行動経済学を応用して、挫折せず賢く貯金する3つのコツ
貯金するためのコツはさまざまありますが、デューク大学の研究機関「Common Cents Lab」が発表した報告書で、お金を増やすための行動に関する興味深い事実が判明しました。
この報告書では、高齢者、低所得者、時給労働者を対象とした、2017年の同研究機関での実験すべてを詳細に説明しています。私たちにも応用できる大事なポイントをいくつかご紹介します。
「年齢」の節目を目標達成のトリガーに
この報告書によると、高齢者は次の年齢がキリがいいことがわかると、習慣を変えようと思い立ちます。同研究機関は、高齢者向けの賃貸住宅マッチングサービス「Silvernest」と提携しており、利用者増加をはかっています。
その施策として、「64歳から65歳になるあなたへ。リタイアの準備はできていますか? 家を貸すのも老後の備えになります」というインターネット広告を実施しました。すると、以前の広告よりもクリック率が2.46%から5.49%に上がったのです。
このことからもわかるとおり、年齢の大台が変わる時期が近づくと、人は行動や人生で大きな変化を起こしやすくなります。これは、過去の研究結果とも一致しています。
これを踏まえて、自分の誕生日が来る数カ月前に、自分のやりたいことや達成しなければならないこと、経済的に賢い判断をしたいことの一覧表をつくってみてください。
スケジュールのリマインダーを設定し、目標について誰かに伝えることで、より確実に目標を達成できるようにしましょう。
予算ではなく回数を制限する
銀行口座を管理するアプリ「Qapital」で行われた3万以上の取引を分析した結果、消費者はレストランの食事やコーヒー、ファストフードなどで使ったお金は、ほかの分野のものよりも後悔していることがわかりました。
つまり、食事にいくら使うかではなく回数を制限したほうが、より効果があるのです。ですから、あまり支出を増やしたくないものに対しては、金額ではなく回数を設定しましょう。
自動引落しで「支払いの心理的ストレス」を減らす
「Qapital」と別の実験では、ミレニアル世代は取引明細書を見ることに慣れるにつれて、定期的に引き落とされる明細を見ても嫌な気分になりにくくなることがわかりました。実際、定期的でない取引に比べて、定期的な取引のほうが10%も満足度が高かったのです。
報告書ではこのように書いています。
人間はすぐに慣れるからです。初めての経験というのは新鮮で興味深いものですが、似たような経験を何度かすると、新鮮さや興味は弱まり、同じような反応をしなくなります。バンドエイドを初めて剥がしたときは痛いですが、何度も剥がしていると痛さを感じにくくなるのと同じです。
家賃、自動車ローン、光熱費など、毎回自動引落しされるものについては、経済的な痛手を感じにくくなります。
一見すると「お金を払っている感覚が薄れるため、かえって貯金が難しいのでは?」と思うかもしれません。しかし、ここでのポイントは「無駄な意思決定の回数を減らすこと」にあります。
飲食などは現金で支払うことが多いので、支払うことがより新鮮で明らかになり、後悔する可能性が高くなります。毎月支払うべき固定費にいちいち頭を悩ませるのをやめ、「外食の回数を抑える」といった、よりコントロールが必要な変動費の管理に集中させるのが、賢い資産管理のコツなのです。
──2018年4月8日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
▼見直したい「お金のこと」
訳:的野裕子
Source: CENTER FOR ADVANCED HINDSIGHT