香取慎吾が全然「最低男」じゃない!の声に対し、『日本一の最低男』北野Pが明かす最終回のヒント(田幸 和歌子)

「回を重ねるごとに尻上がりに面白くなっていく」「途中から毎回泣いている」といった声がSNSで増加中の香取慎吾主演ドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系木曜劇場)。

人生崖っぷちに追い込まれた、家族嫌いで子ども嫌いの最低男・大森一平(香取)が、選挙に当選するためにシングルファーザーの義弟・小原正助(志尊淳)とその子どもたちと暮らし始め、家族のような関係を築いていく中、徐々に日本社会の問題に気づき、より良い社会を作るために本気で選挙に立候補する “選挙&ニセモノ家族ドラマ”だ。

第7話より(C)フジテレビ

プロデュースしたのは、NHKの報道記者出身の北野拓さん。NHK時代の『フェイクニュース あるいはどこか遠くの戦争の話』(2018年)や、WOWOWの連続ドラマW『フェンス』(2023年)など、良質な社会派作品を手掛けてきた彼が、エンタメ色の強いドラマを得意とするフジテレビで最初に手掛けたのが本作である。

2児の父でもある北野さんが、なぜいま「家族と選挙」に関するドラマを作ったのかに迫るインタビュー第2回。北野さんが考える「令和のホームドラマ」とは何か、そして一平が「全然最低じゃない」という声に対し、北野さんが明かしてくれた最終回に向けた「ヒント」とは。

リアルな問題意識を反映した「令和のホームドラマ」を作りたかった

――そもそも、なぜ「家族と選挙」をテーマにした作品を作ろうと思われたのですか。

北野P: 僕は今、4歳と2歳の子どもを子育て中で、日常の中でいろんな課題に直面していまして。自分自身の働き方の問題、仕事と育児を両立する難しさ、ケア労働の大切さなど、今の厳しい社会状況の中で考えることが多いんです。家族や日常の問題の先には政治があるという意識を反映しつつ、家族関係のあり方をアップデートした令和のホームドラマをやりたいなと思い、企画を考え始めました。

第8話より(C)フジテレビ

――令和のホームドラマを作るにあたり、どんなことを考えたのでしょう。

北野P:今の日常の課題は、個人や家族の絆、友人や地域のつながりだけで解決していい問題ではなくて、どうしてもその先に政治的な解決が必要だと描かざるを得ないと思いました。家事育児と仕事の両立、同性婚、不登校など、日常の課題は政治とは切り離せないですし、ホームドラマと政治ドラマを掛け算する企画は今までなかったので、チャレンジしてみようと考えました。

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