中国が経済成長モデル擁護、消費主導図る-確実性と安定で世界に貢献

中国財政省の廖岷次官は18日、対外貿易は合理的な範囲内にあり、同国が世界市場の支配を試みることはないと述べた。データを見れば、国内消費が経済成長をけん引していることが示されているとも指摘した。

  廖次官は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれた南アフリカ・ダーバン近郊でインタビューに応じ、「中国の生産の大半は国内需要を満たすことを目的としている」と説明。「海外需要があれば、それに応じて輸出するが、中国があらゆる市場を支配しようとしていることを意味するわけではない」と語った。

  廖氏は中国の最新の国内総生産(GDP)統計について、重要な局面で世界経済に貢献していると評価。トランプ米政権による関税措置の影響で、エコノミストらは今年の世界経済の成長見通しを下方修正している。中国の上期の成長率は5.3%であり、同氏は「予想通りだった」と述べた。

  「世界経済が現在最も必要としているのは安定と確実性だ。中国の確実性と安定性こそが世界への最大の貢献だ」と廖氏は話す。「中国は比較的バランスのとれた対外貿易を維持しながら、消費主導の経済モデルへと着実に移行していく」とも述べた。

  直近の四半期GDP統計では、輸出が成長を支えたことが示された。モノの貿易収支は上期に約5860億ドル(約87兆2200億円)の黒字を計上。関税措置を見越した前倒し出荷が一因とみられる。今後、輸出の勢いは鈍ると予測されるが、一部のエコノミストは通年の黒字額が1兆ドルを超えるとなお見込んでいる。

  廖氏は、過去4年間のGDP成長のうち平均56.2%が消費によるものであり、2016-20年と比べて8.6ポイント高いと説明した。

  一方、中国に批判的な声もある。ベッセント財務長官は「中国は歴史上最もバランスを欠いた経済」だと繰り返し主張。先月の議会証言でも、中国政府が国内の不動産不況から「輸出頼みで脱しようとしている」と非難した。

  廖次官の発言は、今後数週間以内に見込まれる新たな米中貿易協議を前にしたものだが、今回のインタビューではベッセント長官の批判に関して具体的なコメントを控えた。廖氏はジュネーブとロンドンで米側と貿易休戦に至った中国交渉チームの主要メンバーの一人。

原題:China Defends Growth Model, Plans Consumption as Greater Driver(抜粋)

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