ氏は、テレメッセージを使用して他の政権高官とやりとりしているところを、ロイターのカメラマンに先週撮影された。
関連記事:米誌編集長を誤って追加、トランプ政権のフーシ派攻撃計画のチャット
テレメッセージの公報担当者は5日、調査の開始とアプリの一時サービス停止を文書で発表した。オレゴン州ポートランドに本社を置くソフトウエア会社スマーシュが運営するテレメッセージは、シグナルやワッツアップ、テレグラムなど暗号化アプリのメッセージをアーカイブ化する機能を有する。
ウォルツ氏のテレメッセージ通信履歴には、ルビオ国務長官やギャバード国家情報長官ら複数の政府閣僚や高官の名前が含まれるという。
テクノロジーニュースサイトの404メディアは4日、ハッカーがテレメッセージに侵入し、ダイレクトメッセージ(DM)やグループチャットのメッセージの一部を盗んだと報じた。
テレメッセージの広報担当者は「当社はハッキング検知後、即座に行動し、被害の拡大を防ぎ、外部のサイバーセキュリティー企業と協力して調査を進めている」と説明。「念のためにテレメッセージのサービスを全面的に一時停止した。スマーシュが提供する他のプロダクトやサービスは通常通り稼働している」と述べた。
同社に追加情報を求めたが返信はない。
ウォルツ氏は3月、イエメンの親イラン武装組織フーシ派を攻撃する詳細な計画について議論する米政府高官のグループチャットに、米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長を追加。この問題が引き起こした騒動が一因となって、トランプ米大統領は先週、ウォルツ氏の解任を決定、同氏を国連大使候補に指名したとみられる。
原題:Messaging App Tied to Trump Cabinet Investigating Cyber Incident(抜粋)