ロシアのミサイルとドローン、イギリスや日本など外国製の部品を使用とゼレンスキー氏(BBC News)
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6日、同国各地を5日にかけて攻撃したロシアのミサイルやドローンに、イギリス製マイクロコンピューターなど10万点以上の外国製部品が使用されていたと明らかにした。 ゼレンスキー氏は、ドイツや日本、アメリカを含む同盟国で製造された部品がロシアの兵器に使用されていることが確認されたとして、ロシアにさらなる「効果的な制裁」を科すよう各国に訴えた。 イギリスのビジネス貿易省(DBT)は、英企業の製品がロシアの軍事供給網に流入し続けている問題をめぐり、最近取り締まりに乗り出したと説明した。 英政府報道官は、「ロシアの兵器から英企業の製品が見つかっているという報告を、極めて深刻に受け止めている」と述べた。 さらに、英政府は「すべての戦場関連品を含む、ウクライナから指摘された数千種の製品について、ロシアへの輸出を禁止した」とし、「最も厳しい制裁パッケージ」を発動したと付け加えた。 制裁に違反した個人や企業は、「巨額の罰金または刑事訴追」の対象となる可能性があるという。 DBTによると、イギリスの対ロシア貿易では現在、200億ポンド(約4兆円)超に相当する製品が制裁対象となっている。 ゼレンスキー氏は、ロシアが使用する「ドローンの飛行制御用マイクロコンピューターはイギリスで製造されたものだ」とソーシャルメディアに投稿。 「制裁を回避するあらゆる仕組みを遮断することが極めて重要だ」とし、ウクライナを支援する国々は、ロシアに利用され続けている「各企業と各製品に関する詳細なデータをすでに保有している」と付け加えた。 ロシアの兵器には、中国や台湾、オランダで製造された部品も使われていることが確認されていると、ゼレンスキー氏は続けた。 ロシアは5日にかけて、ウクライナ西部リヴィウを中心に各地をミサイルとドローンで攻撃。リヴィウ州ラパイウカ村では、15歳の少女を含む家族4人が死亡した。また、この家族の1人と、隣人2人が負傷した。 ロシアは2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以降、世界で最も多くの制裁を受ける国となった。 しかし、ロシアは状況に順応させることで経済と製造業の崩壊を回避し、軍事支出を大幅に増加させて成長を維持している。 また、欧州諸国がロシア産エネルギーの購入量を削減した後も、中国やインドが買い手となっており、クレムリン(ロシア大統領府)にとって重要な収入源を維持している。 ただ最近では、ロシア経済がますす深刻な圧力にさらされている兆候が増えていると、西側の多くの専門家は指摘している。 ロシアのマクシム・レシェトニコフ経済発展相は6月、ロシア経済が「景気後退の瀬戸際にある」と警告していた。 (英語記事 British parts found in Russian drones, Zelensky says)
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